6月8日

ティアーズ・フォー・フィアーズの憂い「誰もが世界を支配したがっている」

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ティアーズ・フォー・フィアーズのシングル「ルール・ザ・ワールド」が全米1位になった日
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ティアーズ・フォー・フィアーズの「ルール・ザ・ワールド(Everybody Wants To Rule The World)」は、人間のエゴについての歌だ。永遠なものなどなにもないのに、自然の摂理を無視して、欲望と後悔を繰り返しながら、誰もが世界を支配したがっている。

ここでいう世界の定義は広く曖昧だ。しかし、元々は「誰もが戦争へ向かおうとする(Everybody wants to go to war)」という歌詞だったそうだから、何らかの具体的な気持ちが込められているのかもしれない。

歌詞は全体的に難解だが一貫性があり、曲の最初から最後まで現状に対する不安と警告が語られていく。


 僕はこの優柔不断が我慢ならない
 ヴィジョンが欠落した結婚
 誰もが世界を支配したがっている


人は利己的になればなるほど、目先のことに捕われ、未来のヴィジョンを失う。それは僕らの日々の生活でも常に行われていることだ。僕が特に気に入っているのは次のフレーズ。


 そんなものは必要じゃないと言い切ってみろよ
 たった一行の見出しだけで なぜ信じられる?
 誰もが世界を支配したがっている


目に飛び込んでくるたった一行の見出し。今はそれを目にしないでいることさえ、ひどく難しい。そして、物事を深く考える前にまた新しい見出しが現れ、いつしか僕らは考えることを諦めてしまう。だから、今は隠れていようと、この歌の主人公は言っているのだ。


 けっして見つからない部屋がある
 壁が崩れ落ちるまで 手を握っていよう
 奴らが動いているときは
 君と一緒に隠れているから


時に僕もそんな気分になることがある。まともでいるためには、今起きていることにコミットしない方がいいのではないか。誰かに支配されないためには、そうするしかないのではないかと。

当時、よくラジオからこの曲が流れてくるのを聴いた。何人かのDJが「これからの季節、ドライブにぴったりの曲ですね」と言っていたのを覚えている。確かにそうかもしれないと思った。

魅惑的なイントロ。湿り気を含んだ浮遊感のあるサウンド。いつまでも古くならないメロディー。梅雨の晴れ間に、カーラジオから流れてきたら気持ちいいだろうなと思った。

まだ車の免許なんて持っていなかったけれど。そして、どんな歌かも知らなかったけれど。

2018.06.08
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  YouTube / TearsForFearsVEVO
 

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カタリベ
1970年生まれ
宮井章裕
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