2023年 11月3日

生誕70周年記念映画「ゴジラ −1.0」を観る前に知っておきたい4つのトリビア

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“国産ゴジラ映画” 待望・久々の新作「ゴジラ −1.0」


あの『シン・ゴジラ』から7年、待望・久々の “国産ゴジラ映画” となる『ゴジラ −1.0』が、ゴジラ69回目の誕生日(つまり第1作目の『ゴジラ』公開から丸69年)にあたる2023年11月3日に公開されます。

脚本・監督・VFXは、かつてご自身の作『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007年)に大迫力ゴジラを特別出演させてそのスジのファンを狂喜させ、今や邦画界のエースとなった山崎貴氏。

先の大戦によって焦土と化し、「ゼロ状態」になった日本に巨大怪獣ゴジラが出現。さらに国土を蹂躙し「マイナス状態」にしてしまうのか? 自衛隊もまだ存在しなかったこの時代を舞台に、久々に恐怖の象徴としてゴジラが現れる予感がする本作には期待しかありません。

さて「知っておきたい4つのトリビア」と題した本稿ではありますが、もし『ゴジラ −1.0』で初めてゴジラ映画をご覧になる方がいても、別にあらかじめ知っておかなきゃいけないことなんて何もありません、真っ白な気持ちでご覧ください(笑)。

特に古参のファンにしてみれば毎回、「この映画でゴジラに初遭遇する人はどう感じるのだろう」と興味津々ですから。でもまぁそう言ってしまうとミもフタもないので、以下にいくつか書いてみます。

ただの怪物ではない魅力、初代ゴジラは本当に怖い


①怒るゴジラ
第1作目の『ゴジラ』が公開されたのは、先にも記したように今から69年前、昭和29年(1954年)の11月3日。つまり終戦からまだ9年しか経っていない頃でした。

ですから本作の中で、ゴジラの脅威に晒された人たちが発する「あ〜あ、また疎開か、イヤだなぁ」と言ったセリフからも、生々しい “時代感” が伝わるのです。その頃世間では、大戦が終わってもなお水爆実験が繰り返され、実際に漁船・第五福竜丸が水爆放射能に被災するという事件が起こっています。

この『ゴジラ』の冒頭でもその事件を彷彿とさせる描写がありますが、結果的にこの作品でも水爆実験が、海底深く眠り続けていた恐竜の生き残りであるゴジラを叩き起こすことになり、さらに核の影響で恐竜よりも巨大で強大な “怪獣” へと変貌させることになりました。

今見返してみても、この初代ゴジラは本当に怖いです。街を蹂躙するその姿は、愚かしい人間に対する怒りに溢れています。しかしながら当然、そんなゴジラを人間たちは退治しようとします。

ゴジラにとってみれば人間たちは、頼みもせんのに自分を叩き起こし、今度は勝手な都合で自分を退治しようとする迷惑な存在です。ある意味ゴジラは、そんな勝手な人間に翻弄される悲劇性も帯びているわけで、そこにこそ、ただの怪物ではない魅力があるといえます。

今後この第1作目の『ゴジラ』を初見する方は、そのあたりも意識してご覧いただければと思いますし、今回の『ゴジラ −1.0』をご覧になる際も、「なんでコイツは暴れ回ってるんだろう」ということをほんの少し気にしていただければと思います。



時代に合わせた “役” を演じ続けてきたゴジラの魅力


②ゴジラは正義か悪か
さて、ゴジラ映画を全作観尽くしているようなマニアではない方が、アトランダムにゴジラ映画をご覧になると、「結局ゴジラって悪い怪獣なん? ええ怪獣なん?」と混乱されるかもしれません。その答えになるかどうか、以下は私の “私観” ですのでそのつもりでお読みいただきたいのです。

まず前述のように、はじめに1作目の『ゴジラ』ありき、でした。この作品でのゴジラは、繰り返しますが本気で怒っていました。そこには正義も悪もありません。

そしてゴジラが本当にゴジラであったのはこの1作目の『ゴジラ』の時だけであり、2作目の『ゴジラの逆襲』(1955年)以降のゴジラは、東宝専属の俳優として(時には海外に派遣され)、会社の要請に従い、与えられた役を演じ続けてきた、と私は感じています。

例えばその要請とは――

「今度アンギラスという敵怪獣を連れてくるから戦ってくれ。ロケ地は大阪で」
(1955年『ゴジラの逆襲』)

「アメリカからキングコングに来てもらう契約が取れたから戦ってくれ」
(1962年『キングコング対ゴジラ』)

「漫画で『シェー!』というのが流行ってるのでやってみてくれ」
(1965年『怪獣大戦争』)

「息子を持った父親として教育パパ役を演じてくれ」
(1967年『ゴジラの息子』)

「宇宙から地球を攻撃してくる悪い怪獣と戦ってくれ」
(1972年『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』)

「原点回帰したいから重厚な感じで頼む」
(1984年『ゴジラ』)

―― といった具合に。

会社からのそんな要請にゴジラは嫌な顔ひとつせず、時代に合わせた “役” を演じ続けてきたと思うのです。

しかもゴジラは老けない。死なない。理論上は永遠にシリーズを続けることができます。東宝は実に素晴らしい俳優を擁したものです。

つまりゴジラは、正義とか悪とかを超越した “どんな役でも演じ切る名優” だと私は考えています。



共演がうまくいった時ほど作品として成功、ゴジラ映画のヒロインたち


③美女と怪獣
“美女と野獣” とはよく言ったもので、それはそのまま怪獣映画にもなぞらえることができ、作品ごとに “美女と怪獣” の共演により女優の魅力がより引き立ち、その共演がうまくいった時ほど作品として成功していたといえます。

ゴジラ映画の歴史を振り返ると、そのヒロイン像は清楚系、妖艶系、戦闘系、に大別できるのではないかと思います。

第1作目『ゴジラ』のヒロイン・河内桃子さんは如何にも東宝らしい、清楚で品のあるお嬢様でした。
 第6作目『怪獣大戦争』では妖艶系・水野久美さんと、これまたザ・東宝女優と言いたくなる清楚系・沢井桂子さんの豪華竸演。

そして平成に入ると小高恵美さんが三枝未希役で、17作目『ゴジラVSビオランテ』(1989年)から22作目『ゴジラVSデストロイア』(1995年)まで、シリーズでも珍しい通し役として、堂々ゴジラと対峙し時には心を通わせる超能力少女を演じました。

その後の作品では時代の要請もあってか、24作目『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(2000年)の田中美里さん、26作目『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年)の釈由美子さんなど、ゴジラと正面きって戦うヒロインが登場しました。

いずれにせよどの作品でも、“ゴジラ&女優” といった絵面は、(直接対決せずとも)文字通り実に “絵になる” もので、私たちの心に深く残ることになります。

そして『ゴジラ −1.0』。今回のヒロインは、『シン・仮面ライダー』(2023年)での緑川ルリ子役も記憶に新しい浜辺美波さん。ライダーとゴジラでのヒロイン制覇は史上初の栄誉!スクリーンでの新たな輝きに期待極大です。



正義の怪獣に徹したゴジラ、シリーズ屈指の可愛らしさ


④『ゴジラ対メガロ』に気をつけろ!
ここ数年の間に、往年の東宝特撮映画が次々と4Kデジタルリマスター化され、当時の風合いを残しつつも目の覚めるような鮮明な画質で新たに生まれ変わり、私たち特撮ファンを喜ばせています。

そんな中、今回の『ゴジラ −1.0』公開を記念し、CS日本映画専門チャンネルでシリーズ13作目『ゴジラ対メガロ』(1973年)の4Kデジタルリマスター版が、2Kにダウンコンバートの上で放送されるとのニュース!
 この『ゴジラ対メガロ』が公開された1973年は日本映画業界全体でも厳しい時代で、前々作『ゴジラ対ヘドラ』(1971年)、前作『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972年)と、徐々に予算が削減されていたことが、今見てもハッキリと判ります。

そして当時、子供たちの興味は『ウルトラマン』などの怪獣物より、『仮面ライダー』をはじめとする等身大ヒーローの変身物へと移りつつあった上、テレビの怪獣物番組も飽和状態にあり、劇場まで足を運ばずともいくらでもテレビで怪獣が観られる時代でした。

そんな中で製作された『ゴジラ対メガロ』。確かに大掛かりなセットが組まれた場面も少なく、登場人物も少なく、内容的にも子供向けに徹した内容で、長年ゴジラ映画を観てきた人の中には、この作品で決定的にゴジラ映画と訣別した人も多いとか。

しかしながら製作の舞台裏に思いを馳せると、私はこの映画にひれ伏したくなる気持ちを抑えられないのです。

以下推測ですがこの時期、きっとゴジラ映画シリーズ打ち切り論も東宝の中では出ていた筈。しかしながらたとえ低予算でもゴジラ映画の歴史を途切れさせまいと、1作目から全てのゴジラ映画を担当してきた田中友幸プロデューサーは、歯を食いしばって会社を説得し、予算を確保した筈。

本編担当の福田純監督、特撮担当の中野昭慶監督も「低予算だから」を言い訳にせず、少しでも観客を楽しませようと、それぞれに職人技が冴えた見せ場を作っています。
 とはいえ私も、しばらくこの映画を観ない時期があったのですが、今は3周回って、全ゴジラ映画の中でも上位に入るくらい愛すべきゴジラ映画になりました。

この映画で正義の怪獣に徹したゴジラの面構えはシリーズ屈指の可愛らしさがありますが、作品自体も実に実に色々な意味でチャーミングです。悪者怪獣・メガロとガイガンのワルガキぶりも可愛いです。でもそう思うに至るまでには、繰り返しますが “3周する” ことが必要です。
 だからこの度の4Kリマスター版『対メガロ』で初めてゴジラ映画に接する方がおられたら、“『ゴジラ対メガロ』には気をつけろ!” と言いたいのです。

出来ればいきなりこの作品でゴジラ映画を初見するのではなく、しつこいようですが “3周した” あとでご覧いただきたい。そうすればあなたはきっと、観終わったあとにこの映画の主題歌「ゴジラとジェット・ジャガーでパンチ・パンチ・パンチ」をカラオケで熱唱したくなるステキなヒトになっている筈です。たぶん。



怪獣映画は、巨大なスクリーンで観るべき


さて最後に… なぜ「怪獣映画」なのか?

数年前のことですが、第1作目の『ゴジラ』のリマスター版を劇場で観ていた時、突然目からウロコが落ちたのです。

スクリーンの中で怒り、咆哮し、街を蹂躙するゴジラに「こっわ〜〜」と思いながら見入りつつも、「そうか、よく考えたらこのゴジラのアップは “実物大” に近いのではないか!?」ということに思い至ったのです。

もちろん大スクリーンで美男美女の輝くばかりのアップ、あるいは名優ならではのきめ細かな演技を鑑賞する醍醐味はあるでしょう。しかしながら巨大怪獣が暴れ回る怪獣映画ほど、巨大なスクリーンで観る価値のある映画はないのではないか。

だってそこに映し出されている姿は等身大(またはそれに近い)なのですから。瞬時に映画館を、巨大怪獣が実在する異次元空間と化する力があるのですから。

ということで皆さん、『ゴジラ −1.0』を、「テレビ放送があったらその時に観るわ」とか「あとで配信で観るわ」などと思わず、是非とも大スクリーンで “実物” を堪能してくださいね!!



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