1995年 10月2日

オアシス来日公演直前 ① 東京ドーム2デイズを即完させるバンドの魅力とは何なのか?

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オアシスのセカンドアルバム『モーニング・グローリー』
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スリー・ストーリーズ by Re:minder
オアシス来日公演直前 ① 東京ドーム2デイズを即完させるバンドの魅力とは何なのか?

再結成したオアシスの来日公演が目前に迫っている。東京ドーム2デイズを即日完売── その事実だけでも期待の大きさが伝わってくる。1990年代に青春を過ごしたリアルタイムの世代が懐かしんでいるだけではなく、彼らを知らない世代までもがオアシスに熱狂しているのだ。だからこそ、Re:minderでは3話にわたってオアシスの魅力を紹介! 第1話となる今回は、デビューからセカンドアルバム『モーニング・グローリー』まで── 黄金期の疾走を振り返ってみたい。

英国で大ヒットしたデビューアルバム「オアシス」


1994年、オアシスはクリエイション・レコーズからシングル「スーパーソニック」でデビューを果たした。歪んだギターとサイケなメロディー。決して斬新ではないが、当時のインディーロックの主流とは違う、生々しいロックの勢いがあった。そう、英国ロックシーンが新しい方向へ舵を切った瞬間だった。

同年、デビューアルバム『オアシス』(Definitely Maybe)がリリースされる。アルバム1曲目の「ロックンロール・スター」で、“今夜、俺はロックンロール・スターだ” と高らかに叫ぶ。インディーロック特有の内省的な空気を吹き飛ばし、労働者階級の若者がロックで成り上がるというパンクな姿勢を見せつけた。アルバムは英国で大ヒット。一度聴いたら忘れられないメロディーが並び、ノエル・ギャラガーの才能は疑いようのないものとなった。



「モーニング・グローリー」はデビューアルバムを凌駕する出来栄え


勢いそのままに、彼らはシングル「ホワットエヴァー」を発表する。美しいストリングスに彩られ、ビートルズを思わせる壮大な楽曲。デビュー作の粗さは消え去り、ノエルのソングライティングは完全に本物だと証明されこの曲で次のアルバムは必ずや傑作になることを確信させた。そして翌1995年、待望のセカンドアルバム『モーニング・グローリー』((What’s The Story)Morning Glory?)がリリースされる。発売直後から英国・ヨーロッパで爆発的にヒットし、アメリカでも「ワンダーウォール」のシングルヒットの後押しにより、アルバムも大ヒットとなった。

アルバムは名曲で埋め尽くされ、メロディーの分かりやすさはデビューアルバムをも凌駕する出来栄えだ。名曲「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」は2017年、マンチェスターでのテロ追悼集会で自然発生的な大合唱が起き、国民的ソングへと昇華した。ノエルの才能が世界を塗り替えたことを証明する作品── それが『モーニング・グローリー』だった。



ネブワース・パークでの伝説の大合唱


そして1996年8月。ネブワース・パークでの2日間のライブに25万人を動員した。チケット購入希望の応募総数は約250万人で、英国人口の2%にあたる人々がチケットを求めたことになる。会場全体が「ワンダーウォール」や「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を大合唱し、観客の声がバンドの音を飲み込むほどの熱狂に包まれた。

メディアはこぞって “国民的バンド” と報じ、オアシスのライブ=大合唱というイメージが決定づけられた。ネブワース・パークでのライブはオアシスが “俺たちのバンド” であることを可視化した歴史的瞬間だった。オアシスはこれ以降、ライブにおいて観客に積極的に大合唱を促すようになり、その一体感と多幸感は彼らのライブ体験を特別なものとさせた。

デビューから『モーニング・グローリー』までの楽曲は、どれもシンガロング必至の名曲ばかり。再結成ツアーの海外公演でも、すでに観客の大合唱が巻き起こっているという。きっと、東京ドームでも同じ体験を我々はすることになるだろう。バンドの演奏に負けない声で歌い、オアシスの復活を祝おうではないか!


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2025.10.22
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カタリベ
1972年生まれ
岡田ヒロシ
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