3月20日

これはRCサクセション史における正真正銘の貴重映像!80年代のtvkライブ映像を見逃すな

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テレビ神奈川「ファイティング80’s」RCサクセション ライブ収録日(日本電子工学院ホール)
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観ていて悶絶しそうになったレアなRCサクセション


これはRCサクセション史における正真正銘、貴重な映像。初めて観るライブ映像が多く、正直、驚いた。

そもそも筆者の1980年代はテレビ神奈川(tvk)を受信できる環境にはなかった。つまり、これらの映像を放映時、リアルタイムで観ていない。そんなテレビ番組があったことを知ったのは、もう少し後で、羨ましいなあ… と思っていたら、2003年に同局出演時のRCサクセションの映像を収めたDVD『ライブ帝国』3種がリリースされ、即時購入。これだけでも、かなり貴重な映像だと思っていた。

今回放映される番組は、ここからの抜粋だろうタカをくくっていた。ところが、今回の放映バージョンには、これらのDVDには収められていない映像がたっぷり含まれていたのだから、嬉しい驚き!なにしろこちらはテレビ放映時にどんな形態で放映され、彼らのライブがどれほどのボリュームだったのかなど知る由もない。DVD版こそすべてなのだろうと勝手に思い込んでいた。

1980年代のRCサクセションの変遷をたどるヒストリー


もう少し、詳しく解説を。今回放映される番組は、1980年の2度の出演分と、1981年、1982年、1987年、1988年の出演時の映像が含まれている。DVD版には、このうち1982年と1987年の映像は収録されていないのだから、確実にレア。その他の出演年の映像にしても、テレビ初放映以来となる未ソフト化のものもあり、観ていて悶絶しそうになった。

いずれにしても、1980年代のRCサクセションの変遷をたどるヒストリーとして見応えがあるのは間違いない。もっとも古い1980年3月の「よォーこそ」は、後にライブ盤『RHAPSODY』としてリリースされる久保講堂公演より前のもの。会場の日本電子工学院ホールは座席ありで観客もおとなしいものだったが、次の同年10月出演時にはスタンディングとなり、RCが上昇気流に乗っていたことも呼応して、オーディエンスのノリも激しくなってくる。ステージ上の清志郎のアクションも派手だし、5人からなるホーンセクション、ブルーデイ・ホーンズの参加によって音の厚みも増した。清志郎がオーディエンスとコール&レスポンスを繰り広げる “愛しあってるかい?” からの「スローバラード」はすでに貫禄十分。わずか7か月でピストルがマシンガンに進化したかのようだ。

圧巻の「キモちE」でのパフォーマンス


1981年はテレビ収録用の同ホールではなく、当時神奈川でもっとも収容人数が多かった横浜市文化体育館でのコンサートの模様。この辺からRCサクセションは戦闘機へと進化を遂げ、モンスター級のロックバンドとして驀進していく。振り返れば、この年は以後10年続くクリスマス恒例の武道館公演が開始された年で、この変化も当然といえば当然。清志郎だけでなく、各メンバーの見せ場をしっかり押さえているのがいい。圧巻の「キモちE」では、ソウルショーのような寸劇仕立てのパフォーマンスも楽しめる。

工学院ホールに戻っての1982年、この年のライブ映像はソフトリリースされていないので、それだけでも貴重だ。『BEAT POPS』ツアーでメンバー紹介ソングとなった「エリーゼのために」が放送されるのが嬉しい。そこから5年を経た1987年になると、メンバーのルックスも随分垢抜けた感がある。仲井戸麗市がボーカルをとる「GIBSON(CHABO'S BLUES)」は翌年リリースのアルバム『MARVY』収録曲なので、当時ここで聴けたファンが羨ましい。

“KING OF LIVE”こと、RCサクセションの凄み


ラストの1988年はコーラスに盟友、金子マリが参加。後にリリースされる『カバーズ』収録の「ラヴ・ミー・テンダー」もすでに披露されている。この頃になると清志郎もカメラ慣れしており、目の前のカメラにスプレーを吹きかけるイタズラも。そして、この汚れたカメラでとらえた映像が、また臨場感にあふれている。バンドと映像制作チームの息の合った “セッション” が、ここに極まった感がある。

通して観て思ったのは、RCサクセションのソウル志向の強さがよく出ているということ。ロックナンバーにしてもパンクっぽい曲でも、ブルース〜ソウルの粘っこい感覚が宿っていて、しっかりグルーヴしているのだ。音だけを聴いてもそれは明らかだが、ビジュアルとともに体験することでバンドの肉体性という説得力が宿る。ステージを飛び回り、シャウトする清志郎はもちろん、他のメンバーも汗まみれになりながら強力なグルーヴを推進する。貴重な映像はもちろん、“KING OF LIVE” こと、RCサクセションの凄みを感じる上で、これは見逃せない。

Information
tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s


▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:2025年6月22日(日)よる9時〜
▶︎ オンエア楽曲
♪ よォーこそ
♪ 雨あがりの夜空に
♪ トランジスタ・ラジオ
♪ スローバラード
♪ ガ・ガ・ガ・ガ・ガ
♪ ステップ!
♪ ダーリン・ミシン
♪ キモちE
♪ エリーゼのために
♪ つ・き・あ・い・た・い
♪ 君が僕を知ってる
♪ GIBSON(CHABO’S BLUES)
♪ MIDNIGHT BLUE
♪ ラヴ・ミー・テンダー
♪ ドカドカうるさいR&Rバンド

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2025.06.14
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カタリベ
1966年生まれ
ソウママナブ
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