9月23日

聖子だ、明菜だ、キョンキョンだ!80年代アイドル秋うたベスト10

46
0
 
 この日何の日? 
南野陽子のシングル「秋のIndication」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1987年のコラム 
PERSONZに励まされた大学受験、自由なラッキースターはネバーサレンダー!

レピッシュ − もし1987年にピンポイントで戻ってすぐ帰って来られるなら

高村光太郎? 梶井基次郎? 米津玄師? 私は断然 PSY・S のレモン!

マイケル・ハッチェンス(INXS)はシド・ヴィシャスの轍を踏んだのか?

全盛期を代表する「秋のIndication」南野陽子はロングヘアーをばっさりカット!

KAGUYA姫降臨!歌う東宝シンデレラ、沢口靖子の不思議な魅力

もっとみる≫




アイドルヒットソングの “秋うた” は、センチメンタルな佳曲がたくさん!


アイドルソングには季節感がつきもの。四季折々がテーマにされた曲のコンセプトはアイドルの歌に最も顕著かもしれない。新人のデビューシーズンであり卒業に因んだ曲も多い春、眩しい太陽の下で思いきり弾ける夏、そのあとに訪れる秋には、誰もが感傷的な気分に浸るような、センチメンタルな佳曲がたくさんある。

思いつくままに挙げていくと、すぐに20曲ほどになってしまい、そこから絞っていくとどうしてもメジャーな曲が中心となる…。

マニアックな掘り出し物は別の機会に譲るとして、80年代アイドルのヒットソングによる秋うたベスト10。原則1人につき1曲としたので、「それじゃない、こっちだろ!」というご意見も多々あることだろうが、そこはひとつお赦しのほど。

第10位:ごめんねDarling / 岩崎良美


1981年9月5日リリース。
1980年2月に「赤と黒」でデビューし、新たなアイドル時代の幕開けに貢献した岩崎良美の7枚目のシングル。松田聖子や田原俊彦らの精鋭が顔を揃えた80年デビュー組きっての実力派であった。

この曲は特に秋の描写はないものの、快活なメロディと歌唱を聴いていると、ようやく涼しくなった爽やかな秋の光景が思い浮かぶ。とにかく歌の巧さが際立つ作品。以降も多くのアイドルに楽曲を書き下ろしてゆくシンガーソングライター・尾崎亜美の初期の提供作のひとつだった。

第9位:ひとり街角 / 小泉今日子




1982年9月21日リリース。
作詞:三浦徳子、作曲:馬飼野康二、編曲:竜崎孝路。シングル3作目にして、待ち望まれた初のオリジナルソングが登場。デビュー曲「私の16才」を踏襲するようなリズミカルな曲調で、揺れ動く少女の心情が歌われている。

当初のタイトルは「揺れる街角」の予定であったという。この曲でノミネートされ、銀座音楽祭、新宿音楽祭の金賞、日本歌謡大賞の放送音楽新人賞、FNS歌謡祭の優秀新人賞と、各大会で新人賞を受賞した。その後の脱アイドル路線も素敵だが、いかにもアイドル然とした初期型キョンキョンもなんともいえない魅力がある。

第8位:花梨 / 柏原芳恵


1982年10月1日リリース。
前年の秋に出された「ハロー・グッバイ」のカヴァーヒットでトップアイドルとなり、少し後輩になる82年組と並ぶ活躍を見せた。

デビュー3年目となるこの年、細野晴臣が作曲した企画盤「しあわせ音頭」、Kとブルンネンのカヴァー「あの場所から」に続いて出された12枚目のシングルだった。山口百恵に「いい日旅立ち」を提供した谷村新司の作詞・作曲によるしっとりしたナンバーで、アイドルから大人の歌手へのアプローチが見受けられる。それまでの芸名 “柏原よしえ” が、本作のリリースを機に “柏原芳恵” に改められた。


第7位:ラッキィ・リップス / 早見優




1983年9月21日リリース。
デビュー曲以来の資生堂「バスボン ヘアコロンシャンプー・リンス」CMソング。「夏色のナンシー」から3作連続で筒美京平が作曲を担当し、すべてベストテン入りを果たした。『第9回あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭』金賞受賞のほか、『第14回日本歌謡大賞』放送音楽賞にもこの曲でノミネートされた。

スローな導入部から次第に活気を呈してゆく大村雅朗のアレンジは、当時事務所の先輩だった松田聖子の楽曲を彷彿させる。夏から秋へと移ろいゆく季節感が存分に織り込まれた佳曲だ。

第6位:夕暮れ気分 / 堀ちえみ


1983年10月5日リリース。
デビュー2年目の秋に放たれたセンチメンタルな佳曲。「夏色のダイアリー」「青い夏のエピローグ」とストレートな夏うたが続いた後、秋を迎えて出された通算8枚目のシングル。

NSP(ニュー・サディスティック・ピンク)のリーダー兼ヴォーカルとして活躍した天野滋が作曲を手がけている。清水信之の名アレンジもあり、ファンの間でも人気の高い一曲である。レコード大賞でゴールデン・アイドル賞を受賞した際の対象曲であった。最近ではオアシズの大久保さんがまるで自分の持ち歌のようにたびたび披露している(笑)。

第5位:瞳はダイアモンド / 松田聖子




1983年10月28日リリース。
デビューの年は「風は秋色」、2年目は「風立ちぬ」、3年目には「野ばらのエチュード」と、松田聖子は明確に秋うたを発表していた。そして4年目の秋、優しく情緒に満ちた傑作が誕生した。

作曲したユーミン自身も2003年のアルバム『FACES』でセルフカバーしている。カップリングの「蒼いフォトグラフ」もドラマ『青が散る』の主題歌として人気を呼び、レコードは途中から両A面扱いとなった。既にアイドルの枠組みには収まりきれない実力と存在感に圧倒させられる。錚々たるソングライター陣に支えられたアルバムにも名曲がいっぱい。

第4位:涙の茉莉花LOVE / 河合その子


1985年9月1日リリース。
おニャン子クラブから逸早くソロデビューした彼女の最初のシングル。メンバーの中では “すこしお姉さん” であったこと、夏の終わりのデビューということもあっての曲調であったろう。出だしからしばらく抑えめに歌われた後、サビで一気に張りを利かせた歌声に惹かれる。美少女は声も美しい。作詞の "T2" は、ディレクターだった稲葉竜文と作曲もした後藤次利の共同ペンネームだった。

第3位:もう逢えないかもしれない / 菊池桃子




1985年9月26日リリース。
菊池桃子の歌は完全に林哲司の曲とセットになっていて、それ以外は考えづらいほど。繊細で洗練された林のメロディと、なんとも儚い菊池の歌声の相性が抜群過ぎるのだ。夏のうたでさえせつなさ全開なのだから、秋はなおさら。

この曲も控えめな菊池のキャラクターと相まって胸が締めつけられる。彼女のシングル曲で康珍化が作詞を担当したのはこれが唯一というのは意外である。江崎グリコ「ポッキー」のCMに使用され、廃線された駅跡に佇む姿が印象的。

翌86年の「Say Yes!」も勇気付けてくれる秋の歌として貴重な存在だが、そのカップリング曲だった「18歳の秋」にもせつなさが溢れている。

第2位:SOLITUDE / 中森明菜




1985年10月9日リリース。
「SAND BEIGE -砂漠へ-」に続いてリリースされたシングル。堂々の歌いっぷりで、一作ごとに円熟味と存在感を深めていた。アルバム『D404ME』にそれぞれ作品を提供していた湯川れい子とタケカワユキヒデが、彼女に向けた作品では初のタッグを組んだ作品は詞も曲も極めて都会的。クールで大人っぽい秋うたの傑作が生まれた。

第1位:秋のIndication / 南野陽子


1987年9月23日リリース。
秋の定番、本人も出演した江崎グリコ「セシルチョコレート」のCMソングに起用されて本人も出演した。通算9枚目のシングルで、「楽園のDoor」から続いて4曲連続のチャート1位を達成している。

起伏の激しいメロディを繰り返した後、2番でようやくサビに辿り着く曲の構成は南野自身のアイディアであったという。デビューからずっとアレンジを担当してきた萩田光雄が作曲も手がけており、かつて日本でのカンツォーネ・ブームを牽引した曲のひとつ、ウィルマ・ゴイクの「花のささやき(In un fiore)」をイメージして作られたそうだ。


―― 季節感に満ちたレパートリーが多い松田聖子などは、一人だけで充分に四季それぞれのベスト10が組めてしまいそう。実際にそういったコンピレーションアルバムも出されているわけで。

季節を感じさせてくれる歌は、情緒を重んずる日本人にとって大切なアイテムである。中でも、普段は笑顔のイメージが強いアイドルが、愁いのある表情を見せてくれるのが “秋うた”。芸術の秋に聴く音楽はジャズやクラシックも良いけれど、アイドルもまたいい。秋の夜長にアイドルポップスを。

▶ 南野陽子のコラム一覧はこちら!



2022.09.17
46
  Spotify
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1965年生まれ
鈴木啓之
コラムリスト≫
34
1
9
8
8
ブルハだ、RCだ、ボ・ガンボスだ!秋の夜長に聴きたい80年代ロック秋うた名曲10選!
カタリベ / チャッピー加藤
35
1
9
8
1
アーティスト岩崎良美、今こそ実現して欲しい松田聖子とのコラボレーション
カタリベ / 鈴木 啓之
251
1
9
8
6
河合奈保子「涙のハリウッド」あえてキラキラポップスに挑んだ隠れた名曲
カタリベ / 臼井 孝
23
1
9
8
3
小泉今日子の少女三部作「まっ赤な女の子 → 半分少女 → 艶姿ナミダ娘」
カタリベ / KARL南澤
22
1
9
8
4
イントロクイズで答えたい! 秋を感じる哀愁の80年代アイドルイントロ
カタリベ / 藤田 太郎
84
1
9
8
2
「ひとり街角」と「春風の誘惑」に感じる小泉今日子の哀愁と切なさに萌える
カタリベ / 藤澤 一雅