7月21日

ミミ萩原、女子プロレスのビジュアルクイーン路線を確立した元祖!

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スポーツ&アスリート担当の私に、投稿の機会が回ってきてから数日。誰を取り上げようかと考えながら、ミミガーをつまみにキリンの瓶ビールを飲んでいるときに思いついた。今回はこの人だ。

1970年代、私が鼻たれ小僧の小学生時代、近所の天狗屋(※注)に女子プロレスのポスターが貼ってあった。その中心には、当時の看板選手、ジャンボ宮本の姿。馬場の16文キックや猪木のコブラツイストに酔いしれることが多かった私にとって、女子プロレスの存在は未知のものであったが、その名前だけはしっかりと記憶した。

70年代中盤になると、マッハ文朱が登場。長身、ルックスの良さ、抜群の運動神経であっという間にスター選手となり、子どもが観るバラエティ番組などにも出演。これで、女子プロブームに火が点いた。マッハは、もともと『スター誕生』に出場し、決戦大会にも出場したことがあるぐらいだから、歌も上手い(ちなみに同じ決戦大会には山口百恵もいたらしい)。試合後に、リング上で自慢の歌声を披露したことから、「女子プロレス&音楽」のセットが出来上がった。

マッハが芸能界に転出すると、ビューティ・ペアの登場となる。女子中高生のアイドルとなった彼女たちのデビュー曲は「かけめぐる青春」。女子中高生に人気が爆発。黄色い声援と紙テープが飛び交う、およそリングとは思えない雰囲気になってきた。

80年代になると、ジャガー横田VSデビル雅美という黄金カードで盛り上がり、極めつけはクラッシュ・ギャルズ。ダンプ松本、ブル中野といったヒールとの抗争で、女子プロレスが最盛期を迎える。この頃は、ジャガーもクラッシュ・ギャルズも歌っている。

さて、ここまではいわゆる “エース” の系譜。これとは別に、現在の女子プロには、ビジュアルクイーン路線が成立している。そのスタートがミミ萩原だ(ミミガーから連想したことは否定しない)。

この人、“ミミ” という芸名で、すでにアイドル歌手として活動していた。同時期に日吉ミミという歌手も活動していたので、「芸能界は “ミミ” 流行り」だと鼻たれ小僧が思い込んでいたぐらいだから、かなり有名。ドラマやバラエティなどにも出演していたので、プロレス転向は大いに話題となった。

当時、テレビの実況をしていた志生野温夫氏によると、デビューから87連敗という、おそろしい記録を打ち立てている。しかし、これが判官びいきの心に届き、彼女のレスラーとしての人気も徐々に上昇。80年代になると、タイトルを奪取するなど実力もつき、看板選手のひとりとなる。そして、露出度が高いハイレグで登場するなど、セクシー路線を成立させたのも彼女。こうなると、お決まりのレコードデビューとなる(彼女にとってはデビューではないが……)。

「スタンド・アップ」「セクシーパンサー」、「セクシー IN THE NIGHT(セクシーいんじゃない)」、「愛鈴(アイリーン)」などをリリースした。一方で、セクシー系写真集を出すなど、その人気は男性ファンにも広がっていった。

残念ながら、1984年に引退したが、その後、ビジュアルクイーン路線はナンシー久美、キューティ鈴木、井上貴子などに引き継がれていった。この原稿を書いている2018年4月現在、ミミ萩原の写真集『燃える青春』を、税込み4,014円で販売しているサイトを発見した。当時2,000円だから約2倍。ミミのファンはぜひどうぞ。


※注:天狗屋
地元のご夫婦が営む中華料理店なのだが、駄菓子やウルトラセブンの写真(袋に入っており、どんなシーンが入っているか、開けるまでわからない)なども販売していたため、地域のガキどもにとっては、重要な拠点。人気の「天狗焼き」は、一般に「今川焼き」や「太鼓焼き」「大判焼き」「回転焼き」とも呼ばれ、全国でその名を変える変幻自在な焼き菓子。店の屋号を使っていたことを勘案すると、店主自慢の一品だったと推察される。今はもう……ない。


2018.04.23
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1965年生まれ
goo_chan
女子プロレスラーで一番歌が上手いのは、デビル雅美だ。プロレス関係なくドラマの主題歌を歌ってたのには驚いた。
2018/04/27 02:07
0
返信
カタリベ
1964年生まれ
小山眞史
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