7月17日

中森明菜の陰と陽。あまりクローズアップされない「Dear Friend」の魅力

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中森明菜の歌と魅力を最大公倍数的に引き出す要素とは?


“二刀流” と称される大谷翔平選手。少し前まで日本のプロ野球、いや、メジャーリーグでも、投手と野手は別モノとして明確に線引きされていた。高校までエースで4番打者だったどんなスーパースターでも、プロに入るとどちらかの選択を迫られる。そしてそれは “当たり前” のことだと定義づけられてきた。しかし、それが一人の“超人”によって日本だけでなくメジャーリーグにおける “当たり前” が覆されてしまった。その “当たり前”が崩された時点で、我々は「なぜ今までそれが “当たり前” だったんだろう?」と、自らの常識を疑いだし、常識をアップデートしていく。

中森明菜。

―― 言わずと知れた80年代の歌姫。その経歴や活躍をここで紹介する必要もなければ、紹介するにはあまりにも広く深い。

そんな中森明菜の名曲は数々あるが、ワタシが一番好きな曲は「Dear Friend」。前作「LIAR」から1年3カ月ぶりにリリースされた曲で、1990年のオリコン年間シングルチャート第6位を記録する、この年を代表する歌謡曲の1つである。もちろん名曲ではあるものの、中森明菜を語るうえで、クローズアップされる機会の少ない曲である。多くの名曲が大別すると “陰” 的な要素を持ち、またその陰に中森明菜が憑依し歌うことで、歌と本人の魅力が “最大公倍数的” に爆発するため、陰の曲を纏うことが中森明菜の良さと認識されたからではないかと感じている。

ビジュアルなし、歌だけで感じた「Dear Friend」魅力


しかしワタシは明るい曲「Dear Friend」が一番好きである。

この曲がリリースされた1990年7月は、ワタシが高校3年生の頃。当時、陸上部に所属していたがインターハイ予選で敗退し、7月から受験生モードに切り替え、部活による勉強の遅れを取り戻そうと必死になっている時である。そのとき、慣れない受験勉強の支えになったのがラジオ。そのラジオから、ちょうどリリース前の「Dear Friend」がFM福岡でヘビーローテーション的に連日流れていた。ほかにも曲は流れていたが、なぜかこの曲だけは勉強の邪魔になるどころか、1曲終わるごとに行き詰った頭がリフレッシュされ、受験勉強の励みになった(そのおかげもあって、翌春には第一志望校に合格できた)。

そういった想い出はあるものの、それだけが一番好きな曲の理由ではない。

この曲「Dear Friend」はそれまでとは違い、歌番組に出演して歌う機会が少ない。またワタシも前述のとおりラジオで聴き続けていたため、他の中森明菜の楽曲と比べビジュアルのイメージが弱い。言い方を換えると、純粋に歌だけを聴いていたので、その楽曲の魅力そのものが強く印象に残っている。

中森明菜の良さを引き出す “陰” と “陽”


アップテンポな曲調にあわせた中森明菜の明るい歌声と、その一方で時折覗かせるおなじみの重厚な歌声との絶妙なバランス。リリース当時の季節(夏休み直前)とも相まって、暑い夏のなかで “涼しさ” を運んでくれる名曲である。余計なビジュアルの情報が少ないため尚更、曲全体に “涼しさ” “爽やかさ”を感じる。

そういうことを念頭に改めて「Dear Friend」を聴くと、中森明菜は “陰” を纏うことでその魅力が引き立つと思われていたかもしれない。しかし一方で、正反対の “陽” を纏っても別の魅力が引き出されていたのではないか? … と感じることがある。大谷翔平がメジャーリーグの舞台で “投手” と “野手” 両方の才能を発揮しているように、もし中森明菜が “陰” と “陽” という二刀流を駆使してもっと多くのヒット曲を残していたら…

我々は、中森明菜の魅力の半分しか体験していないのかもしれない。

ちなみに、ワタシが好きな中森明菜の曲・第2位は「サザン・ウインド」。これもどちらかというとアップテンポな “陽” の曲である。やはり中森明菜は “陽” もよく似合う。

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2022.06.11
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カタリベ
1973年生まれ
永江幸司
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