信じる？信じない？切なくも勇気づけられるアメリカン・ヒーローのテーマ

私が日本に移り住み、漢字を習い始めた頃、「中」という漢字を初めて見て、

「どこかで見たことがある！」

そして、後になって『アメリカン・ヒーロー』が身に着けていたスーパースーツの胸の辺りに、〇に囲まれている漢字の「中」が描いてあったことを思い出しました。

ブラジルにいた頃、テレビっ子だった私は様々なアメリカのドラマを観て育ちました。ワンダーウーマン、スパイダーマン、バットマンといったDCやマーベルのテレビシリーズを始め、チャーリーズエンジェル、ナイトライダーやファンタジーアイランドなど、日本でも馴染みのあるものがブラジルでも放映されていたのです。

新しいテレビシリーズが始まるということで、第一話から観られるなんてことは滅多にないことだったし、私は妹とテレビの前で始まるのを楽しみに待っていました。

それが、『アメリカン・ヒーロー』だったんです。

主役は平凡な高校教師、ラルフ・ヒンクリー。ある夜突然、UFOに遭遇して特別なスーパースーツをもらい、ヒーローになっていく話です。そんな彼が、相棒のビル（FBI捜査官）と恋人であるパムに助けられて毎回、珍事件や難問題を解決していくのです。

ラルフはヒーローになる素質は全くなく、いつまでたってもちゃんと空を飛べないですし、ドジですし、特別かっこいい訳でもなかったのですが、どこかしら親しみやすく、応援をしたくなるようなキャラクターでした。

私はこのドラマを観ていた頃から、そのオープニングテーマ「ビリーブ・イット・オア・ノット」が大好きで大人になってもずっと探し続けていたのです。

インターネットが普及するようになって検索し、幸せなことにようやくその曲を手に入れることができました。

この曲を聴くと、なぜか切ない気持ちになると共に、勇気づけられます。

なぜなら、物事がうまくいかなくても、あの『アメリカン・ヒーロー』のように、コツコツと頑張れば、何とかなるという気持ちにさせてくれるから。


Believe it or Not / Joey Scarbury
作詞：Stephen Geyer
作曲：Mike Post

2017.06.07