6月8日

女はクリスマスケーキ?結婚に揺れ動いた世代の群像劇「25才たち・危うい予感」

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日本テレビ系列のドラマ「25才たち・危うい予感」の放映が開始された日
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結婚適齢期の揺れ動く心模様を描いた群像劇「25才たち・危うい予感」


1984年、時代はバブル前夜。“女はクリスマスケーキ” と茶化され、25才を過ぎたら売れ残ると言われていた。現在ではコンプライアンス問題に発展しそうな物言いだけど、 25才がいわゆる “結婚適齢期”。そんな25才たちの揺れ動く心模様と青春の終わりを描いた群像劇が『25才たち・危うい予感』だ。

高2だった当時の蒸し暑い梅雨、私は全身全霊を挙げてこのドラマを観ながら(大げさ)、主演の桜田淳子と世良公則の焦ったい恋愛模様に胸をキュンキュンさせていた。2人が約束の列車ですれ違うシーンの切なさに悶え、女友達4人が歌うユーミンに夢中になっていた。25才ってなぜそんなに特別なんだろうと思いながら。

しかし、物語の記憶があやふやだ。ネット検索したら、出演者や放映時期といった概要データは出揃っているのに、ビデオも DVD 化もスルー。大人の事情なんだろうけどスルー。もちろん再放送もない。観たい!観たすぎてしぬー!

そんな執念が実ったか、天の啓示か、先日ポッと実家物置から録画ビデオが発見されたのだ。リカ狂喜。

状態も良好で、即 DVD に落として鑑賞。日本直販や火サスの CM と共に、最終回と最終回前話の2話が入っていた。

M25作戦! 桜田淳子・宮崎美子・萬田久子・中井貴恵が立てた誓いと、劇中に流れるユーミンのナンバー


■ 登場人物
早川波子:桜田淳子
島崎恵利:宮崎美子
久野たまき:萬田久子
川口令子:中井貴恵
服部幹夫:世良公則
原田公三:三浦洋一

■ あらすじ
波子、恵利、たまき、令子は短大時代からの仲良し。「M25作戦」と称して25才までに結婚する誓いをたてたが、25才の壁を前に大きなため息をついている。4人でヨーロッパ旅行中突然令子がイタリアで挙式。残り3人は焦る。そんな中、新郎の友人である服部やツアーコンダクターの原田に出会い、新たな人間模様がスタート。ドラマはこの4人の友情と、波子と服部、恵利と原田の恋愛模様を中心に描く。

脚本は金子成人、宮村優子(一話のみ。だがこの一話がいい!)。「役を地で演じてほしい」という制作の希望により、当時25歳の宮崎美子と26歳の桜田淳子、中井貴恵、萬田久子が選ばれたそうだ。

この4人の友情やトーク場面が楽しくてリアルで憧れた。飲み会で短大時代を懐かしむシーンでは、出会いから学食、コンパでの面白エピソードに一緒に笑いたくなった。そういえば、服部が経営する喫茶店・ケルンで集まる時、BGM にユーミンの曲がバンバン流れたのも印象的。「12月の雨」や「天気雨」、「TROPIC OF CAPRICORN」もかかってたっけ。中でも4人で「魔法の鏡」を歌う場面は良かったな。

友達以上恋人未満… 桜田淳子と世良公則のまどろっこしくも切ない関係


しかし何より、服部と波子の友達以上恋人未満の関係がまどろっこしくも切なくて。会えば喧嘩ばかり、距離が詰められない。隣に座る時も少し間を空ける。ああああ。私の中の少女スイッチが全部 ON になる。

恵利が東京を引き上げて故郷に帰った夜、服部に抱きついて泣きじゃくる波子。服部の部屋で酔っ払い、「服部さんは父に似てるの。いつのまにか好きになってた。」と1人べらべらしゃべる波子。そして服部の「GO!」という決意も虚しく、彼女はベッドでグーグー眠ってしまうのだ。ああ何この駆け引き!何このすれ違い!なんと腹立たしくドキドキしたか!どれだけハラハラしたか!

最終回では、全員がだんだんと離れ離れになり、青春の終わりを暗示してこれがまた切ない。

結婚を考える始める波子と相変わらず山好きで自己流の服部。しかし、反発する父(大友柳太朗!)に借金を申し出てその懐の深さに負け、服部は現状の全てを捨て、実家の和菓子屋を継ぐことを決意するのだった。

季節は移り、秋。最後のショットは服部の様子を遠くから眺める波子のモノローグ。

「この秋、私は見合い結婚をした。ひとつの時代が終わった」

結局、さりげなくなにげなく2人は結ばれない。少しずつ離れ、赤の他人になっていく。

16才の私は胸が痛くていつまでもテレビの前で泣いた。私もこんな恋をいつかするのだろうか。大好きな友達ともずっと一緒にいられないのだろうか。いつかは会わなくなるのだろうか。こんな季節はもう二度と来ないのだろうか。
答えは風の中だった。
青春の終わりとは、区切りをつけて新たな道を選択することなのか、なんてね。

主題歌を歌う世良公則にメロメロ「導火線」の作詞は阿木燿子


主題歌は世良公則のソロ第3弾シングル「導火線」。作詞は阿木燿子。「♪ 25時の星のように」というフレーズが入っているから、ドラマありきなのかもしれないが、エキサイティング&メロウなギターに乗せて別れ際の駆け引きをハスキーに歌い上げる、最高の世良ロックだ。

とにかく役柄の不器用な山男が歌にオーバーラップして、もうメロメロだった。ジャケットもセクシーで大人の男の香りに恋焦がれた。この頃の世良は役者としても脂が乗ってきて、ちょうど『太陽にほえろ!』のボギー役でも人気だったと思う。

そうそう、桜田淳子、宮崎美子、萬田久子、中井貴恵の4人はプライベートでも仲が良かったらしく、ドラマ終了後は、どこかのトーク番組で毎年同窓会のように集まっていたのを覚えている。今現在はどうなんだろう、なんて想像するとやはり切なくなるけど、二度と会わなくなっても思い出は残る。残っているのだ。誰が忘れても私が覚えている限り。たぶん。きっと。

2019.11.29
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カタリベ
1968年生まれ
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