シングル女性の偉大な同志、赤裸々にリアルな女心を歌う大黒摩季
ここまで女性の気持ちを赤裸々に歌い上げるアーティストがいただろうか―― 大黒摩季の登場はそのくらい衝撃的だった。
1992年5月に「STOP MOTION」でデビューを果たし、同年9月の「DA・KA・RA」から怒濤のヒット。メディアに出ないことから「本当に実在するのか」とまで言われ続けてきた。
それがいつしか女子の間で “摩季ねぇ” の愛称で呼ばれるように。その呼び名の通り、姉御肌の頼れるお姉さん(キャラ)。特に初期のころの楽曲を歌う摩季ねぇは、当時も今もシングル女性たちにとって “痛みを分かち合い、共感できる” 偉大な同志だ。
なかでも3枚目のシングル「チョット」、4枚目の「別れましょう私から消えましょうあなたから」あたりの曲をパワフルに歌い上げるさまは、悲しい曲なのに清々しささえ感じさせる。ダメンズに引っかかりがちな女性たちにとっては心当たりありまくりの共感ソング。「チョット」のセリフ部分では、
こらえしょうのない やさ男
若気のいたりってあきらめよう
傷ついたなんて思わない
ありがとうなんて 絶対言わない
… とバッサリ恋の相手を切り捨てつつ、傷ついたなんて認めたくないし、感謝なんて絶対口にしない!! と強気に言い放つ。「いいぞ、いいぞ!!」と手を叩きたくなるじゃないですか。
「別れましょう~」は、タイトル通り。いつの間にやら、恋に冷め切った彼。便利な女に成り下がった自分を嘆きつつ…
別れましょう私から 消えましょうあなたから
嬉しいでしょう 明日から自由になれる
愛してる 私はね 傷付いてる 本当はね だけど…
冗談じゃない 同情のSex 見たくない バカな女
マイナスだらけの未来はいらない
こうしたリアルな歌詞を、抜群の歌声でロックに歌い上げる。「うぅ、心が痛い… でも格好いい!!」それが、我らが大黒摩季なのだ。
フクザツな女心の行間を伝える摩季ねぇの表現力
ただし、女性たちが摩季ねぇの曲に共感を覚えるのは歌詞のリアルさや力強さだけではない。
どの歌の主人公も一見、勝ち気で強いイメージに聞こえがちだが、実はそうじゃない。本当は強くなんてないのに、強がってみせる女性の姿に、私たちファンは心惹かれ共感を覚えるのだ。
ありきたりな言葉だけれど、“キミは強いから一人でも大丈夫” と男性に言われがちな女性こそ、本当は弱くて守ってほしいし、頼りたいと思っていたりするもの。でも強がりが邪魔をしてしまう… そんな繊細でフクザツな女心が、大黒摩季の曲には内包されている。
直接的に歌詞にはなくとも、そうした “行間を伝えてくれる歌の表現力” こそが、大黒摩季の最大の魅力だと思う。
ファンのパワーで会場が揺れる!? 一度行くと“やみつき”になるライブ
摩季ねぇといえば―― そう、ライブの話を書いておきたいと思う。
一度行くと “やみつき” になる。それが大黒摩季のライブだ。これまで何度も足を運んだが、とにかくステージで唄う摩季ねぇの格好良さには同性として惚れ惚れしてしまう。圧倒的な迫力と心に沁みる歌声。華奢な身体のどこに、こんな風にシャウトするパワーがあるのか… と感動する。
そして、特筆すべきは観客席の女性たちの熱量がハンパないということ。摩季ねぇがMCで「日頃の憂さを晴らして帰ってね」と語るや、会場の皆さん、日頃のストレスを大発散! そのエネルギーに焼き尽くされそう!! 日頃はどんなにロックなライブでも揺れない会場が、「地震か!?」と思うほど揺れるのデスよ。大黒摩季ファンのパワー、おそるべし。
毎日、社会で揉まれている女性たち、家庭で頑張ってる女性たち―― 本当にいろいろな闘いがあり、溜め込んでるものがあったりしてホント大変ですよね。
ハグしたくなる気持ちと、“同志がこんなにいるんだ” という想いが相まって、この光景を見ると胸が熱くなる。そして、みんなが摩季ねぇの曲を一緒に熱唱して踊っているうちに、キラキラしたイイ笑顔になっていく… 最高の光景。摩季ねぇの歌声、曲は、私たちに寄り添い力をくれるエネルギーの源なのだとライブに行くたび痛感する。
デビュー30周年! 全国ライブツアーを展開中!
今年2022年5月27日にはデビュー30周年を迎え、11月9日には30周年記念アルバム『BACK BEATs #30th Anniversary ーSPARKLEー』をリリース予定の摩季ねぇ。
数々の名曲たちが並ぶ3枚組というボリュームにワクワクする。摩季ねぇ自身もさまざまな経験を重ねてきた30年。これから生まれてくる楽曲たちも楽しみで仕方ない。
現在は全国ライブツアー中ということで、ぜひライブに足を運んで、実際にその楽しさを体感してほしい。エンターテイナー・大黒摩季の魅力と、大迫力の歌声に圧倒されるはずだ。
“やみつき” になること間違いなし!
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2022.09.03