1992年 11月18日

誰もが森友嵐士!T-BOLAN があれだけ多くの人に愛された理由はどこにあるのだろう?

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90年代のカラオケ文化に欠かせなかったT-BOLAN


カラオケ文化盛んなりし90年代前半、男子たちが歌うレパートリーの中に、必ずと言っていいほど取り上げられていたのがT-BOLANの楽曲だった。♪EVERY DAY EVERY NIGHT…のフレーズが今も強烈に耳に残る「離したくはない」を筆頭に、誰もが彼らの歌を愛し、ヴォーカルの森友嵐士になりきり、歌い上げていた。

1991年にシングル「悲しみが痛いよ」でメジャー・デビューを果たしたT-BOLANは、ヴォーカルの森友、ドラム青木和義、ギター五味孝氏、ベース上野博文、の4ピース・バンド。2作目の「離したくはない」が驚異的なロング・セラーを記録し、一躍人気ロック・バンドとなった。その後も「Bye For Now」「じれったい愛」「マリア」「刹那さを消せやしない」「わがままに抱き合えたなら」「すれ違いの純情」と、数々のヒット曲を世に送り出した。

亀田大毅がリング上で熱唱した「Heart of Gold」


90年代、T-BOLANがあれだけ多くの人に愛された理由はどこにあるのだろう。まず、何より類まれな資質を持つ森友嵐士のヴォーカルの質感が、多くの人々の支持を集めたのは間違いないところ。ロック・ヴォーカリストとしてのお手本のような歌唱法、男っぽくて艶のある魅力的な声質に、男たちは共感を見出したのである。

思わず自分でも歌ってみたくなる官能性がその声とメロディーには含有されているであろうことは、ボクサー亀田大毅がリング上で、試合勝利後に彼らの曲を熱唱したという有名なエピソードでも証明済みだ。

T-BOLANの世界観には、本音、恋愛観、将来や希望、現実の自身と向き合う姿勢といったものが凝縮されており、今の自分を表現したいと思った時、彼らの歌は見事に共鳴し、心を揺さぶるのである。

そして、明快かつ力強いそのメロディーライン。特にエモーショナルなギター・ソロを含む分厚いバンド・サウンドは、90年代J―POPの王道を行くスタイルで、オーソドックスでありつつ古びないサウンド・メイクも魅力。男心をくすぐるヴォーカルと骨太なサウンドの融合は、同時に多くの女性ファンも虜にした。

彼らはバラディアーとしての人気も高く、森友のヴォーカルがバラードの歌い上げに圧倒的な力量を発揮するのに加え、夢を追いかける男、という普遍的なテーマが歌われることが多かったのも、その大きな理由であろう。

森友嵐士のソロ作品でもセルフカバーされた「離したくはない」


出世作となった「離したくはない」は、最初はファースト・アルバムに収録されていたが、シングルバージョンでは歌詞が一部変更され、セカンド・アルバム『BABY BLUE』ではアコースティック・バージョンでのセルフ・リメイクが為されているほか、森友のソロ作品でもセルフカバーされるなど、経年に耐え得るスタンダード・ナンバーであることがわかる。



他にも織田哲郎作曲の「すれ違いの純情」や、こちらもアルバム曲の代表作の1つ「泥だらけのエピローグ」にもアコースティック・バージョンが存在する。これはシンプルなバックにも耐え得るメロディーの良さあってのもの。また、バラードのイメージが強い彼らだが、3作目「JUST ILLUSION」や10作目「わがままに抱き合えたなら」のようなギラギラしたアッパーなロック・ナンバーも多く、ことにアルバム曲では3作目『SO BAD』収録の「My life is My way」や4作目『HEART OF STONE』収録の「びしょ濡れの優しさの中」など、ライブ映えするアップチューンも多数存在する。

キャッチーなリフやサビも含め、バリエーション豊富なその音作りは、ライブ・バンドとしての耐久力の高さを裏打ちするものとなっているのだ。

森友の喉の不調による活動休止と、2017年の完全復活への道のり


だが、3年半の間のリリース&ライブスケジュール、すごすぎる活動の末の喉の酷使からくる、94年頃より森友の喉の不調が始まり、1995年3月26日の大阪厚生年金会館のステージを最後にライブ活動は一時休止。回復の兆しが見えないまま、バンドは99年12月に解散を発表。

原因は森友の心因性発声障害によるものであった。森友の病気との闘いは10年以上に及んだが、解散から13年後の2012年に、オリジナルメンバーによる再結成がなされたものの、本格的な活動再開はもう少し後になる。2015年に上野がくも膜下出血で倒れた時に、上野が病床でライブをもう一度やりたいと話したことがきっかけで2017年にT-BOLAN完全復活に至ったのだ。

シングル曲のみで構成されるツアー、そしてシングルベストアルバム「T-BOLAN COMPLETE SINGLES〜SATISFY〜」がリリース


そして今年の8月より開催される全国ツアー『T-BOLAN LIVE TOUR 2023-2024 SINGLES〜波紋〜』は、全シングルを披露するライブになると発表されている。誰もが一度は歌ったであろう珠玉のバラードが、極上のロック・チューンが、次々に繰り出されるのだ。大ヒット曲、名曲の数々だけで組まれたステージングは、一時代を築いたバンドだけが成し得る魅力的なパフォーマンスである。

また、このツアーに先駆けて、8月16日にはシングルベストアルバム『T-BOLAN COMPLETE SINGLES〜SATISFY〜』がリリースされる。デビュー曲「悲しみが痛いよ」から、最新曲「愛の爆弾=CHERISH〜アインシュタインからの伝言〜」までの全シングルと代表曲を収録した、究極のシングルベスト・アルバムである。さらに特典として全シングル曲のカラオケ音源をダウンロードできるパスコードが付いており、ライブ参加前の予習にこの上ない構成の1枚となっている。



聴き手がその歌詞に共鳴し、自身の思いを投影したくなるアーティスト。それがT-BOLANの持つ最大の武器であり、魅力である。どの歌にも男の弱さや本音を晒しながら、同時に明日への希望を捨てずに生き続ける主人公が歌われているが、それは森友自身の偽らざる思いであると同時に、多くのリスナーたちの心に響く普遍的な心情でもあるのだ。ベスト・アルバムの発売と、ツアーの開催を今から心待ちにしたい。

特集 T-BOLAN

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