11月21日

小悪魔系じゃじゃ馬!リンダ・ロンシュタットは西海岸の恋多き歌姫

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1986年(日本では翌87年)に公開されたアニメーション映画『アメリカ物語(An American Tail)』の主題歌「サムホエア・アウト・ゼア」のクレジットを初めて見た時、僕は我が目を疑った。そこに “リンダ・ロンシュタット&ジェームズ・イングラム” と書かれていたからだ。リンダ・ロンシュタットって、70年代に西海岸の一流ミュージシャンをバックに多くのヒット曲を生み出していた、あのリンダ? 彼女がアニメの主題歌? あり得ない…

リンダ・ロンシュタットは日本ではオリビア・ニュートン・ジョンと比較されることが多かった気がするが、リンダはオリビアとは真逆の印象を持たれていた。それは一言で言えば “男たらし” なイメージで、当時LAで活躍していた男性ミュージシャンの殆どが彼女と関係を持っていたんじゃないか… って、僕らは半分本気で信じていた。

彼女はいかにも “男好きのする” 外見だったし、実際、J.D.サウザー、ジェイムス・テイラー、ジャクソン・ブラウンといった西海岸系のアーティストはもちろん、ミック・ジャガーや現カリフォルニア州知事のジェリー・ブラウンまで、まさに “華麗なる” 男性遍歴を誇っていたからだ(ミックについては後に本人が否定)。

そして、リンダと言えば必ず引き合いに出されるのがイーグルスだ。グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ランディ・マイズナー、バーニー・リードンが彼女のバックバンドで名を上げた後にイーグルスとしてデビューしたという “伝説” のせいだ。しかし、実際に彼らがバックを務めたのはほんの数ヵ月のことで、しかも彼らの名前は既にLAの音楽シーンではリンダより知られていたそうだから、この “伝説” はかなり脚色されていたことになる。やはり、彼女がいかにも “男をリードする(振り回す?)女” だという先入観があったからこそ生まれた逸話だろう。

彼女は70年代に西海岸サウンドの主役の一人として、カヴァーソングばかり数多くヒットさせてきたが、アルバム『劇愛(Mad Love)』で一転してニューウェーヴ寄りのサウンドを披露すると、それを最後に過去の人になって行った。そして、僕たちが彼女の名前を忘れかけた頃にリリースされたのが、冒頭のスローバラードだったという訳だ。

それにしても、彼女があんな純粋無垢な歌を歌うとは… あの小悪魔なじゃじゃ馬はどこに行ったのか、そのイメチェン&キャラ替え度合いの大きさに一瞬驚いた。しかし、まさにこの頃、映画監督のジョージ・ルーカスと付き合っていたというから、実際には何も変わっていなかったようだ。

なお、この曲のヒットに味をしめたからかどうかは知らないが、彼女は89年にはアーロン・ネヴィルとのデュエット「ドント・ノウ・マッチ」をヒットさせている。


Somewhere Out There / Linda Ronstadt & James Ingram
作詞・作曲:James Horner, Barry Mann, Cynthia Weil
プロデュース:Peter Asher
発売:1986年11月21日


脚注:
■ Linda Ronstadt
「Somewhere Out There」(87年3月14日2位)
『Mad Love』(80年3月15日 3位)※アルバム
「Don't Know Much with Aaron Neville」(89年12月23日2位)

2016.11.01
71
  YouTube / dimsel


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1965年生まれ
中川 肇
いいですね。こっちのバージョン(映画の中で登場する2匹のネズミによるデュエット↓)も是非、鼻歌で再現してみて下さい!
https://www.youtube.com/watch?v=wJTV-Tr-L7Q
2016/11/02 20:36
3
返信
1965年生まれ
goo_chan
食品スーパー「マルエツ」の0時の閉店間際に買い物に行くことが多い私は「Somewhere Out There」を頻繁に耳にします。鼻歌でジェームズのパートを唄いながら買い物するのを警備員に不思議な顔をして見られています(笑)
2016/11/02 16:50
5
返信
1965年生まれ
中川 肇
彼女の全盛期はこの映像(↓)で追いかけることができます!
https://www.youtube.com/watch?v=Kp9G0zkorio&list=PLmXxqSJJq-yXd2_N_2Z0TcmmUiCVxfsDH
2016/11/01 10:09
0
返信
カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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