1980年代のアイドルブームは、1980年にデビューした松田聖子と田原俊彦が、従来よりも大きなアイドル市場を開拓したことから始まっている。アイドルを扱うメディアやコンテンツが増え、2人がアイコンとして先頭を並走することで、新時代の到来が印象づけられたのである。 あれから45年、松田聖子は、6月より日本武道館などの大規模会場をメインとしたツアー『45th Anniversary Seiko Matsuda Concert Tour 2025 “Sing!Sing!Sing!”』を行い、各会場で安定した動員力を示した。
そして、近年はテレビ出演の機会も増え、そのたびにハイレベルなダンスパフォーマンスが話題になる田原俊彦は、超満員となった東京国際フォーラム・ホールAの公演を軸に、夏から11月にかけて全国19箇所のホールツアー『TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE 'T' TOUR 2025 Dance with KING of IDOL 踊るパワースポット!』を行った。また、シングル「LIFE IS A CARNIVAL」が32年10か月ぶりにオリコン週間シングルチャートでトップ10入りというニュースもあった。
まず、6月に開催された、閉館間近の東京・丸の内TOEIで行われた『スケバン刑事フェスティバル in さよなら 丸の内TOEI』だ。3人が映画館の舞台上で、古い友人同士のように笑顔で語り合う光景には、“いいものを見た” という感覚を観客に提供したのだった。さらにその約1か月後、7月5日には日本テレビ系音楽特番『THE MUSIC DAY 2025』、10月2日にNHKで放送された『SONGS』にも3人が並んで出演。夢の続きが2度も見られたのだ。
最後にもうひとつ。1980年代アイドルの2025年を語る上で欠かせない話題がある。85年組のなかでも、もっとも大規模な40周年全国ツアーを行う予定だった中山美穂の不在である(2024年12月6日逝去)。6月18日には、当初ツアーのセミファイナルとして予定されていたNHKホールで『中山美穂 40th Anniversary Concert ~ P.S. I LOVE YOU ~』という特別なイベントが開催され、そこには先輩アイドルである小泉今日子がサプライズ出演してファンを泣かせた。80年代アイドルはファンの人生に寄り添い、ともに生きているのである。