1974年 10月20日

リアルなラブソング「忘れ雪」オフコースが80年代にブレイクしたきっかけの曲?

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6枚目のシングル「忘れ雪」小田和正の歌声は哀愁をおびて…


「忘れ雪」は1974年10月に発売されたオフコース通算6枚目のシングルだ。この曲を初めて聞いたのはラジオから。当時の私は北海道の田舎町に住んでいたため、まだ知名度の低いオフコースのレコードは店頭に並ばず、NHK 地方局の FM 番組にリクエストを続けるしかなかった。大好きなオフコースの新曲ということもあり、大いに期待してラジオの前で待っていたものだ。

初めて聞いた「忘れ雪」は印象的だった。イントロの音色が美しく、別れた恋人を想う小田和正の歌声は哀愁をおびて切ない上に、サビのハーモニーが実に素晴らしい、これぞオフコースという曲だ。曲が終えた後もしばらく余韻にひたっていた。

オフコースが歌った歌謡曲? 作詞作曲は松本隆と筒美京平


しかしエアチェックしたテープを繰り返し聴くうち、歌詞に少し違和感を覚えた。従来のオフコースの歌詞と雰囲気がまったく異なるのだ。それまでのオフコースの歌詞は、日々の生活や街の風景、季節の移り変わりなどを、淡々とつづったものが多く、ラブソングは決して多くなかった。もちろん恋愛をテーマにした曲はあったが、抽象的で現実を感じさせないラブソングだった。

それに対し「忘れ雪」は歌詞が実にリアルだ。別れた恋人との具体的な思い出や、二度と会えない哀しみを歌っている。曲の終盤には「泣きぼくろが涙をさそう」なんてフレーズも出てくる。歌詞だけ読むとまるで歌謡曲だ。「オフコースが歌謡曲を歌っている!」、そんな感想を持ったものだ。しかし後日、雑誌の新曲紹介欄で、作詞が松本隆、作曲が筒美京平というヒットメーカーが提供した曲と知って違和感が解消された。

アルバム未収録、メンバーが納得しないままリリースされたラブソング


当時は知る由もなかったが「忘れ雪」の発売にあたってはいろいろとあったようだ。オフコースのレコード売り上げが伸びないことに危機感を持ったレコード会社が、オリジナル曲を希望する本人たちの意に反し、なかば強引に「忘れ雪」をリリースしたらしい。グレープや NSP など叙情派フォークのヒットも背景にあったようだ。

とにかく「忘れ雪」は、本人たちが納得しないままリリースされたことで、ライブ演奏もアルバムの収録もなく、この名曲はファンに披露されることなく消え去る運命となってしまった。

実はオフコースがラブソングを歌うきっかけになった曲?


そして1975年12月に発売されたのが、シングル「眠れぬ夜」とアルバム『ワインの匂い』だ。「眠れぬ夜」のヒットもあって、オフコースの知名度は大きく上昇することになる。ここで注目したいのは、『ワインの匂い』の収録曲に、別れのシーンや、恋に揺れる気持ちをつづったラブソングが増えていることだ。過去の歌詞と比較すると違いがよくわかる。まだ15歳の私もこんなシーンがいつか自分にも来るのかとときめいたものだ。

このアルバム以降オフコースはラブソングを次々とリリースする。「めぐる季節」「こころは気紛れ」「愛を止めないで」と新曲を発表するたび多くのファンを魅了した。そして79年に発売された「さよなら」の大ヒットで、オフコースは80年代ニューミュージック系の代表的グループとして認められ、その後も数多くのラブソングを生み出すことになる。

個人的な想像だが、「忘れ雪」はオフコースがラブソングを歌うきっかけになった曲だと思っている。プロの作詞家からヒントを得た彼らが、「ラブソングなら自分たちでも作れる」と生み出した作品が、「眠れぬ夜」やアルバム『ワインの匂い』ではなかったか。今後「忘れ雪」がライブで披露されることはないと思うが、いつかこの名曲にスポットが当たることを願っている。

2020.01.18
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カタリベ
1960年生まれ
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