まさしく、曲を絶え間なく繋げスピンするDJを思わせるタイトルの本作は、当時のディスコシーンの輪郭をリアルに浮かび上がらせながら、シティポップにも通じるアーバンな雰囲気を醸し出す内容になっている。特筆すべきは、オープニングの「ダンシング・ヒーロー」からノンストップで畳み掛けるようなディスコビートの連打だ。当時のヒットメイカーNOBODYが作曲を手がけた「Dance Beatは夜明けまで」と「フラミンゴ in パラダイス」。
収録曲のひとつでオリコン最高7位を記録した「フラミンゴ in パラダイス」にしても、80年代前半までのシティポップ的な世界観を継承しながら、まさしく売野雅勇ワールドともいえる哀愁のある日本語のリリックを際立たせている。同じく哀愁系の「六本木純情派」にしても歌詞に潜むドラマ性を最大限に引き出している。また、アルバムタイトルを引用した「NONSTOP DANCER」が荻野目の声質を最大限に活かしたミディアムテンポのティーンポップであることからも、このアルバムの多様性が伺える。
現在もシンガーとして、着実にキャリアを重ねる荻野目洋子だが、来年の1月には兵庫・大阪・京都にて『40th Anniversary - 荻野目洋子 SPECIAL LIVE 2025』の開催が決定。「ダンシング・ヒーロー」や「六本木純情派」など、当時のヒット曲を中心としたセットリストが展開されるという。10代でシンガーとしてのスタンスを見出し、アップデートを重ね続ける現在の荻野目洋子を堪能して欲しい。