5月21日

1982年夏の最強タッグ、ユーミンと聖子がいなかったら夏休みは始まらない

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photo:SonyMusic  
photo:yuming.co.jp  

1982年オリコン年間アルバムチャートの6位と9位である。夏が来れば思い出す、じゃないけれど、初夏の陽気になると、私はパブロフの犬のようにこの2枚を聴き始める。そして一緒に都会の梅雨空を眺め、まぶしい太陽を帽子越しに覗き、煌めく波しぶきに笑い、高原の風に肌をなぶらせ、ドキドキやセンチメンタルの疑似体験を懐かしみ、奇跡の様な夏を堪能するのである。

◼︎松田聖子「Pineapple」
夏期講習を前にずっと塾通いだった頃、友達のサーファーのお兄さんがカセットに落としてくれたのがこれ。「赤いスイートピー」や「渚のバルコニー」を収録した、聖子ファンの間でも1、2の人気を誇るという5thアルバムで、作家陣に原田真二や松任谷由実を迎えたリゾート気分満点の一枚だ。聖子の笑顔がこぼれるイエロートーンのジャケットも、舌ったらずのボーカルも最高。

映画「青い珊瑚礁」を彷彿させる「パイナップル・アイランド」の水滴が弾けるような甘美な胸キュンサウンドから、愛くるしい「レモネードの夏」、情感豊かな「ひまわりの丘」など、愛と青春の一夏がギュッと凝縮された、アイドルポップスの玉手箱的キラキラナンバーが並ぶ。当時は友達の家に集まっては聴き、一緒に歌いながら、進路の話やくだらないお喋りをしていた。本当に、この後皆んなと会えなくなるなんて思いもしない夏だった。


◼︎松任谷由実「PEARL PIERCE」
近所のレコ屋で予約購入し、ブックレットの安西水丸のイラストを眺めながら何度も聴いた思い出。イメージは洒落た夏のアーバンライフというか、クールな大人の叙情というか。サウンドプロダクションに派手なものはあまりなく、フュージョンやAORに近いと思う。

針を落とすと、イントロのSF感が堪らない「ようこそ輝く時間へ」が始まり、女の怨念大作「真珠のピアス」、西新宿OLのランチ事情「ランチタイムが終わる頃」、まったり流れる夕暮れの追憶「夕涼み」、バンドツアーを巡る北国での一コマ「私のロンサム・タウン」、ユーミンが描く女性像の真骨頂「DANG DANG」、異国情緒溢れる「昔の彼に会うのなら」、長い時を経て終わった恋を見送る「消息」と続く。

試験勉強のお供のウォークマンから聴こえるユーミンは、一曲一曲が切ない物語だった。その後経験した実際の色恋は、全然あんな風に格好良くはなかったけれど、今もこの作品を聴くと、土用波の響きに憧れ続けた幻のあの夏が蘇るような気がして仕方がないのです。

2016.07.25
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  Spotify


  YoouTube / 松任谷由実
 

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1965年生まれ
@0onos
「ようこそ輝く時間へ」は後楽園ソングですよね。
早川文庫の愛読書で、小石川っ子だった私には想い出深い一曲です。
2017/07/16 13:48
1
返信
1968年生まれ
親王塚 リカ
おお、小石川っ子とは! そうそう、これは後楽園遊園地ソングなんですよね。水道橋OL事情!w 私は後楽園時代には行ったことがなく、浅草花やしきで代用して妄想していましたw 全然違いますね(汗
2017/07/17 00:20
2
1968年生まれ
親王塚 リカ
ですよね〜! ユーミンは泥臭い未練をスタイリッシュに描く天才!
加えて私は、やはりこの歌はユーミン独特のストーキングソングだと思っとりますw
ユーミンの曲でストーカー魂(犯罪までいかずとも)を
刷り込まれた女子は結構多いんじゃないかしらん♡ww
ちょっと怖い(;゚Д゚i|!)!
2016/08/05 12:46
2
返信
1967年生まれ
Micco
「DANG DANG」大好きです~!「土用波のように」「激しく砕け散って」とか最高の失恋ソングですよねー。ユーミン姉さんに一生ついて行くと思った何曲かの1つでございます。
2016/08/02 13:07
3
返信
1968年生まれ
親王塚 リカ
おお!まとめありがとうございます!これは面白い。
もちろん聖子が圧倒的だけど、
アイドル活動激忙の時代にこれだけイメージ統一させた佳作をリリースできるの素晴らしい♡
でも。ポイントは80年の6月12月のユーミンのリリース比較だと思います。
前作が暗すぎた反動から、リゾート気分溢れる作品が生まれてヒットしたんですよね♡
半年のインターバルであんな名作出すなんてやっぱり天才〜!ヽ(*´ェ`*)ノ
2016/07/27 23:37
3
返信
1966年生まれ
太田 秀樹
決して暇ではありませんが、まとめてみました。
80年〜85年のオリジナルアルバムをリリース順に並べると。
ユーミン9枚、聖子12枚、どちらも二毛作状態!

1980年06月21日 時のないホテル(ユーミン)
1980年08月01日 SQUALL(聖子)
1980年12月01日 SURF&SNOW(ユーミン)
1980年12月01日 North Wind(聖子)
1981年05月21日 水の中のASIAへ(ユーミン)
1981年05月21日 Silhouette 〜シルエット〜(聖子)
1981年10月21日 風立ちぬ(聖子)
1981年11月01日 昨晩お会いしましょう(ユーミン)
1982年05月21日 Pineapple(聖子)
1982年06月21日 PEARL PIERCE(ユーミン)
1982年11月10日 Candy(聖子)
1983年02月21日 REINCARNATION(ユーミン)
1983年06月01日 ユートピア(聖子)
1983年12月01日 VOYAGER(ユーミン)
1983年12月10日 Canary(聖子)
1984年06月10日 Tinker Bell(聖子)
1984年12月01日 NO SIDE(ユーミン)
1984年12月08日 Windy Shadow(聖子)
1985年06月05日 The 9th Wave(聖子)
1985年08月15日 SOUND OF MY HEART(聖子)
1985年11月30日 DA・DI・DA(ユーミン)
2016/07/27 18:21
10
返信


カタリベ
1968年生まれ
親王塚 リカ
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