2020年 4月1日

bayfm「9の音粋」真剣邦楽選曲SHOWでラジオの “粋” を楽しもう!

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photo:bayfm78  

パーソナリティー自ら選曲、bayfm「9の音粋」


いま、ラジオが面白い。2020年4月に始まったあるラジオ番組が今、80年代音楽を愛するリマインダー世代を熱くときめかせているのだ。その番組の名は『9の音粋』(きゅうのおんいき)。基本的には新旧の日本の曲のみがかかるプログラムとなっている。bayfm が15年も続けてきた看板番組の『ON8+1』(オンパチ・プラス・ワン)に代わり、その平日プライム帯の21~22時台に始める大型番組、局としても力が入っていると見て間違いないだろう。

番組の特徴は、パーソナリティーが自ら、全てのオンエア曲を選曲しているという事だ。月曜日~木曜日、日替わりのパーソナリティーは、いずれも邦楽の選曲には一家言ありそうな個性的な面々。なるほど、番組ホームページに、“筋書きのない、真剣邦楽選曲SHOW” とある。そんな『9の音粋』も放送開始から4ヶ月が経過し、曜日毎のカラーも明確になってきた。

僕にとって幸運だったのは、コロナ禍での在宅勤務な日々だったため、開始当初から全部の曜日を聴くことができたということ。特に4月は皆勤賞だったんじゃないだろうか。計らずも僕の新しい生活様式として根付いた『9の音粋』。今回は、せっかく出逢ったこの素晴らしい放送の魅力を、この場をお借りしてお伝えできればと思う。

月曜DJ:スージー鈴木&ミラッキ大村、息継ぎ無しの濃密情報乱打戦!


まずは、リマインダーのカタリベとしてもおなじみのスージー鈴木さんが、ミラッキ大村さんとのコンビで送る月曜日。この月曜日は、毎回その意表を突く企画に驚かされる。放送初回の「EPICソニー特集」は僕も予想していたが、2回目には「ビートルズのかからないビートルズ特集」、その後も「A面2曲目特集」や「歌詞センター試験」など、想像の斜め上を行く企画を連発。

その内容も、2時間息継ぎ無しの、お二方の豊富な音楽知識に基づく濃い情報の乱打戦!最後まで聴いた後はおなかいっぱい!そんな濃密な音楽講義が、毎週無料で聴けるのだと考えたら、これはお得なことこの上ない。比較的70~80年代の曲がよくかかるが、90年代が多い「ミラッキゾーン」と呼ばれる時間帯を楽しみにしているリスナーも多い。

火曜DJ:トムセン陽子、癒される優しい声と心にしみる曲紹介


そんな “深夜2時のようなアングラ感” を醸し出す月曜日とは対照的に、“ベイエリアからのNOW ON AIR感” を届けてくれるのが、紅一点、トムセン陽子さんがDJを務める火曜日だ。全曜日の中でいちばんリラックスした空気が流れているのは、彼女の優しい声のせいもあるだろうが、やはり曲のセレクトと、流れるような曲順の妙が大きい。

特に印象的だったのが4月14日の放送でラストに流れた小沢健二の「天使たちのシーン」。この13分以上ある曲をフル尺でオンエアしてくれたラジオはおそらく初めてだろう。CDでは何度も聴いたこの曲も、トムセンさんのハートウォーミングな曲紹介という魔法の粉がかかった形で聴くと、心への染み入り方がまた違ってくる。そんな火曜日は、部屋をきれいにした後に明かりを少し落として、酒類を嗜みながらラジオに耳を傾けてみるのもいいだろう。

水曜DJ:イントロマエストロ 藤田太郎、その本領は選曲にあり!


水曜日のDJは、bayfm のお膝元、千葉在住のイントロマエストロ藤田太郎さん。毎週、イントロクイズの出題コーナーがあるのが特徴だ。水曜日の放送は2部構成となっているのだが、特にユニークなのは、後半、毎回ラストに流す曲を事前に予告し、その曲に向かって関連のありそうな曲を繋いでいくという「〇〇への道」のコーナー(〇〇にはラストに流す曲名)。

今、SNS上では、このコーナーにまつわる面白い事象が発生している。それは、リスナーによるオンエア曲の予想合戦だ。放送時間が近づいた頃には、リスナーからの凄まじい量の予想ツイートがタイムラインを埋め尽くす。勿論予想した曲が流れるケースもあるが、藤田さんは毎回こちらの想定を上回る引き出し豊かな選曲で攻めてくるからたまらない。イントロマエストロの本領はその選曲にあり!今後もどんな音楽道を繰り広げてくれるのか楽しみだ。

木曜DJ:クリス松村、上質で洗練された音楽図書館


そして木曜日は『9の音粋』の大親分!これまで幅広い楽曲の知識と深い音楽愛によって、多くのラジオリスナーから確かな信頼を得てきたクリス松村さんが、満を持して登場だ。その内容もシティポップスからアイドル、そして昭和歌謡から最新曲と多彩で、まさに “音楽図書館” と形容するに相応しい。

初めて聴くようなマニアックな曲が連続する日もあるが、それらも上質で洗練された物が非常に多く、曲の年代がまちまちでも不思議と散漫な感じがしない。それにしても、放送中毎回「時間が無い」とクリスさんが言っている気がするが、それも無理はない。なぜならば、オンエア曲数が最も多いのがこの木曜日だからだ。月曜日が大体14曲位なのに対し、クリスさんの木曜日はほぼ毎回、20曲以上をフルコーラスでオンエアしている。これは一曲でも多く聴いて欲しいというクリスさんの気持ちの表れかもしれない。

時代とともに変化するラジオ、SNS時代のあり方は?


今から遡ること50年前、ラジオ深夜放送の黎明期、DJの糸居五郎さんや亀渕昭信さんは、自らの選曲で洋楽を中心とした最先端の音楽を紹介し、流行に敏感な若者達から絶大な支持を得ていたという。つまり、「音楽紹介者と書いてディスクジョッキーと読む」そう言っても過言ではない時代が、高度成長期のラジオにはあったのだ。僕がラジカセでのエアチェックに夢中になっていた1980年代もまだ、FMラジオは音楽を知るためのメディアだった。

しかし21世紀に入り、FMはトーク偏重の構成が顕著となり、最近は俳優やお笑い芸人によるトーク主体の番組も多く、歌は申し訳程度に数曲かかるだけといったケースも目立つようになってきた。その背景としては、音楽への接触手段が、YouTube やサブスクリプションサービスの台頭などで多様化し、ラジオの即時性が相対的に失われてきたことも関係があるだろう。

ディスクジョッキーという言葉が輝きを放っていた時代から半世紀が経ち、音楽のジャンルはますます細分化され、アクセス方法も多種多様になってきた。そう、今こそ、無限に眠る音楽アーカイブを捌く、音楽の図書館司書のような存在が必要だ。そんな中、首都圏ラジオ局の bayfm が “楽曲中心” “音楽が主役” を前面に打ち出した大型番組を開始した意義はとてつもなく大きい。

時は2020年―― “真剣邦楽選曲SHOW”の名の下に、いよいよ、ディスクジョッキー復権に向けた狼煙が、幕張のベイエリアから上がり始めた。さあ、コロナ渦のステイホームのお供に、次にかかる曲は何だろう? と、わくわくしながら、今宵もラジオの “粋” を楽しむことにしようではないか。

2020.08.03
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カタリベ
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