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もはやAORではない、ポール・デイヴィスと振り返る絶頂期のアメリカ
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ポール・デイヴィスのシングル「恋人たちのメモリー('65 Love Affair)」がリリースされた時期
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photo:Discogs  

ポール・デイヴィスという米国人シンガーは、日本契約のないマイナーなレーベルに所属していたこともあって、当初(一部の全米TOP40オタクを除いて)全く知られていなかった。それが「アイ・ゴー・クレイジー」というヒット曲によって一躍有名になる。80年に発表された文藝賞受賞作品「なんとなく、クリスタル」で取り上げられたのだ。

この小説が、当時一橋の学生だった田中康夫のデビュー作で、一つの時代の空気を作ったことは皆さんも覚えているだろう。「アイ・ゴー・クレイジー」は小説の中でこんな風に出てくる。


――イッツ・イレヴン・トゥエニイセヴン。アンドゥ・ヒア・カムズ・ポール・デイヴィス。 

一九七八年のポール・デイヴィスのヒット曲、「アイ・ゴー・クレイジー」が、かかり始める。 

<アイ・ゴー・メランコリー、アイ・ゴー・グルーミーだわ>と思いながら、ベッドの下に落ちているセーラムの箱を拾い上げてみる。枕元にあったディスコのマッチで、火をつける。


今改めて読むと “こっぱずかしい” と言うか、何だか “田舎臭い” 感じもするが、それはともかく「アイ・ゴー・クレイジー」は小説だけでなく、映画「なんとなく、クリスタル」にも収録されたので、ポール・デイヴィスは(少なくとも日本では)AORの権化のような存在として認識されるようになっていった。

だからこそ、彼のもう1つのヒット曲「恋人たちのメモリー('65 Love Affair)」を初めて聴いた時にはぶったまげた。AORっぽさが全くないどころか、ドゥワップ・コーラスやハンドクラップに加えて、チアリーダーのかけ声やホイッスルまで入っていたのだ。これ以上 “能天気” な曲は聴いたことがないと思えるほどの底抜けに明るいメロディーは、それまでの彼のイメージを崩すには十分だった。

しかし、「昔遊んだ場所に仲間たちと一緒に戻りたい」と歌うこの曲は、米国が一番豊かで輝いていた時代、言い換えると、幼い頃の僕たちにとっての “イメージの中のアメリカ” を再現してくれていると思う。それに “65年” という時代設定は、まさに僕の生まれた年でもあり、何だかわからないけど懐かしさを感じてしまうのだった。


'65 Love Affair / Paul Davis
作詞・作曲:Paul Davis
プロデュース:Ed Seay・Paul Davis
発売:1982年2月


脚注:
■Paul Davis
「I Go Crazy」(1978年3月18日7位)
「'65 Love Affair」(1982年5月22日6位)

2016.09.13
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  YouTube / PaulDavisVEVO


  YouTube / Easy Lyrics
 

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1965年生まれ
goo_chan
このオリジナルのジャケットだったら、たぶんジャケ買いはしないので、愛聴盤になることもなかったと思います。「なんクリ」は理解できませんでしたが、ポール・デイビスは好きでしたね。
2016/10/12 21:01
5
返信
カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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