4月21日

新田一郎プロデュース、新谷かおるの漫画「エリア88」が音楽になった!

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新田一郎がサウンドプロデュースした「エリア88・コミックス・オリジナル・アルバム」がリリースされた日
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世界中、どこを探しても、実在する近現代の戦闘機を登場させたコミックは『エリア88』を置いてほかにない。新谷かおる先生の代表作であるエリア88は『少年ビッグコミック(のちのヤングサンデー)』で連載された作品だ。先生と書いたのは、中学2年以来、ワタシが勝手にココロの師と崇めているだけのことで、今でいう「厨二病」といったトコロか…。

そんなコトはどーでもいいが、エリア88である。一般的には、コミックを読んで、付随するグッズやアイテムに興味をもち、それを入手する…、というのが流れなのだろうが、ワタシは事情が異なる。

時は1985年の松の内。冷やかし半分で隣町のレコード屋に入った。冷やかしでありながらジャンルやメディア形式などお構いなしに棚という棚をつぶさに眺めていったことは覚えている。そんななかで、サントラ盤のコーナーで手にして買ったのが『エリア88・コミックス・オリジナル・アルバム』のカセットテープだった。

実際聴くと、1曲目から度肝を抜かれる。迫りくる F-15 のバーナー音。フライパスする瞬間ホーンセクションのイントロに切り換わり、山際祥子のボイスがこれに続く。全部英語。でも、聴くうちに足が勝手にリズムを刻む。ガンダムやクラッシャー・ジョウ、ヤマト、マクロスでは味わえないメロディラインは中学2年生の心を鷲掴みにした。

すべてを聴き終えたのち「このサウンドのモトになった原作って、どんな作品だろう」と、居ても立ってもいられず、その日のうちに自宅近所の本屋で原作単行本を手に入れた。それがエリア88第5巻。本来なら、第1巻を購入するトコロだが、本屋にあったのは第5巻だけだった。

アルバムは、コミックの世界観を知るには十分すぎる内容で、その日のうちにエリア88の、また、音楽を担当した新田一郎氏の虜になった。さらに当時の級友の影響もあり、航空機とりわけ戦闘機に強い興味をもちはじめた時期とも重なり、世界はつながった。そこは多感な中学2年生。その後のお小遣いのほとんどが、新谷かおる作品と、航空ジャーナルという雑誌と、エリア88のサントラ盤にカタチを変えた。両親を嘆かせたのは言うまでもない。

さて、新田一郎氏は、このアルバムを取っ掛かりにして、エリア88 OVA『ACT Ⅰ』『ACT Ⅱ』の音楽集を Part1、Part2とに分けてリリースし、1986年には『エリア88 イメージ・アルバム 燃える蜃気楼』、さらに OVA の続編『エリア88 ACT Ⅲ 燃える蜃気楼』の音楽集をリリースする。当然、ワタシも小遣いが許す限りカセットテープを買った。

一連のアルバムは、どれも緩急つけて楽曲を配置し、バランス良く構成されていることが、今ならわかる。しかしながら、子供ゴコロに物足りなさを感じたのも事実だ。なぜなら、全部が全部、イケイケのメロディを求めていたからだ。当時のワタシにとって、疾走感あふれるホーンセクションのプレイは想像力を豊かにしてくれたし、それを繰り返し聴いては酔い痴れる。そして、コミックの描写に合うメロディを探しては、それに合わせて読みふけり、場合によっては、登場人物のセリフを声に出したりして独り悦に入る。そんな視聴環境が心地よかったのだ。ヘンな子供だったのだ…。ワタシは…。

そんなこんなで、音楽ひとつで想像力を広げさせてくれる新田一郎氏の感性は、当時のワタシに大きな影響を与えてくれた。とりわけ、中学生の頃、ノートの切れ端に鉛筆でコマ割りのマンガを描いては気の合う友人に見せてまわったことを思い出す。内容的には、ほとんど新谷かおる作品のシーンをパクったものだったが、評判は悪くなかったと信じているし、当時の仲間で集まるときは今でも語り草になることもある。そんな自作漫画を描くにあたっては、たいてい新田一郎氏のメロディを思い浮かべ、あてがい、友人たちに披露したものだった。

もっとも、友人たちは、そんなのお構いなしに「この続きは?」と催促するので、描いたほうとしては不満はあった。それでも、音楽があれば何でも描ける気がして、続編を手がけたことも今となってはいい思い出だったりする。

話は逸れたが、『エリア88・コミックス・オリジナル・アルバム』に同梱されていたライナーノートに原作者である新谷かおる氏のメッセージがあり、音楽を担当した新田一郎氏について「元々スペクトラムの大ファンだった云々」とあった。それだけで、新田一郎氏は実力あるアーティストなのだとワタシのアタマにインプットされた。その後もエリア88の名を冠したサントラがリリースされたが、その全部が新田一郎氏の手によるものだ(TV版は別)。

ただ、問題があった。新田一郎氏に強い関心をもったはいいが、近所のレコードレンタル店では、スペクトラムを扱っていなかったのだ。店にリクエストをした覚えはあるが、それが実現した覚えもない。強いて挙げれば、新田一郎氏のアルバム『シュミレーション』があったが、これを耳にしたのは1986年のハナシだ。結局、スペクトラムの音楽を耳にしたのは大学生になってからだった。

時を経るなかで調べると、新田一郎氏の守備範囲の広さと作品の奥深さを思い知ることになる。思い出すままに一例をあげると、『パタリロ』『地球防衛軍テラホークス(NHK版)』『スケバン刑事』『バリバリ伝説』『ダロス』『八神くんの家庭の事情』等々(並びは順不同)。

なかでも、パタリロやテラホークス、スケバン刑事はリアルタイムで観ていたクチだが「メロディの印象」は解かる。その他にも、楽曲提供や演奏参加など多方面で活躍する新田一郎氏のバイタリティには頭が下がるばかりだ。ここしばらくは、サントラ系の活動は見られないようだが、機会があれば是非とも耳にしたいものだ。そのためにも、小遣いは用意しておかなきゃ…。なんなら、ワタシの自作漫画に曲をつけるのもアリか…、あ…、いや、撤回します…。

余談ながら最後に、OVA『燃える蜃気楼』のサントラに収録されている「タイトロープ」は、巨大なクレバスの中を戦闘機で飛行するシーンの曲だったが、『仮面ノリダー』における “ジョッカーの皆さん” が登場する際の BGM としても使われていたりする。

本コラムを書くにあたり自宅の VTR でノリダー(ホルスタイン男の回)を観た。画質は時代を感じさせたものの、曲と映像が織りなすイメージは色褪せていないことに驚く。原曲が収録されたアルバムがリリースされてから30年以上も経過するが、「音の世界って、その想像力って、幅が広くて、時代を超越するんだなぁ」と実感した次第だ。

さらに余禄。本コラムを書くにあたって改めて知ったコトだが、先述のバーナー音が F-15 のものだと認識できたのは、F-15に絡むあらゆる音を収録したテープ『スーパーファイター USAF F-15 イーグル』を、エリア88に先んじて持っていたからだが、じつはこれ、エリア88のサントラと同じキングレコードから出されていたものだった。これ、なんの偶然でしょ…? そもそも、なぜそんなテープをワタシは持ってるのさ…。元祖・厨二病、我ながら恐るべし…。

2019.06.12
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  YouTube / Shunmaha
 

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