ドライブデートが当たり前だった80年代。
電車が走っていない深夜の時間、朝日が眩しい時間… 車はいつでも、恋人たちをどこまでも遠くへ運んでくれました。
二人だけの「密室の空間」として。
前回は、大人のラブラブモード全開。ユーミンサウンドの代表曲、車デートの真骨頂の「中央フリーウェイ」でしたが、2回目もユーミンの曲の中で代表的な存在、「埠頭を渡る風」(1978年)です。
埠頭は、東京の「晴海埠頭」。コンビナートの夜景とドライブ。またまた映像が目に浮かんできますね。
ですが、あまりにも有名なユーミンのドライブの曲なのに、曲の中で描かれる男女の関係性がわからない! 知っている人がいたら、教えて!! と、言いたくなってしまいます。
でも、なぜか泣ける、胸キュンになります。そこが、さすがユーミン! なんですよね。
青いとばりが道の果てに続いてる
悲しい夜は私をとなりに乗せて
街の灯りは遠くなびくほうき星
何もいわずに 私のそばにいて
もうそれ以上 もうそれ以上
やさしくなんてしなくていいのよ
いつでも強がる姿うそになる
この2人が恋人として、付き合っているのかどうか… はっきりとした、明確な言葉は出てこないのです。
ただ、女性目線から、男性に読み取っていただきたいのは、女性は好きな男性が悲しみを抱えている時こそ、そばにいたい。自分をそばに置いて欲しい… と思っています。
そばにいることしかできないかもしれない、悲しみの解決にはならないかもしれない。
優しい態度で気を遣って、強がらずに、今、私といる時は背中を丸めて悲しみの姿を見せてもいいのよ、と。
そして、女性からのさりげない男性への愛情表現。
白いと息が闇の中へ消えてゆく
凍える夜は 私をとなりに乗せて
ゆるいカーヴであなたへたおれてみたら
何もきかずに横顔で笑って
これこそ、クルマ、車の中でしか、ドライブでしか出来ない愛情表現なんですよ。そして、お互い言葉を必要としない。ゆるいカーヴなんて倒れる訳がないんだけど(笑)。
女性は好きな相手でなければ、男性に身体を寄せることはしません。
もしかしたら、女性は、はっきりと男性に「愛してる」と言えない立場、もしくは、気持ちを重く感じさせないように気を使いたかったのかもしれない。
「あなたのことが好きよ」と、この気持ちが、「あなたに倒れてみたら」のように自然と、気持ちと身体が男性に倒れていった、寄り添ったのかなと。
男性の皆さん、助手席の女性が、緩いカーヴで倒れてきたことはありませんか。
助手席の女性は、ドライブ中に「あなたが好き」の何かのサインを出していたと思いますよ。ユーミンの歌詞は、現実に、そう思わせてくれますよね。
そして、あなたが悲しい時は、是非、彼女を隣に乗せてあげてくださいね。
たまには強がらずに。
2017.05.28
YouTube / 松任谷由実
YouTube / 田中 浩一
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