80年代前半にラジオを聴きまくっていたみんな!音楽番組の司会といえば、小川哲哉(1オクターブ下げて抑揚をつけて喋ろう)です。「あぁ、トシ〜?」に代表される、馴れ馴れしいタメぐち業界トークの元祖だ。もともとTBSの局アナで、レコード大賞の中継なんかをやっていた氏が、その名を一躍有名にしたのは、文化放送の『決定!!全日本歌謡選抜』(!が二連になってるのがミソ)である。
NTV『スーパーJOCKEY』▶JOQRにラジオをチューニング▶NHK『レッツゴーヤング』が日曜午後の定番の流れだった。
番組は76年から90年まで続くのだが、途中から電通が代理店となり、トヨタ自動車の一社冠提供になる。私の手元の同録では82年2月の時点で既に「TOYOTAサンデースペシャル」とコールしている。ちなみに「決定!!全日本歌謡選抜の実行委員会が、公平かつ厳正な立場で決定した2月の推薦新人コーナー」(オンエアでこの通りにすごい早口で言う)は稲垣潤一「くん」の『雨のリグレット』。
妙ちくりんだったのは、番組の途中で競馬実況が入ったり、春には早慶のボートレース中継が入ったりしてたこと。いわば「オールターゲット・総合編成のAMラジオ」を体現したような構成だった。が、この番組は関東以外の人には馴染みがないかもしれない。それというのも、企画ネットという特殊なスポンサード方式で、他の地区では同じ時間に同じ番組フォーマットで全く違う人が司会をしていたからである。
実は現在、J-WAVEやFM802、ZIP-FMなどで展開されている『HOT100』の原型がコレなのだ。これはホントで、電通に残っていた『HOT100』企画メモにそう書かれているのを確かに私も読んだし、ラジオ局の先輩からも同じ話を聞かされた。そういえば、小川哲哉氏の業界風トーク術のDNAは、クリス・ペプラー氏の語り口に、そこはかとなく引き継がれている感じがするよなぁ〜。
2016.03.30
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