10月19日

世界中が80'sリバイバル!ザ・ウィークエンドが再構築した a-ha へのオマージュ

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ドキュメンタリー映画公開で再び注目を集めるa-ha


a-haのドキュメンタリー映画『a-ha The Movie』が2022年5月20日に公開された。

本作は、海外では昨年公開され、約1年遅れで日本上陸となるわけだが、本稿執筆時点では本邦未公開。私もまだ観ることはできていないのだが、その内容は再結成後のメンバーのインタビューをもとにデビュー以降のバンドヒストリーを振り返るもので、その中ではメンバー同士の人間関係が決して良好ではない事実なども赤裸々に語られているそうだ。

色々とあったけど今は水に流してバンド頑張っています的な「テイク・オン・ミー」にあるような爽やかなものではないらしい。

80年代ポップの象徴的楽曲「テイク・オン・ミー」を大ヒットさせ、その一曲だけでも充分に食っていけるバンドが現在の本音をぶっちゃけてしまうことは、往年のファンの良い思い出をぶっ壊してしまうのではないのだろうか? なんて考えてしまうのだけれども、それでも今現在のa-haの真の姿を世間に知らしめようとしたことには何か理由があってのことだろう。

“今を生きるバンド” としてのa-haを記録しなければならなかったその意義を本稿では探ってみたい。

ザ・ウィークエンドから検証する「テイク・オン・ミー」


さて、現在のa-ha 、強いては「テイク・オン・ミー」を考えるとき、ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」を避けて通ることはできないだろう。

2020年、世界中の殆どの国で年間チャートの第1位を記録したどころか、アメリカでは、90週間もチャートインし、Billboard Hot 100史上最も成功した曲としてランク付けされている。

また、spotifyでは20億ストリーミングに到達する最速の曲になるなど、この世に我々人類が誕生して以来、最大のヒットソングと言っても過言ではない一曲なのだ。

もう、世界中で指摘されていることなので、ここで私が繰り返すのも恥ずかしい限りで、皆さんもご存知のとおりなのだが、ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」は、メロディー、音色、ビート、ボーカルと楽曲を構成する殆ど全ての要素でa-haの「テイク・オン・ミー」を下敷きにしている。

2020年代に再構築された80年代ポップ「ブラインディング・ライツ」


しかし、不思議なことにパクリだ盗作だという批判的な論調で語られることはなく、80年代ポップを見事に2020年代に再構築したオマージュとして玄人筋からも高く評価されている。

端的に言ってしまうと、パクってやろうという下心やいやらしさが感じられず、純粋に「テイク・オン・ミー」愛が感じられるので、“オマージュ” という評価に繋がっているのではないかと思うのだ。

この曲の大ヒット以降、2020年代のポップミュージック・シーンは80s回帰、80sリバイバルへ進んでいることは、私がここのところリマインダーで書いたコラムでも度々取り上げさせていただいているので、こちらも是非とも参照していただきたい。

このように時代がa-haにとって大きな追い風になっていることは明らかで、こうした背景をもとに再評価やハンドヒストリーを振り返る回想モードに向かっているのではないだろうかと考えることもできる。

最新アルバム「キャスト・イン・スティール」から紐解く現在のa-ha


それでは、本家本元のa-ha の現在は一体どんな状況なのだろうか?

a-haは2010年に解散し、その後、2015年に再結成している。再結成に際し、アルバム『キャスト・イン・スティール』を発表しており、本作は本稿執筆時点での最新作となっている。

前述したザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」に端を発する80sリバイバルが世界中を席巻する以前に作られた作品であるためか、今時の80sリバイバルやハイパーポップのようなサウンドは微塵も感じられない落ち着いた大人のロックバンドが鳴らすフォーキーで柔らかい音像が奏でられている。

『キャスト・イン・スティール』は、現行の音楽に照らし合わせると、インディー・フォークやフォークトロニカ、フォークロアといった、一音一音を研ぎ澄まされた音像で鳴らしつつも、打ち込みやシンセサイザー、ストリングスを丁寧にレイヤードして作られた作品であり、決して派手で分かりやすい類のものとは言えない。

しかし、こうした音像は21世紀のロックバンドが創り出すべき音のトレンドでもあり、テイラー・スイフトの近作やボン・イヴェールといった現在進行形のアーティストの一連の作品から聴こえてくるものにとても近く、この時点でのa-haが単なる懐メロバンドではない、今を生きる現在進行形のロックバンドであることを私たちに感じさせてくれる21世紀型ロックの傑作と断言できる。

そこには、「テイク・オン・ミー」のようなキャッチーなエレポップは既にないのだが、大人の鑑賞に耐えうる深みが感じられ、再結成の新作として自分たちの今を嘘偽りなく伝えているところが、本作の最大の魅力となっている。

積極的なライブ活動を展開中。いつかまた来日公演を熱烈希望!


レコーディング作品の充実ぶりは、積極的なライブ活動にも繋がっており、再結成後の日本公演も予定されていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大と来日時期が重なったことを受け、延期に継ぐ延期を繰り返した後に最終的にはキャンセルとなってしまったことは残念な限りだ。

しかし、現在、発表されているツアースケジュールを見ると、2022年の5月以降はヨーロッパを転戦し、その後、7月は南〜北米を積極的にツアーすることが発表されている。このスケジュールを見るにつけ、バンドは元気にライブに向き合っていることが伺えるし、ファンとしては生のステージで元気な彼らの姿を早く観たいと願うばかりだ。

きっと、アンコールのラストナンバーで演奏される「テイク・オン・ミー」はとんでもない熱狂になり、バク上げ必至の大団円でライブは締めくくられるのだろう。

こんな調子で8月に日本で開催されるサマーソニックにブッキングが決まってくれたりすると私個人としては、フェスに参加する動機にもなるので、嬉しい限りなのだけどな…

今秋リリース予定のニューアルバムも期待大




そして、活発に活動するそのままの勢いでa-haは、今年の秋にはニューアルバムをリリースすることが発表されている。

ザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」以降のポップミュージック・シーンの主流である80sリバイバルに舵をきるのか?
それとも『キャスト・イン・スティール』で見せてくれたフォークロアな方向性を探求するのか?

ーー 今のところニューアルバムの方向性は全く想像がつかないのだが、どちらに転んでも興味の尽きない新作になることは間違いないだろう。

80年代MTVポップの象徴的存在のa-haが、2022年にどのような新作を我々に提示してくれるのだろうか? ニューアルバムを占ううえでもドキュメンタリー映画『a-ha The Movie』は興味深い作品と言えそうだ。

いずれにしても、現在のa-haは2022年を生きる現在進行形のバンドであり、「テイク・オン・ミー」の懐メロヒットのみで食っているバンドでは断じてないと断言しよう!

秋にリリースされるニューアルバムについても、是非リマインダーで語ってみたいと思っている!

それまで、新作映画を楽しんで待ちたいと考えているところだ。


追記
私、岡田浩史は、クラブイベント「Sweet Thing」(阿佐ヶ谷 caffeine / 偶数月第一火曜日)で DJとしても活動しています。インフォメーションは私のプロフィールページで紹介しますので、併せてご覧いただき、ぜひご参加ください。

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2022.05.20
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カタリベ
1972年生まれ
岡田浩史
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