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80s音楽にビジネスを学ぶ:ウィアーザワールドと多様性マネジメント 前篇

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80年代洋楽にビジネスを学ぶ「ウィ・アー・ザ・ワールド」と多様性マネジメント

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photo:hitparade.ch  

僕は以前『問題解決』というタイトルのビジネス学習本を出したことがあるのだが、先日、それを知った本サイトのファウンダーの太田秀樹さんから「80年代の音楽を題材にビジネスの問題解決について書いてみたら?」というオファーを戴いた。そこで、せっかくの機会なので、これから時々書いてみることにした。

ということで、初回はUSAフォー・アフリカの「ウィ・アー・ザ・ワールド」を題材にして、2回に分けてお送りしたい。ご存知のようにこの曲は、バンド・エイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」を引き継ぐ形で制作された。だが、この2曲のメイキング映像を観ると、両者の間には大きな隔たりがあることが判る。スタジオの雰囲気が全く違うのだ。

まず、バンド・エイドの映像には殆ど20~30代の白人男性しか映っていない。しかもスコットランド出身のミッジ・ユーロ(ウルトラヴォックス)、アイルランド出身のボブ・ゲルドフ(ザ・ブームタウン・ラッツ)とボノ(U2)を除く殆どがイングランド出身だ。それでいて、どことなく刺々しく、殺伐とした空気感が伝わってくる。

一方のUSAフォー・アフリカは、参加メンバーが老若男女白黒混合と非常に多様性が高い。にも関わらず、現場には和気藹々とした雰囲気があり、バンド・エイドよりはるかにオーガナイズされている感じがする。しかし、よく考えてみるとちょっと不思議だ。一般的に、多様性が高くなればなるほど、場を取りまとめるのが難しくなるものである。では、なぜ「ウィ・アー・ザ・ワールド」は、あれほどのスター達が短時間でつつがなくレコーディングを終わらせることができたのか…… それには、主に4つの理由が考えられる。

① 共通言語が存在している
文化的背景の異なるメンバーの間では「あうんの呼吸」が期待できないので、きちんと言語を使ってコミュニケーションを行う必要がある。だが、ここで言語と言っているのは、英語だけの話ではない。

どんな曲を歌うかを知らないで駆けつけたメンバーが、すぐにレコーディングに入っていけたのは、楽譜という世界標準のコミュニケーションツールが存在したからで、これこそが共通言語であると言える。もちろん、音楽に限らずビジネスの世界にも多くの共通言語が存在するが、日本に浸透していないことも多いので要注意だ。

さて、今回はこの辺にして、続きは明日の後篇で。


We Are The World / USA For Africa
作詞・作曲:Michael Jackson, Lionel Richie
プロデュース:Quincy Jones, Michael Omartian
発売日:1985年3月7日(85年4月13日1位)


脚注:
「Do They Know It‘s Christmas?」(85年1月19日 13位)


2017.01.13
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  YouTube / USAforAfricaVEVO
 

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カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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