2024年 7月24日

デビュー50周年【THE ALFEE インタビュー後編】坂崎幸之助、桜井賢、高見沢俊彦が語る!

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THE ALFEEのシングル「KO.DA.MA. / ロマンスが舞い降りて来た夜」発売日

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2024年、デビュー50周年を迎えるTHE ALFEEへのインタビュー。前編は夏のイベントを中心に、ライブアーティストとしての彼らにスポットを当てた。後編では、最新シングルや楽曲づくりの話題、魅惑のハーモニーの作り方など、世界のどこにもないTHE ALFEEサウンドの作り方を中心に伺った。

新曲「KO.DA.MA. / ロマンスが舞い降りてきた夜」の聴きどころは?


―― 2024年7月24日に新曲「KO.DA.MA. / ロマンスが舞い降りてきた夜」が発売されました。今回、両A面でどちらもタイアップ曲ということで、聴きどころを教えてください。

高見沢俊彦(以下 高見沢):あえてこうしようと思ったわけではないですけど、タイアップに合わせたら結果的に対照的な楽曲になりました。「KO.DA.MA.」は『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』という新幹線が変身してロボットになるというアニメの主題歌なので、疾走感のある曲にしようと考えて作りました。

坂崎幸之助(以下 坂崎):もうひとつの「ロマンスが舞い降りてきた夜」は、(明石家)さんまさん主演の『心はロンリー気持ちは「…」』というドラマの主題歌です。このドラマには昔、高見沢が信号機三部作(真赤なウソ、蒼いタメイキ、YELLOW SUNSHINE)として楽曲提供していたんだよね。

高見沢:そのドラマが今回、ファイナルを迎えるということで、依頼を受けました。 プロデューサーの方からとにかく明るい曲にしてほしいという要望があって、それに合わせて作ったのが「ロマンスが舞い降りて来た夜」でした。モータウンビートの軽快なリズムに乗せて歌うのは、THE ALFEEとしては初めてだと思うので、ぜひ多くの方に聴いていただきたいです。





数多くの後輩ミュージシャンが THE ALFEEをカバー


―― THE ALFEE初のトリビュートアルバム『五十年祭』も8月14日に発売されました。これまでは加山雄三さんやムッシュかまやつさん等のトリビュートに参加する側だったTHE ALFEEですが、今回、数多くの後輩ミュージシャンが自分たちの曲をカバーする、という形になり、率直にどのような感想を抱きましたか?

桜井賢(以下 桜井):皆さん、僕たちを使って自分たちの持っている音楽性を全て表現してくれているので、 すごく面白いものになっていると思います。結構くすぐったい感じもありますよね。そうきたか!みたいな。

坂崎:僕たちの歌は途中で三声になるので複雑だと言われがちですからね。これだけの名だたる皆さんがカバーしてくださって嬉しいですよ。

高見沢:なかには僕から “この曲を歌ってほしい” とリクエストして歌ってくださった方もいます。こんな企画も50周年ならではだなと思いました。



桜井が真ん中で坂崎が下、僕が上。これがコーラスのスタンダード


――「KO.DA.MA.」では桜井さんがリードボーカルで、「ロマンスが舞い降りてきた夜」は高見沢さんがリードボーカルを担当されています。THE ALFEEの皆さんはそれぞれがリードボーカルを取られていて、一方では3人の声が重なるコーラスの美しさも特筆すべき点です。コーラスで主旋律を挟む、上と下をハモるのは誰が担当するか規則性はありますか?

高見沢:ありますね。桜井が真ん中で坂崎が下、僕が上。これがスタンダードです。たまに僕がリードを担当する時は、坂崎が上に裏声で入って桜井が下にいくという感じで。これは誰が主旋律を担当するかによって決まります。

坂崎:一番変則的なのは「タンポポの詩」で、主旋律の高見沢が一番下で、上に2つハモりが来るんです。

桜井:坂崎と高見沢は二人とも裏声が似ているから、どっちが上と下を歌っているのか分からない時もあります(笑)

高見沢:これまで影響し合ってきたから、自然と似てくるよね。

坂崎:あと、スタンダードなコーラスの構成の時、レコーディング中に “もう一個上に入れてみない?” ってなることがたまにあるんです。それで4声にしていることもありますね。

高見沢:そうするとクイーンっぽくなるんですよ。この場合、ライブで歌うとなると、サポートメンバーの吉田太郎(ドラム)が高い声をやってくれたり、ただすけ(キーボード)もやってくれたりします。



“アルフィーサウンド” のルーツは?


―― そのクイーンとか、皆さんが影響を受けた音楽を “アルフィーサウンド” に取り入れていくことも多いと思います。どのようにして落とし込んでいくのでしょうか?

高見沢:僕たちは学生時代から色んなミュージシャンのギタープレイをコピーしてきました。たとえばレコーディングの時に、坂崎は頭の中に色んなチャンネルがあるので、“このフレーズどうしようか、〇〇風でできない?” って相談するとすぐできるんですよ。曲を作っている時点でイメージが固まっていることもあります。

桜井:1970年代に、ロックやフォーク関係なく3人ともいろいろなサウンドを聴いてきたので、そこにかなり影響を受けていますからね。

坂崎:たまに最初から譜面に書いてある時があるんです。“ここはスティーブ・ハウ風で” とか 、(このフレーズは)“ニール・ヤングみたいに” って。「Circle of Seasons」という曲では、もう最初から “スティーヴン・スティルスね” って書かれていた。高見沢の中でこの曲のこのフレーズは、この人のギターみたいに弾いてほしい、というのが念頭にあるんでしょう。



高見沢:でも、そうやって言うと、坂崎からはもうそれっぽい音が出てくるんです。そこはすごい。例えばガロ風とかね。ガロは僕たちの直属の先輩で、同じ男性3人組ということもあって、当時はガロの前座も務めていました。

坂崎:先に先輩の歌を歌っちゃっていたけどね(笑)。この前ガロの大野(真澄)さんが嘆いていましたよ。“お前ら俺たちの曲、先にやっちゃうんだもん!” って。

桜井:あの時代、コンサートのステージに緞帳があったんですよ。客席はガロのファンがほとんどのなか、まだ緞帳が下がっているとき、僕たちがガロの曲を勝手に弾き始めるんです。それで緞帳がガーって上がって客席が “わーー!” っと盛り上がり始めるんですけど、俺たちの顔が見えた時に “誰~~?” ってなっていました(笑)

高見沢:いま考えればひどい前座だったよなぁ。

坂崎:ガロは「学生街の喫茶店」のヒットでフォークで括られることが多いですが、彼らはフォークではなくロックですよね。生ギターだからっていう理由もあったからかもしれないですけど。

高見沢:ガロがフォークだったら日比谷の野音のロックコンサートに出たりしないですよ。彼らがクロスビー・スティルス&ナッシュの「組曲:青い瞳のジュディ」(Suite:Judy Blue Eyes)をカバーしているのを初めて聴いた時は、衝撃を受けました。アコースティックギターだけでもこんなにロックなんだ!って。

好きなことを3人でやってきたから


―― 普通のサラリーマンでも、50年同じ仕事を続けていくことは大変難しいことだと思いますが、 THE ALFEEが休むことなくここまで続けられてきた理由はどこにあるのでしょうか?

高見沢:その質問、やはりすごく多いんですよ。ひとつ確かなこととして言えるのは、“好きなことを3人でやってきたから” でしかないんですよね。長くやれてきた理由は、3人でステージに立ってツアーをやってきたから。もともと、学生時代からコンサートツアーをやることが夢でしたし、新しい曲を出し続けて、ライブをやる。これが続けられる限りは、この先もずっとやれるんだろうなと僕は思っています。

坂崎:50年続けられたのも、もちろん、ずっと応援してくださるファンの皆さんがいてくれたからですよね。まあ、人気が全然出なくてファンがいなくても、週に1回、勝手に集まって演奏するだけなら続けていくことも可能なんですが、やっぱりそこは、ファンあっての継続です。ホールツアーをずっとやることができて、武道館公演もずっとできている。これはファンの方がいてこその活動ですよね。桜井さんは、ずっと続けられた理由は何だと思いますか?

桜井:定年がないからです(笑)

坂崎:退職金出ないよ!

桜井:出ないのかぁ。でもやっぱり、やめようがないくらい好きなことのスケジュールがどんどん入ってきて、それをひとつひとつこなしていく。これは本当に幸せなことだと思っています。コンサートができるってことは。

高見沢:桜井なんか、最初はサイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルに憧れて細くて美しい高い声を出していたのに、いきなりハードロックに行っちゃって。

坂崎:あなたがさせたんですよ!

高見沢:あ、そうですか(笑)。ベースを弾いたことないのにベース弾いちゃったりね。

坂崎:すごいね。デビューしてから楽器を始めるって。

桜井:そんなひどいことないよね! 詐欺みたいなもんだよ(笑)

高見沢:桜井は、最初ドラムを始めたくて、ドラム貯金をしていたのに “ベース買えよ!” って僕と坂崎が言って、これは買ってもらうしかないかってなって。バンドで誰が何の楽器をやるとか、そういうことで揉めることもバンドには多いんですが、そのあたりも3人の中でうまく決めてきました。



僕らは “真の50周年”、ライブ本数3,000回が目標


―― 50周年という節目は、ソロのミュージシャンは結構いらっしゃると思いますが、これだけ休みなくずっと続けているグループは、ほぼいらっしゃらないですよね。

坂崎:他にもいらっしゃるとは思いますけど、途中お休みされたバンドばかりじゃないかな。

高見沢:僕らは “真の50周年” と胸張って言っています。ツアーは僕たちがデビューした頃からの夢でしたからね。それがずっと継続してできているわけですし、そこに終わりはない。まだ夢の途中である限りはやっていかなきゃと思っています。

―― 現時点において、この先の目標はありますか?

坂崎:当面は、ライブ本数3,000回が目標ですね。

高見沢:桜井はまだギリギリ69歳ですが、僕と坂崎は70歳になった感覚があまりピンと来ていないんですよね。なぜかというと、学生の頃からずっと一緒にいるでしょう? あまり時間の流れが経っているような気がしないんですよね。唯一、その流れを感じるのはクラス会に行った時です。 “先生がいっぱいいる!” と思ったら同級生だった、みたいな(笑)

―― 最後になりますが、Re:minderの読者に、THE ALFEEの皆さんからメッセージをお願いします。

高見沢:僕たちTHE ALFEEは昭和、平成、令和と3つの時代になってもいまだに現役でやっているバンドです。

坂崎:明治、大正、昭和時代と似たようなもんです。

桜井:ほぼ一緒ですね。

高見沢:そうやって時代をわたって歩いてやってきたグループで、いまだに現役でいます。だから良い悪いは抜きにして、こんなに長くやっているものには何か訳があるだろうと思ってください。 その秘密は多分ライブにあるかもしれない。僕たちの曲を聴いて、おっ? と耳に残った方は、ぜひ、一度でいいからライブを見ていただけると、 ちょっとその謎が解けるかなって思います。僕たちはいつでもライブでお待ちしております。よろしくお願いします!


デビューして50年。3人で継続してきたTHE ALFEEは、“サウンド面を変貌させながらも、ライブ活動を続けていく” という明確なポリシーのもと、常にさらなる高みを目指して、あくなき挑戦を続けている。3人のトークは気さくで、学生時代の関係がそのままずっと続いているような、そんな羨ましすぎるバンドの在り方が垣間見えた。これからも51年目、さらにその先へ向けての、アグレッシブな活動を期待してしまう。THE ALFEEの皆さん、デビュー50周年、改めておめでとうございます!

【THE ALFEE インタビュー前編】はこちらから


Information
歌謡ポップスチャンネル「THE ALFEE 50周年記念特集」



▶ THE ALFEE「23rd Summer 2004 LOVE & PEACE A DAY OF LOVE Aug.14」
8/24(土)よる10時

▶ 歌のあとさき THE ALFEE -特別編-
8/24(土)深夜0時30分

▶ Re:minder SONG FILE「THE ALFEEセレクション」選曲:山下めぐ
8/24(土)深夜1時30分


・インタビュー:馬飼野元宏 / 山下めぐ
・構成:山下めぐ

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2024.08.23
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カタリベ
2001年生まれ
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