こっそりとぼくが個人的な栄冠を捧げる、奇蹟のライブキング、スターダストレビュー。
先日、スタレビの「聖地」とも呼ばれる高松市のテアトロンに、スターダスト☆レビューの夏の野外ライブ「楽園音楽祭2016」を見に行ってきた。もうデビュー35周年、毎年60-70本のライブを続けている彼らだから別に不思議じゃないといえばそれまでだが、テアトロンでの野外ライブも今回で20回目だとか(すごくないですか? 四国の野外で20回)。
瀬戸内海を見渡せる素晴らしいロケーションで、今年はサックス、トランペット、トロンボーンのホーンセクションも加わり、めちゃゴージャス、ダンサブルなひとときも楽しませてもらった。
ライブの前後に、お客さんの何人かとお話をしたら、ファン歴25年とか30年とかで、事あるごとに彼らのライブに足を運んでいる人も多く、この高松まで関東や関西から足を伸ばした人もいたほど。その気持ち、わかります! 何度でも見たくなる、一緒に歌いたくなる、一緒に踊りたくなる、そんなバンド、そんなライブだから。
彼らはことあるごとに「俺たちは売れたことがない」とやや自虐的に語ってきたけど、ぼくからすればもう売れてる。たとえ「売れたことがない」としたって、バンドで毎年ツアーやイベントやり続けて35年ってのは、もう尊敬の極み。それだけで賞状をさしあげたいくらいの歴史だし、「売れてなきゃ」(お客さんが入らなければ)そんなことできないでしょ、と思う。
この日、アンコールの2曲目で歌われた「今夜だけきっと」(86年6月発売)も、彼らのスタンダードナンバーと呼べる珠玉のポップチューンだが、ヒット曲にはならなかった。
でも、と思う。ビッグヒットを飛ばして時代に消費され尽くし、なんとなくしぼんでいってしまう存在より、35年、ライブをやればその会場に多くのファンがかけつけてそのひとときを一緒にたっぷり楽しみ尽くせる、そんな存在でいつづける方がよほど幸せなのではないかと。
2016.09.10
YouTube / AOL110726
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