1978年(昭和53年)10月、表参道と明治通りの交差点に、地上6階、地下2階建てのビルディング・ラフォーレ原宿が建った。
私の記憶が正しければ、その後しばらくして最上階の「ラフォーレミュージアム」で「第一回原宿音楽祭」(1980年)が行われている。中学生になるかならないかの頃で、両親が「なんかすごいイベントをやるみたいだから行ってみよう。」と言うので、とりあえず一緒に行ったという感じ。
ちなみに「原宿音楽祭」はいわゆるアマチュアバンドのコンテストであり、この時音楽プロデューサーの小林武史さんが優勝している。
私自身、初めてのライブ体験で強烈に興奮したのを今でも覚えている。なかでも記憶の底にこびりついて忘れられないのがゲストミュージシャンとして音楽祭に招かれたスペクトラムだった。
まず、生で観るスペクトラムのコスチュームに完全に度肝を抜かれた。古代ローマ帝国の戦士のような甲冑に黒いサングラス。北欧のバイキングを思わせる猛牛のようなヘルメット。
エレキギター、ギター、ベース、トランペット、トロンボーンの5人が最前列で横一列に並び、演奏しながら振り付けを合わせて踊るパフォーマンス。
「アクトショー」「イン・ザ・スペース」というクールな曲。男なのに女みたいな(子供の私は当時そう思っていた)ファルセット。
そして甲冑姿で新田一郎さんがトランペットを吹くそのシルエットがすごくかっこよかった。見たことのないヴィジュアルと聞いたこともないサウンドにショックを受けぞくぞくとした。
ちなみに前座は漫才。漫才ブーム直前のセントルイスとツービート。たけしさんは、「ジジイ」「ババア」「ウンコ」の不謹慎ネタ連発で子供たちには大ウケだったが会場の大人たちを敵に回して完全アウエー。
ジャンケン大会で負けて悔しがる子供の首根っこを掴んで「なんだコノヤロー」と言いながら上下に振り回していた。実はその子供は私(笑)。
ACT SHOW / スペクトラム
作詞:宮下康仁
作曲:スペクトラム
発売:1979年(昭和54年)11月1日
2016.02.07
YouTube / chopichu
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