Re:minder のオンライン・プレゼンショー『語ろう!マイベスト筒美京平ソング』11月21日(土)20時より開催。チケット絶賛発売中!2020年5月、コロナ禍に始動したリマインダーのオンラインイベント
春・夏・秋の実感がないまま、もう冬が近づいている感じ… と言ったらいいのだろうか。2020年、新型コロナウィルスの猛威はエンタメ業界を直撃し、多くのコンサートやイベントが、中止や延期に。そして、この事態は、80年代音楽サイト Re:minder にとっても例外ではなかった。
ご存知の方も多いと思うが、Re:minder は、これまで数多くのイベントを開催し、そのいずれもが大盛況であった。ロック系からアイドル系まで多種多様なDJイベント、音楽業界レジェンドを招いてのトークイベント、そして、今や鉄板イベントとして定着したイントロクイズイベント… 今年も、これらの開催を心待ちにしていた人も多かっただろう。しかし残念ながら、こういったオフラインイベントの解禁は、いまだになかなか難しい情勢である。
そんな中、Re:minder 主催のオンラインイベントが、およそ月1のペースで開催されているということを、皆さんはご存知だろうか。Web会議アプリのZOOMを使用して催されているこのイベントは、緊急事態宣言真っ只中の2020年5月を皮切りに、10月末現在で、既に7回開催されている。私は、5月の初回と、4回目以降の全てに参加させて頂いているが、直近の7回目では僭越ながらMCをさせて頂いたこともあり、今回のコラムでは、ここまでのオンラインイベントについて振り返っておきたい。
共通のテーマは、さにーさん提唱の “昭和ポップス”
過去7回のラインナップは次のとおり。
1.「昭和ポップスの世界」オンライントークイベント(2020年5月5日)
2.「12人で語る昭和ポップスの世界」(2020年5月12日)
3.「12人で語る昭和ポップスとヤンキーカルチャー」(2020年5月19日)
4.【昭和ポップスの世界】最強の “夏うた” を教えて!(2020年7月4日)
5. 発表!あなたが選ぶ夕暮れベストソング【昭和ポップス】(2020年8月15日)
6. 語ろう!マイベスト失恋ソング【昭和ポップス】(2020年9月19日)
7. 語ろう!80年代後半の女性アイドルソング【昭和ポップス】(2020年10月17日)
お気づきかもしれないが、共通テーマは “昭和ポップス” である。最近、巷でよく耳にするこの言葉は、平成生まれの昭和歌謡愛好家で Re:minder のカタリベでもある、さにーさんが提唱したものだ。
この、 “昭和ポップス” というキーワードは、ある意味、非常に便利な言葉だと言える。昭和世代は、アイドル、ロック、フォーク、シティポップ、演歌… とそれぞれを分けて、時には対立軸として捉えていた部分があるが、実は、平成世代がこれらを見た場合、全体像で “昭和の素敵な音楽” として捉える感覚があるようなのだ。それ故に、彼らがこれらのジャンルをこうして「纏めて一言で表現できないだろうか」と考えるのは自然な成り行きとも言える。
しかしながら、この “昭和ポップス” の定義については、初回イベント終了後に「曖昧なのではないか」とか「きちんと定義すべきではないか」という声が挙がったのも事実で、第2回の会では、昭和ポップスの定義自体について、オンラインで討論が行われるという一幕もあった(ジャンルの定義について討論する事自体が不毛だという意見も当然あります)。
残念ながら、私はこの第2回は参加できなかったのだが、個人的にはこんな風に考えている。
ポップス ≒ ポピュラーソング ≒ 大衆に広く訴求する音楽 → 演歌もロックもアイドルソングも成り得る。つまり、さざんかの宿も、B・BLUEも、“昭和ポップス” である。
―― 皆さんはどうお考えだろうか。
参加パネラーの熱いプレゼン、これぞ音楽のビブリオバトル!
このように、手探りで始まったオンラインイベントではあるが、第4回以降は楽曲プレゼン方式のフォーマットが定着してきた。それでは、イベントの流れについて以下簡単に説明しよう。
1. イベント申し込み時点で “パネラー” か “ギャラリー” かを選択。パネラー枠は10名程度
2. パネラーは1人3分の持ち時間で、その回のテーマに沿った、各々がチョイスした1曲についてプレゼンを行う(パワーポイント等の画像共有も可能)
3. プレゼン後1~2分質疑応答タイムあり。なお、プレゼン最中に参加者がチャットで発言するのは自由
4. 途中、Twitter投稿数などに基づいたランキング発表コーナーも有り
5. 最後に、参加者全員の投票により “MVS(Most Valuable ShowaPops)” を決定(副賞有り)。
例えば、テーマを “失恋ソング” とした第6回は、The東南西北の「内心、Thank you」を紹介したマミーさんが最多得票(MVS)に輝き、次点は同点で、松田聖子の「ハートのイアリング」と、ギルバート・オサリヴァンの「アローン・アゲイン」といった具合であった。
この結果からも解るように “昭和ポップス” という間口の広さが、逆にイベント全体に、バラエティに富んだ幕の内弁当のような彩りを与えている。プレゼン内容も、ユニークな歌詞解釈だったり、曲に纏わる意外な事実だったり、実体験と絡めた想い出だったり… と切り口も多種多様。通り一遍の音楽知識の披露ではなく、各々の思い入れに基づいて語られているところが新鮮なのだ。
こうして、“音楽のビブリオバトル” という新たなオンラインイベントの形が見えてきたのは、ひとえに、各回の参加パネラー陣の熱いプレゼンの賜物と言えよう。加えて、毎回平成生まれの若者の参加があることも、イベントの活性化に寄与する重要なファクターとなっている。ちなみに、第7回のMVSは、平成生まれのさにーさんが紹介した、岡本舞子「愛って林檎ですか」でした(選曲が渋い!)。
次回のテーマは筒美京平、来たれ!新しいカタリベ
本イベントが開始した当初には想定されていなかった副産物として、この会を通じ、Re:minder の新たなカタリベが発掘されたことも特筆すべきだろう。
第4回MVSの不自然なししゃもさん、
第5回MVSの松林建さん、
第6回MVSのタナカマサノリ(マミー)さん、
そして参加4回中、3度も3位以上に名を連ねる安定した戦績の林ともひとさん…
いずれも本イベントでの活躍をトリガーとしてブレイクした方々だ。これらカタリベの素晴らしいコラムに触れた方も多いのではないだろうか。今後の新たなコラムに、大いに期待したい。
そして、次回の Re:minder オンラインイベントのテーマは『語ろう!マイベスト筒美京平ソング』を予定している。まさに昭和ポップスの巨人であり、その象徴とも言える筒美京平さんの楽曲について、どんなプレゼンが繰り広げられるだろうか。なお、今回は “平成割” という、平成生まれのパネラーに対する特割も設けているので「我こそは!」という方は、いっちょ勇気を出して、振るって参加してみてはどうだろう。
2020年も残りわずか。コロナ禍の収束を願いつつ、来年は、オンラインとオフライン、両方の喜びを享受できるような1年になれば素晴らしいことだと思う。
2020.11.01