杏里のコンサートツアー『ANRI LIVE 2025 TIMELY!!』の東京公演が、2025年10月17日、東京国際フォーラム ホールAにて開催された。7月5日からウエスタ川越 大ホールを皮切りに始まった本ツアーだが、ほぼ全公演のチケットがSOLD OUT。当然、東京公演の5,000席も即完売となる盛況ぶりであった。
「BOOGIE WOOGIE MAINLAND」からスタート バックドロップには摩天楼が映し出され、ステージにはバーカウンターが設置されている。3人のコーラスが登場すると、1988年のヒットナンバー「BOOGIE WOOGIE MAINLAND」からスタート。待ち構えていた多くのファンの前でも、杏里のライブパフォーマンスは気負うことなくとてもカジュアル。1980年代から変わることのない杏里ならではのスタイルだ。
本ツアーはタイトル通り1983年12月1日に発売され、Spotifyでは世界中で2億回以上再生されているアルバム『TIMELY‼』を中心に選曲されており、当時を知るファンだけでなく、20代の若者や外国人の姿も多く見受けられた。人気曲「Remember Summer Days」など立て続けに4曲を披露したあと、トークコーナーへ。以前から『TIMELY‼』のナンバーを歌うコンサートの構想はあったそうだが、今回、まさに “TIMELY‼” なタイミングでの開催となったと、喜びの気持ちを交えながら語る杏里。
「缶ビールとデニムシャツ」で会場は総立ちに 続いてステージはバラードコーナーへ。杏里のレパートリーの中でも特に人気の3曲が披露された。1980年代、杏里はよく結婚式で歌を歌ってほしいと頼まれることが多かったそうだが、「オリビアを聴きながら」をリクエストされることも結構あったそうだ。しかし、この曲は失恋ソングなので、結婚式で歌うのは抵抗があったそう。しかし「SUMMER CANDLES」(1988年)というラブソングが生まれたことで、ようやく結婚式で胸を張って歌えるようになったという。
そしてステージは、昨今の杏里ブームの火付け役となった「Last Summer Whisper」へ。この曲はアルバム『Heaven Beach』(1982年)に収録された1曲で、Spotifyでは5,000万回以上も再生されている人気曲だ。続く「缶ビールとデニムシャツ」(1993年)で会場は総立ちに。この曲でリズムを取る外国人ファンの姿が印象的だった。
VIDEO
サプライズゲストは角松敏生 バンドのインストコーナーの後には、東京公演のサプライズゲストである角松敏生が登場。印象的なギターのカッティングと共に角松にライトが当たると、会場のあちこちから大きな声援が湧き、会場は興奮のるつぼに。角松がプロデュースを手がけた『TIMELY‼』から2曲披露されると、2人のトークコーナーへ。
杏里と角松のステージでの共演は、2003年10月11日にパシフィコ横浜で開催した杏里の25周年ライブ『ANRI ONE NIGHT SPECIAL CONCERT~R134 OCEAN DeLIGHTS〜』。そして、同11月15日に横浜アリーナで開催した角松の20周年公演「TOSHIKI KADOMATSU Performance 20th Anniversary “Revenge”」にそれぞれがゲスト出演して以来、22年ぶりだという。
旧友との再会を懐かしむようなトークでは、角松が杏里のプロジェクトに関わるようになった経緯を話し出す一幕も。当時の事務所の社長から、杏里にヒット曲を書いてほしいと依頼されたが、ヒット曲は書けないのでアルバム1枚全曲プロデュースさせてほしいと角松自ら申し出たのがアルバム『TIMELY‼』だったのだとか。2人は以前から “一緒に何かをやりたいね” と話していたそうだが、現在、角松自身もツアー中ということで、翌日には仙台公演を控えていた。しかし、国際フォーラムは東京駅から近いし、終電まで時間もあるのでということで(笑)、サプライズで出演することになったのだとか。
そして、ステージは2人のデュエットコーナーへ。角松がプロデュースした人気のバラード曲「I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME」(1984年)をしっとりと歌い上げた。今回、角松は3曲のみの参加ではあったが、昨今の杏里ブームの立役者でもある彼の登場は、大袈裟に言えば歴史的一幕と呼べる瞬間だったかもしれない。
クライマックスは「悲しみがとまらない」 角松登場の余韻を残したまま、ステージは後半戦に突入。1984年に杏里自身がCMに出演したことも話題になったヒットシングル「気ままにREFLECTION」からスタート。『TIMELY‼』からの曲も交えつつ、ヒットメドレーのような選曲に、ファンの興奮は「悲しみがとまらない」(1983年)でクライマックスを迎えた。そして本編の最後はデビュー曲であり、日本のスタンダードナンバーと言っても過言ではない「オリビアを聴きながら」でいったん終了。
アンコールの1曲目は、ダンサーやコーラスを従えて華やかに「CAT'S EYE」(1983年)でスタートし、ラストを飾ったのは『TIMELY‼』より「GOOD-NIGHT FOR YOU」。眠る前の恋人への想いを歌った曲だが、ステージの上で歌われたこの名バラードは、まるで杏里からファンへのメッセージのように会場中に響き渡っていた。
衰えることを知らない杏里の歌声 今回のステージでは、ほぼレコードやCDのオリジナルアレンジで演奏されていたが、何と言っても驚きだったのは、オリジナルキーでのびやかに歌う杏里の歌声そのものであった。すでに40数年のキャリアを持つ彼女だが、衰えることを知らないその歌声は、おそらく日々のたゆまない努力で維持されているのだろう。
コンサート終盤のトークでは “47周年ですが、まだまだ音楽を続けていきたい” と、かみしめるように語り、さらには “歌って歌って歌って、歌い続けます!” と、高市総理の名言のごとく、高らかに宣言した杏里であった。メンバー紹介の後は、写真家のレスリー・キーが壇上に現れ、5,000人のファンを前に集合写真を撮影し、東京公演は大盛況のまま幕を閉じた。
Information
ANRI LIVE 2026 U.S.A Timely!! 来年5月にロサンゼルスとニューヨークでの公演が決定!ロサンゼルスはかつてローリング・ストーンズやマドンナが公演を行った『The Wiltern』。ニューヨークはチャック・ベリーやバディ・ホリーが公演を行った『Brooklyn Paramount』と、両都市とも歴史ある会場での開催です。
VIDEO ▶ 5月17日(日)
New York Brooklyn Paramount
開場:19:00 / 開演:20:00
▶ 5月20日(水)
Los Angeles The Wiltern
開場:19:00 / 開演:20:00
▶ チケットリンク
https://www.ticketmaster.com/anri-tickets/artist/723990
▶ 杏里の記事一覧はこちら!
2025.12.12