1993年 3月24日

村田和人「HELLO AGAIN」夜景を見に来たカップルの足をも止めるライブの魅力!

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忘れられない、村田和人のロックな歌声と、笑顔と、朗らかなお喋り


2016年2月22日、村田和人さんは62歳の若さで旅立った。旅立つほんの1ヶ月前まで、精力的に全国津々浦々を回り、ステージに立っていた。

ライブの情景を一番思い出せるのは、村田和人さんかもしれない。彼のライブには随分行った。そして客席で一緒に歌っていた。1982年のデビュー当時から村田さんの曲はよく聴いていたが、わたしが彼のライブに行くようになったのは、2000年を過ぎてからだ。

当時、吉祥寺の『Star Pine’s Cafe』、代官山の『晴れたら空に豆まいて』、いまはもう閉店してしまった原宿の『Blue Jay Way』、新代田の『Boogie Stock』、そして武蔵小山の『Café Again』といった、東京近郊の客席とステージがほんとうに近いライブハウスやライブバーをメインに、名古屋や京都のステージにも足を運んでいた。

東京タワー内にある『Club333』で定期的に行っていたフリーライブにも足しげく通った。CDのボーナストラックに収録される若い時のライブ音源でも力強い声だったが、2000年代以降、ライブでの歌声がより太く逞しくなっていったのが印象深い。東京タワーでは夜景を見に来たカップルにも足を止めさせる、彼のロックな歌声と、笑顔と、朗らかなお喋りを今でも思い出す。

「村田のライブは法事だから」とライブのMCで冗談ぽく語り、ステージと観客を一体化してみんなで楽しく歌ったり、そこに集まったファンにも非常にフレンドリーにお話する方だった。村田バンドのドラマーでもある向山テツさんのお店 『Boogie Stock』でライブがはねた後、須磨海岸とFM802の話で盛り上がったのは一生の想い出だ。

縁があるミュージシャンによって行われた「ステイ・ザ・村田〜村田和人トリビュートライブ」




海と空と波がとっても似合う、太陽のようなひとだった。村田さんが旅立ってからひと月後の2016年3月19日、FM COCOLO『KANと要のWabi-Sabiナイト』で、ゲストの杉真理さんも含めた御三方によるトークで村田さんを追悼し、彼の人柄、ライブの様子など諸々の話の花が咲いた。根本要さんが村田さんの真似をする一幕もあり、太陽のような彼を送るのに相応しい明るい時間だった。

その2か月ほど後の2016年5月31日、村田さん自身も何回もライブを行った吉祥寺『Star Pine’s Cafe』にて、村田バンド、伊藤銀次さん、斉藤哲夫さん、斎藤誠さん、杉真理さん、杉山清貴さん、鈴木雄大さん、根本要さん、そして山田稔明さん… といった縁のある多くのミュージシャンによって、『ステイ・ザ・村田』と題したトリビュートライブが行われた。ぎっしり満員のオールスタンディングの観客。この日は本当に言葉にならなかった。彼の作品を好きになって良かったと心から感じた夜だった。

明るさとセンチメンタリズムが同居する「Hello Again」


さて、今回は “追悼" として村田さんの楽曲を1曲選んだ。湿っぽくなく、村田さんのことを想える歌、として1993年発売のアルバム『HELLO AGAIN』のタイトルトラックでもある「HELLO AGAIN」を紹介する。先述した2016年5月末のトリビュートライブでは、斎藤誠さんが歌唱した。



明るさとセンチメンタリズムが同居する、“村田節” ともいえるポップなメロディを歌う村田さんは発表時39歳。安藤芳彦さんが描く詞は、村田さん自身のような音楽好きの男性を主人公に、少し若かった頃を思い出す物語のようだ。音楽家が歌う音楽家の恋の歌である。歌の本編が終っても続くコーラスは、ずっと聴いていたい村田さんと山下達郎さんの名作コーラスのひとつだ。聴いているとその10年前、1983年発売のアルバム『ひとかけらの夏』収録の「So Long, Mrs.」を想い起こさせる。

 Say Hello and Say Goodbye
 With Love With Regret

今もカバーされる「一本の音楽」


最後に、村田さんの名言を紹介する。

「ライブは見れるときに見ておこう、行けるときに行っておこう」

そう言いながら、ご本人はずいぶん早く旅立ってしまった。旅立ってから数年の間、村田さんに縁があったミュージシャンのライブで時々電気系統のトラブルが発生し、「村田さんが来てるのかな」と冗談めかして言うシーンに何回も遭遇したものだ。そういえば、村田さんのご実家は中延の電気工事屋さんだった。

いまでも、村田さんと仲が良かったミュージシャンたちは、村田さんのヒット曲「一本の音楽」をライブでカバーしている。村田さんをまるで、この場所に天国から呼んでいるようなステージを、わたしは楽しませてもらっている。


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2024.02.22
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カタリベ
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