ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞が賛否両論を巻き起こしています。ノーベル賞にも文学にも自身の知識が乏しすぎるため、賛否を論じるつもりは全くありません。ただ、この受賞が賛否両論を巻き起こし、議論が白熱している様子に、何故だかふと、「ウィ・アー・ザ・ワールド」が頭の中に流れてきました。
この曲がリリースされたのは1985年なので、そのころ私は小学校5年生。この曲がチャリティソングだとか和訳の歌詞の意味だとか知りもしなかったのですが、言葉では伝えられない感情がウヮッと湧き出てきた記憶があります。何度も何度も聴いてきましたが、改めて聴いてみても、飽きることなく心が動かされます。
作詞・作曲はマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが共作で行い、プロデュースはクインシー・ジョーンズ、参加アーティストは、ライオネル・リッチー、スティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモン、ケニー・ロジャース他、アメリカを代表する45名のスーパースターたちが共演しているのは周知の通り。
それぞれに割り振られたワンフレーズを、それぞれのプライドをかけた自己ベストで歌い上げているのでしょうから、当然クオリティは高いはずです。が、洋楽にほぼなじみがなく、アーティストの予備知識もない10歳の子供が感動したのですから、全世界で955万枚の売上げといった数字の裏付けなどは関係なく、自分にとって史上最高の名曲だと思っています。
東日本大震災の後、さまざまなアーティストが復興支援としてチャリティソングを発表しました。もちろんこうした曲に元気づけられた方もたくさんいると思いますが、被災地からは、坂本九 「上を向いて歩こう」、ドリームズ・カム・トゥルー「何度でも」、今井美樹「PRIDE」など、過去に歌われた曲へのリクエストが増え、励まされた、生きる希望が湧いたという声も多く聞かれています。
何が言いたいか、というと「ウィ・アー・ザ・ワールド」は、チャリティソングという前に、好みや年代や国を超えて、人の感情を揺さぶり続ける名曲だったということ。チャリティソングではないけれど「上を向いて歩こう」も同様。ボブ・ディランもその詩が文学なのか、文学として優れているかの前に、人々の心を動かし続けてたことは間違いない。
そういえば、最近(特にネットで情報を得られるようになってから)、純粋に心にガツン!とくる音楽に出会えてないなぁ。
2016.10.24
YouTube / BISsama