意外に知られていないのだが、ビートルズが正式に解散したのは1975年1月9日のことである。
この日にロンドン高等法院で法的に解散が認められたからであるが、むしろ当時の音楽ファンには、ポール・マッカートニーが英国の大衆紙『デイリー・ミラー』でビートルズ脱退を発表した70年4月10日こそが解散の日として認識されていたと思う。
もちろん、それ以前に既に家庭内離婚のような状態にあったことは、ドキュメンタリー映画『レット・イット・ビー』を観ればよくわかるのだが。
それにしても、彼ら4人が凄かったのは、何もビートルズとしての活動期間(1962-70年)に限ったことではない。事実上の解散からの10年間、つまり70年代に彼ら4人合わせて、何と11曲のNo.1シングルを生み出している(ジョン1曲、ポール6曲、ジョージ2曲、リンゴ2曲)。このうち、ジョン・レノンは75年から約5年間音楽活動を休止していたにも関わらず、である。
そして、80年代に入るとすぐにジョンが亡くなり、ビートルズ再結成が物理的に不可能となったが、それでも10年間で4人中3人が計5曲のNo.1ヒットを記録した。
■ Coming Up(Live At Glasgow)
Paul McCartney & Wings
(80年6月28日 1位)
■(Just Like)Starting Over
John Lennon
(80年12月27日 1位)
■ Ebony And Ivory
Paul McCartney & Stevie Wonder
(82年5月15日 1位)
■ Say Say Say
Paul McCartney & Michael Jackson
(83年12月10日 1位)
■ Got My Mind Set On You
George Harrison
(88年1月16日 1位)
解散してからもこれだけ長い期間、複数メンバーがヒットチャートに居続けたという点でも、ビートルズがポップス史上最強のバンドだったという十分な証左になると思う。
僕個人としては、彼らの世界一華々しい音楽キャリアの最後を飾ったのが、ジョンでもポールでもなく、ジョージ・ハリスンの楽曲だったというところにも、ビートルズ「らしさ」を感じている。
2016.04.21
YouTube / George Harrison
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