7月1日

ハウンド・ドッグのアルバム曲「Jのバラード」ファンの間で大人気!

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ハウンド・ドッグのアルバム「BRASH BOY」がリリースされた日(Jのバラード 収録)
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新型コロナウイルスとハウンド・ドッグ…


皆さんは2020年3月の事件を覚えているでしょうか。それは新型コロナウイルスのニュースが世間を騒がせるさなかに起きました。愛知県蒲郡市で新型コロナウイルスに感染し、自宅待機指示の出ていた50代男性が、「ウイルスをまく」と言って外出し、カラオケパブの女性従業員にウイルスを感染させたという事件です。この男性がカラオケパブで歌った曲がハウンド・ドッグの「Jのバラード」でした。

男性が「Jのバラード」を歌う文春オンラインの動画が、一部のワイドショーでも取り上げられ、ハウンド・ドッグと迷惑男性はセットで放送されました。当然ですが曲を解説するコメンテータなどおらず、ファンに愛されたこの曲が興味本位に報道されたのは残念に思います。ある番組で「ハウンド・ドッグもいい迷惑ですね」とのコメントもありましたが、まさにその通りで、ファンは複雑な心境だったはずです。そこで今回は「Jのバラード」を取り上げてみたいと思います。

ファンの間で大人気、アルバム曲「Jのバラード」


「Jのバラード」は1983年発売のアルバム『BRASH BOY』に収録されました。シングルカットされてませんので、ハウンド・ドッグファン以外にはなじみのない曲です。しかしファンの間では人気の曲で、多くのライブツアーで歌われています。通常はライブの中盤に歌われることが多いのですが、ファン投票を参考にセットリストを決めた、30周年の『30th Anniversary HOUND DOG BIRTHDAY LIVE』ではラストを飾る曲として歌われました。

 Oh! Marie 瞳閉じて
 覚えているかい あの頃を
 傷ついても 俺を信じてくれた
 なけなしの愛で夢をかったよ
 おまえだけが ささえてくれた
 もう迷いはしないぜ
 いつまでも おまえだけを
 この腕を広げて
 守りたいのさ 抱きしめてあげよう

大人になった今改めて歌詞を見ると、あまりの青臭さに照れてしまいます。ひたすら愛を叫ぶシンプルな歌詞、でもライブに来たファンはこの曲の演奏を心待ちにしていました。あるライブでは歌の途中で涙する少女たちがいて、となりの席にいた自分がもらい泣きしました。ハウンド・ドッグファン同士の結婚式では、披露宴のキャンドルサービスに使われることもあったと聞いています。

大友康平のパワフルなボーカル、ライブはとにかく音がデカい!


アルバム『BRASH BOY』がリリースされた1983年はハウンド・ドッグにとっても微妙な年でした。1980年のデビュー曲「嵐の金曜日」はラジオなどでそこそこ話題になったものの、1982年のカネボウ化粧品CMソング「浮気な、パレット・キャット」もヒットチャートをにぎわすには至りませんでした。シングルのリリースも1983年は「STILL!」のみ、この間に初期のメンバーが脱退するなど、このまま解散してしまうのではと思った時期もありました。

しかしライブの盛り上がりは音楽雑誌を中心に伝えられてました。ハウンド・ドッグのライブはとにかく音がデカいのです。大友康平のパワフルなボーカルと、強力なビートの影響で、ライブ後の耳鳴りが翌日も続いたものです。

ハウンド・ドッグが歌う曲は「No More Rock ’n Roll(ロックンロールはもうたくさん)」「だから大好き、ロックンロール」など、ロックンロールを熱愛する曲と、若い世代のひたむきな恋愛観を歌った曲が多く、当時の若者ファンを大いに熱狂させました。

1985年「ff(フォルティシモ)」が大ヒット、バラードだって名曲揃い


そして1985年発売された曲が「ff(フォルティシモ)」、日清カップヌードルのCMタイアップもあり大ヒットになります。ミュージックビデオでは、ファンがこぶしを振り上げて歩く姿が話題になりました。ライブも「ff(フォルティシモ)」の演奏中は、ひたすらこぶしを振り上げるスタイルになり、その熱狂ぶりが多くのロックライブに影響を与えました。このスタイルは、ハウンド・ドッグがきっかけだったとも言われています。

このようにアップテンポでノリの良い曲が多いハウンド・ドッグですが、バラードも名曲が多いのです。「Jのバラード」はもちろんですが、デビュー曲の「嵐の金曜日」「涙のBirthday」「ONLY LOVE」「ラストシーン」などのラブバラードは陶酔してしまいます。

ハウンド・ドッグは2020年にデビュー40周年を迎えました。これを記念した『HOUND DOG 40th Anniversary Live 2020 First Finale』は新型コロナウイルス感染対策の影響で延期になりましたが、64歳の大友康平のロック魂はまだまだ健在のようです。延期されたライブは2021年5月に開催される予定ですが、もしチケットが入手できたら「Jのバラード」が演奏されることを期待して足を運んでみようと思います。

2020.08.16
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カタリベ
1960年生まれ
工藤 大登
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