今ではテレビドラマをほとんど観なくなりましたが、当時はよく観ていたように記憶しています。元来テレビっ子だったこともあり、アニメや歌番組、バラエティ、何でも観る中でドラマも例外なく観ていました。
太陽にほえろや傷だらけの天使みたいな「カッコイイ」ドラマを憧れながら眺めていた一方、「ムー」(続編は「ムー一族」でしたね)はそんなドラマと一線を画すテイストで、私にとっては欠かさず観なければいけない番組だったことを思い出します。「ムー」はホームドラマ仕立てではあるものの、何かが違う妙な空気が流れているドラマでした。あの他とは違う妙な感じって何だったのでしょう?
「お化けのロック」や「林檎殺人事件」をヒットさせたのも「ムー」や「ムー一族」でした。あのヒットは郷ひろみさん以上に樹木希林さんの貢献度が高いということは誰しも認めるところでしょう。ドラマ内での役どころもそうですが、存在感の大きさとあの奇妙な踊りはインパクト抜群でした。
「お化けのロック」は、同じく劇中挿入歌であった「帰郷」のB面としてリリースされたものの、圧倒的な支持は「お化けのロック」に集まり、A面はすっかり忘れられ、どこの局の歌番組でも頻繁にあの二人組が「お化けのロック」を歌って踊っていたように記憶しています。
「ムー」の中でお化けのロックが流れる際には、ドラマの中に挿入される訳でも、エンディング近くに屋根の上でギターを弾きながら歌う訳でもなく、郷ひろみさんが自分の部屋にいたかと思うと、突然口上を述べ、部屋に樹木希林さんが入ってきて、二人のステージが始まるというものでした。ドラマとは関係なく、切り離された「歌の時間」という流れが不思議でした。「ムー」の他とは違うテイストの正体はこれだったのかも知れません。
そういえば、郷ひろみさんもジャニーズ出身です。でも70年代の中頃には事務所移籍してしまいました。あの頃のジャニーズ事務所はまだ大きくなかったので、移籍で揉めるようなことはなかったですよね。
お化けのロック / 郷ひろみ・樹木希林
作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童
編曲:萩田光雄
発売:1977年(昭和52年)9月1日
2016.07.01
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