9月13日

共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.7

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エア・サプライのシングル「オール・アウト・オブ・ラヴ」がビルボードHOT100で2位になった日
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photo:気まぐれ音楽紹介 from 横浜♪  

All Out Of Love / Air Supply

J-Popシーンにおいて“夏”を想起させる、あるいは“夏”といえばというアーティストはTUBEやサザンオールスターズ等がまっさきに挙げられるだろう。では80年代の洋楽シーン、特に80年代前半においての“夏”アーティストといえば… これはもうエア・サプライの右に出るものはいない。そんなイメージが確かに定着していたほどに、エア・サプライの日本での人気は、本国オーストラリアやアメリカにも勝るとも劣らないくらい高かった。

1980年の夏、80年代5番目に誕生したナンバー2ソングがエア・サプライの「オール・アウト・オブ・ラヴ(All Out Of Love)」(80年2位)。日本でのアーティスト知名度は非常に高いエア・サプライだが、実はこれはという決定的なヒット・ソングがあるわけではない。例えばヴァン・ヘイレンなら「ジャンプ」、シンディ・ローパーなら「ガールズ・ジャスト・ウォント・トゥ・ハヴ・ファン」みたいな万人が知る決定打的ヒットが、エア・サプライ・レパートリーからはどうも見当たらないのだ。

80年代前半に彼らのトップ10入りした一連のヒット曲は、当時青春時代を過ごした人にとってはどれも耳にすれば “ああ、この曲ね” と認識できるだろうが、タイトルを見ただけでパッとソラで歌えるレベルではないと推測される。

「Lost In Love」(80年3位)
「All Out Of Love」(80年2位)
「Every Woman In The World」(80年5位)
「The One That You Love(シーサイドラヴ)」(81年1位)
「Here I Am」(81年5位)
「Sweet Dreams」(82年5位)
「Even The Nights Are Better(さよならロンリー・ラブ)」(82年5位)
「Making Love Out Of Nothing At All(渚の誓い)」(83年2位)

それはどれも(良い意味で)似た感じの及第点的エア・サプライ・サウンドのオン・パレードなことが主な要因であろうが、逆にいえば “エア・サプライ節” が貫かれたこれだけの数のヒット曲を日本人の心に刻んだということで、狙ってもなかなかできない偉業であり、彼らの立ち位置が実に特異だった証しであろう。リード・シンガー、ラッセル・ヒッチコックの歌声が日本人の耳にマッチしていたことも見逃せない。

他愛もないオリジナル・ジャケットを、気球・ヨット・ハンググライダー等と海を合体させたどう見ても夏っぽい写真に差し替えられた日本盤のアルバム・ジャケットも、80年代の雰囲気のひとつを演出していた感じで、最早非常にエア・サプライらしいと言わざるを得ない。80年代において “雰囲気もの” のアルバム・ジャケットが、日本盤では差し替えられた例が横行したが(なぜかLAっぽい海風景が多かった!)、エア・サプライはそれのはしりだったのだ。

4年間で8曲のトップ10ヒットを輩出したのは錚々たる実績(しかもすべてトップ5入り!)だし、日本での80年代洋楽人気隆盛の一角を確実に担っていたエア・サプライ。夏になるとどこかでそのサウンドを思い出して懐かしんでいる人は必ずいるに違いない。まあ、まだ現役活動しているグループなのだが。

2016.07.18
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  YouTube / AirSupplyVEVO 
 

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1966年生まれ
プリンス目白
エアサプライのジャケ戦略は見事でしたね。ビフォーアフター的な一覧表を作りたいくらいです。
2016/07/20 09:36
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返信
カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
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