これは2003年7月19日から公開され、興行収入173.5億円をたたき出し、現在も日本の実写映画歴代興行収入第1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の台詞だ。邦画の興行収入上位作品は1位の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を筆頭にアニメばかりが並ぶが、上位15作品の中で唯一、実写映画で7位にランクインしているのが本作である。
雇われの身の辛さだけでなく、警察が抱えるさまざまな内部矛盾や、キャリア制度、官僚主義、縦割り行政の問題や民事不介入の問題なども、大きなテーマとして描いた。徐々に人気が上がり、最終回の視聴率が20%を超えたことで映画化が決定。1998年『踊る大捜査線 THE MOVIE』として公開されることとなった。この時のキラーフレーズが “事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてんだ!” であり、覚えている人も多いことだろう。
予告が何度もテレビCMとして流され、それまで観たことがなかった人たちにも広く認知されるようになった。映画第1作目は興行収入101億円を記録し、日本実写映画歴代興行収入としては当時『南極物語』(1983年公開)に次ぐ第2位となった。そして2003年、これら全ての記録を抜いて1位になったのが、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』である。
2010年には、映画第3作『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』が、2012年には映画第4作『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』が公開され、いずれもスマッシュヒット。さらに2024年には映画『室井慎次 敗れざる者』(10月)『室井慎次 生き続ける者』(11月)も公開される運びだ。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は、老刑事、和久平八郎を演じたいかりや長介のシリーズ最期の出演作品であるというその一点だけでも、十分に観る価値のある映画と言えよう。また本作は20年ぶりに実写邦画の興行記録を塗り替え1位となったが、その公開から20年以上がたった今も、その金字塔は打ち倒されていない。