■ 青い瞳の聖ライフ 1984年10月~ フジテレビ系列で放送開始 主題歌:DESERT MOON / 谷山浩子 原曲:デザート・ムーン / デニス・デ・ヤング 「ヤヌスの鏡」がヒットする前にフジが大映ドラマに本腰を入れ始めた作品です。大映ドラマの特徴でもあったフィルム撮影ではなく、ビデオ撮影でコメディタッチということもあって大映っぽくない印象もありましたが、割と無茶なストーリーと俳優陣のこてこての演技はやっぱり大映。「高校聖夫婦」と混同するところもありましたが、フジテレビと大映ドラマのシリーズ試運転というところでしょうか。 主題歌は谷山浩子の「DESERT MOON」。少々地味な存在ではありますが(失礼)、既にキャリアはあるし、ライターとしても実績のある彼女がわざわざカヴァーしているところが興味深い。でもこの原曲、凄くいい曲なんですよね。「ドモアリガトー、ミスター・ロボットー」で日本でもお馴染みになったスティックスのシンガー、デニス・デ・ヤングのソロ・アルバムからのヒット曲です。プログレ的要素と産業ロックの要素をミックスさせたようなスティックスの中でも、メロウな一面を担っていた彼の真骨頂ともいうべき壮大なバラード。当時ラジオのリスナーや音楽誌の読者投稿の間で加藤茶に似ていると話題になっていたのでそのイメージがずっとありましたが、今見るとそうでもありませんね(笑)。ビルボードでは最高10位まで上がりました。 ■ 乳姉妹(ちきょうだい) 1985年4月~ TBS系列で放送開始 主題歌:RUNAWAY / 麻倉未稀 原曲:夜明けのランナウェイ / ボン・ジョヴィ 大映ドラマで非常に重要な役どころを演じながら、なかなか主役がまわってこなかった伊藤かずえがようやく主役を務めた作品。とはいえ渡辺桂子とのW主演だったのですが、次作「ポニーテールはふり向かない」でピンの主役を務めることになります。同様に松村雄基も主役級に格上げされ、これまで大映ドラマのファンだった人には、なんだか嬉しくなる配役となっています。大映ドラマの真骨頂 “出生の秘密をとりまく愛憎劇” という王道路線なのである種の安心感はあるものの、新鮮味はあまり出せなったというところでしょうか。 麻倉未稀がカヴァーした主題歌の原曲は、ボン・ジョヴィのデビュー曲となる「RUNAWAY(夜明けのランナウェイ)」。ハードロック/へヴィメタル人気の高かった日本では大々的に宣伝され、このデビュー直後に「SUPER ROCK '84 IN JAPAN」でも来日し、既に日本での人気は高かったのですが、このカヴァーのおかげでお茶の間にまで知名度は広がりました。 全米でのブレイクは、3枚目のアルバム(「禁じられた愛」「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」など収録)まで待たなくてはいけなかったことを考えると、今日の日本でのボン・ジョヴィ人気の定着ぶりが納得できます。それにしてもこのミュージックビデオ、よくできてます。大映ドラマのオープニングにそのまま使用できるんじゃないかと思えるベタな展開に思わず苦笑しますが、若きジョン・ボン・ジョヴィの躍動ぶりに胸が打たれます。ちなみに「乳姉妹」の主演伊藤かずえもこの曲をカヴァーしてます。
2016.08.15
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