このアルバムはブレイク直前の作品で、当時はそこまでセールスが高かったわけではなかったが、収録曲の「FANTASY」の人気が高く、近年アナログレコードが再発されたほどである。ちなみにこの「FANTASY」は、2022年に今井優子がアルバム『Spell of Love』の中でカバーしている。
そして『2時までのシンデレラ -FRIDAY MAGIC-』に続き、再評価が著しいのは1988年のアルバム『鏡の中のアクトレス -The Actress in The Mirror-』だろう。11月1日、12月6日に開催された『レコードの日 2025』でも、この2枚のアルバムが再発売されている。さらには、1990年のアルバム『303 East 60th Street』も初めてアナログレコード化されるという人気ぶりである。
この曲がきっかけで、女性アーティストのクリスマスソングやアルバムが登場している。例えば、松田聖子『金色のリボン』(1981年)、石川優子『Christmas』(1983年)、中森明菜『SILENT LOVE』(1984年)などが挙げられるが、そんな時期に中原めいこもクリスマス企画の12インチシングルをリリースしている。それが、1984年11月21日にリリースされた『Meiko's SPECIAL PARTY VERSIONS』である。
シカゴソウルの重鎮、トム・ワトソンがプロデュース
そして、本作のA面に収録されていた曲がクリスマスソングの「FUNKY CHRISTMAS(LONG VERSION)」である。B面には「EMOTION」「GEMINI」の2曲が収録されており、プロデュースはシカゴソウルの重鎮であるTom Tom 84こと、トム・ワシントン。シカゴ出身のピアニスト、アレンジャー、プロデューサーで、アース・ウインド&ファイアーの大ヒット曲「セプテンバー」 (1978年)のアレンジャーとしても知られている。中原めいこはデビュー前には、ディスコで曲を書いていたほどのディスコ好きだったため、このコラボレーションはとても自然な流れだったのかもしれない。
ご機嫌なディスコナンバーであるこの曲は、7インチシングルとしては発売されなかったため、そこまで注目されなかったが、現代のシティポップとして再評価すべき1曲だ。ちなみに、この12インチシングルと同時に発売されたベストアルバム『Meiko's BEST SELECTION 10+1』には「FUNKY CHRISTMAS」のショートバージョンが収録されているので、こちらのほうがお馴染みかもしれない。
近年の中原めいこブームの背景には、彼女が1980年代に作り上げてきたディスコサウンドへの評価が大きく関係している。アルバム『鏡の中のアクトレス -The Actress in The Mirror-』に収録の「Dance in the memories」や、早見優に提供した「Caribbean Night(カリビアン・ナイト)」などもご機嫌なディスコナンバーだが、近年では1987年のアルバム『PUZZLE』も人気盤になっているようだ。
中原めいこは1991年のアルバム『ON THE PLANET-地球でのできごと-』のリリースを最後に作品をリリースしておらず、その後の活動は不明である。ニューヨークに移住したという噂もまことしやかに流れているが、実際のところはわからない。しかし、1980年代にリリースしてきた楽曲が、日本だけでなく海外のリスナーからも支持されている現象を今どのように感じているのか、それだけでも知りたいところではある。しかし、まずは皆さんのクリスマス・プレイリストの中に、この「FUNKY CHRISTMAS」を加えていただけたらそれだけで嬉しい。