高校生の頃、私は友人に誘われて、映画「パープル・レイン」を観に行きました。既に全米でブレイクしまくっていたプリンスを知らなかったわけではありませんが、そんなにプリンスのことに詳しくなかった私は気が進みません。
アメリカでの人気は凄かったものの、日本では映画が大ヒットというまでではなく、「見に行かないと早く終わってしまう!」という友人の説得に折れ、劇場に足を運びました。
ストーリーはあまりに簡潔でやや肩透かしをくらいましたが、全編に流れる楽曲のカッコ良さに魅了されました。タイトル曲「パープル・レイン」が数少ないコードながらドラマチックに盛り上がるという凄いパワーを持つ楽曲のように、この映画のエンディングも、ストーリーより全体のリズミックな描き方によってさらに感動的になったという印象でした。
それからすぐにアルバム「パープル・レイン」を聴き込みました。また、ビートルズ的とも評された「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」にも感銘を受け、すっかりファンになってしまった私は、その後も溢れ出る才能に驚きと感動を何度も何度も受け続けています。
突然すぎるその天才の急逝をまだちゃんと受け止められませんが、最近(といっても2007年)のスーパーボウルのハーフタイムショーの模様を紹介します。
「ウィ・ウィル・ロック・ユー」に乗って登場する殿下。「レッツ・ゴー・クレイジー」が始まると会場のヴォルテージは上がりまくり。「1999」のイントロから「ベイビー、アイム・スター」に繋がり、曲はCCRの「プラウド・メアリー」に変貌したあと、ジミヘンの「見張り塔からずっと」になり(ディランの曲ですが、このアレンジはジミヘン!)、これまたフー・ファイターズの「ベスト・オブ・ユー」に変貌していきます。
ちょっとしたブレイクの後、いよいよクライマックスの「パープル・レイン」! 天候は大雨というこれ以上ないシチュエーションの中、照明と重なり合って本当に紫の雨が降っているように見えます。あまりにも感動的なエンディング! 生中継を見た後、しばらく動けませんでした。
私にとっては過去最高のハーフタイムショーであると同時に、映像で見ることができる最高峰のパフォーマンスのひとつだと思ってます。
2016.04.26
YouTube / NFL
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