クロスレビュー / tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s / vol.1
tvkに残されたRCサクセションの貴重な映像
これはRCサクセション史における正真正銘、貴重な映像。初めて観るライブ映像が多く、正直、驚いた。
そもそも筆者の1980年代はテレビ神奈川(tvk)を受信できる環境にはなかった。つまり、これらの映像を放映時、リアルタイムで観ていない。そんなテレビ番組があったことを知ったのはもう少し後で、羨ましいなあ…… と思っていたら、2003年に同局出演時のRCサクセションの映像を収めたDVD『ライブ帝国』3種がリリースされ、即時購入。これだけでも、かなり貴重な映像だと思っていた。
10月10日に歌謡ポップスチャンネルでアンコール放送される『tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s』は、ここからの抜粋だろうとタカをくくっていた。ところが、今回の放映バージョンには、これらのDVDには収められていない映像がたっぷり含まれていたのだから、嬉しい驚き!なにしろこちらはテレビ放映時にどんな形で構成され、彼らのライブがどれほどのボリュームだったのかなど知る由もない。DVD版こそすべてなのだろうと勝手に思い込んでいた。
1980年代のRCサクセションの変遷をたどる
もう少し詳しく解説を。今回放映される番組は、1980年の2度の出演分と、1981年、1982年、1987年、1988年の出演時の映像が含まれている。DVD版には、このうち1982年と1987年の映像は収録されていないのだから確実にレア。その他の出演年の映像にしても、テレビ初放映以来となる未ソフト化のものもあり、観ていて悶絶しそうになった。
いずれにしても、1980年代のRCサクセションの変遷をたどるヒストリーとして見応えがあるのは間違いない。最も古い1980年3月の「よォーこそ」は、後にライブアルバム『RHAPSODY』としてリリースされる久保講堂公演より前のもの。会場の日本電子工学院ホールは座席ありで観客もおとなしいものだったが、次の同年10月出演時にはスタンディングとなり、RCが上昇気流に乗っていたこともあって、オーディエンスのノリも激しくなってくる。ステージ上の清志郎のアクションも派手だし、5人からなるホーンセクション、ブルーデイ・ホーンズの参加によって音の厚みも増した。清志郎がオーディエンスとコール&レスポンスを繰り広げる “愛し合ってるかい?” からの「スローバラード」はすでに貫禄十分。わずか7か月でピストルがマシンガンに進化したかのようだ。
加速していくRCサクセションと圧巻のライブパフォーマンス
1981年はテレビ収録用の同ホールではなく、当時神奈川でもっとも収容人数が多かった横浜市文化体育館でのコンサートの模様。この辺からRCサクセションはさらに勢いを増し、モンスター級のロックバンドとして驀進していく。振り返れば、この年には以後10年続くクリスマス恒例の武道館公演がスタート。この変化も当然といえば当然。清志郎だけでなく、各メンバーの見せ場をしっかり押さえているのがいい。圧巻の「キモちE」では、ソウルショーのような寸劇仕立てのパフォーマンスも楽しめる。
工学院ホールに戻っての1982年、この年のライブ映像はソフトリリースされていないので、それだけでも貴重だ。『BEAT POPS』ツアーでメンバー紹介ソングとなった「エリーゼのために」が放送されるのが嬉しい。そこから5年を経た1987年になると、メンバーのルックスも随分垢抜けた感がある。仲井戸麗市がボーカルをとる「GIBSON(CHABO'S BLUES)」は翌年リリースのアルバム『MARVY』収録曲なので、当時ここで聴けたファンが羨ましい。
「キング・オブ・ライブ」RCサクセションの凄み
ラストの1988年はコーラスに盟友、金子マリが参加。後にリリースされる『カバーズ』収録の「ラヴ・ミー・テンダー」もすでに披露されている。この頃になると清志郎もカメラ慣れしており、目の前のカメラにスプレーを吹きかけるイタズラも。そして、この汚れたカメラで捉えた映像が、また臨場感にあふれている。バンドと映像制作チームの息の合ったセッションが、ここに極まった感がある。
通して観て思ったのは、RCサクセションのソウル志向の強さがよく出ているということ。ロックナンバーにしてもパンクっぽい曲でも、ブルース〜ソウルの粘っこい感覚が宿っていて、しっかりグルーヴしているのだ。音だけを聴いてもそれは明らかだが、ビジュアルとともに体験することで、バンドの肉体性がより大きな説得力を持って迫ってくる。ステージを飛び回り、シャウトする清志郎はもちろん、他のメンバーも汗まみれになりながら強力なグルーヴを推進する。貴重な映像はもちろん、《キング・オブ・ライブ》ことRCサクセションの凄みを感じる上で、これは見逃せない。
Information
tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s
▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:2026年10月10日(土)よる10時〜
▶︎ オンエア楽曲
♪ よォーこそ
♪ 雨あがりの夜空に
♪ トランジスタ・ラジオ
♪ スローバラード
♪ ガ・ガ・ガ・ガ・ガ
♪ ステップ!
♪ ダーリン・ミシン
♪ キモちE
♪ エリーゼのために
♪ つ・き・あ・い・た・い
♪ 君が僕を知ってる
♪ GIBSON(CHABO’S BLUES)
♪ MIDNIGHT BLUE
♪ ラヴ・ミー・テンダー
♪ ドカドカうるさいR&Rバンド
▶︎番組ページ:忌野清志郎 特集
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2026.10.07