12月6日

朝ドラ出演中!永作博美のデビューは《ribbon》乙女塾から誕生したアイドルグループ

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永作博美もメンバーだった「オールナイトフジ 女子高生スペシャル」


おニャン子クラブのブームを生み出した『夕やけニャンニャン』の放送終了から約1年半後、1989年4月からフジテレビで始まった番組が『パラダイスGoGo!!』だった。やはり月〜金曜夕方5時からの1時間枠で、制作スタッフも夕ニャンとほぼ同じチーム。そこでタレント育成機関として番組と共に誕生したのが「乙女塾」だ。

スタート前に『オールナイトフジ 女子高生スペシャル』が組まれ、出演メンバーがスライドしていったのは夕ニャンの時と一緒である。そこには後に中心メンバーのひとりとなる永作博美も既にいた。

1期生は、すぐに歌手コースと俳優コースに分かれることになるタレントコースと、モデルコースとで構成され、その態勢は3期生まで続けられた。1期生にはほかにも、やがて “CoCo” のメンバーとなる大野幹代や羽田恵理香が、レッスンに参加していた中には、後に “東京パフォーマンスドール” の一員となって活躍する市井由理の顔もあった。『パラダイスGoGo!!』はわずか1年間の放送で、後半は30分番組に短縮されつつも、多くのアイドルが輩出されたのである。

乙女塾からCoCoについでデビューしたribbon


乙女塾から最も早く、1989年9月にデビューしたのは、当初5人組でスタートしたCoCo。続いて誕生したのが “ribbon” だった。

1989年12月6日、「リトル☆デイト」でデビューした、永作博美、松野有里巳、佐藤愛子の3人組。永作と松野が1期生で、佐藤が3期生にあたる。中でも一番お姉さんだった永作が常に中心的存在を担っていた。

歌手デビュー時に19歳というのは決して早いスタートではなかったものの、純真無垢さを感じさせるベビーフェイスの可愛らしいルックスは、アイドルとしての最大の武器になったはず。たちまちファンを獲得することになる。

博美の名前は、生まれ年の1970年に開催された大阪万博に因んだものであったという。しかしながら出身は大阪ではなく茨城県。小さい頃から歌は好きだったが、芸能界への憧れは特になかったらしく、きっかけとなった『オールナイトフジ 女子高生スペシャル』に応募したのは、高校生活最後の思い出にしたいという動機からだった。

1回だけのつもりが、そのあと『オイシイじゃん』という番組の「美感少女」に選ばれて、半年間出演することに。その時のディレクターから薦められた乙女塾1期生の審査に合格して、後番組となる『パラダイスGoGo!!』への出演が決まった。

アイドルポップスの佳曲、「リトル☆デイト」


自分より若いCoCoが先んじてデビューしたことは少し複雑な心境だったようだが、すぐにribbon結成の話が舞い込んで忙しくなり、あれこれ考えている暇はなかったそうだ。デビュー曲の「リトル☆デイト」が、フジテレビの人気アニメ『らんま1/2 熱闘編』のオープニングテーマに起用されるという恵まれた滑り出し。

三浦徳子と後藤次利のコンビによる作品はいかにもアニソンらしい抑揚が効かされており、ノヴェルティ性も兼ねたアイドルポップスの佳曲である。楽曲の選定にあたっては、レーベルも一緒だった王道路線のCoCoとの差別化ということもスタッフ陣は少なからず考えたに違いない。

最もアイドルらしい楽曲といえそうな第2弾「そばにいるね」以降、「あのコによろしく」「Virgin Snow」「サイレント・サマー」など、季節感が強く投影された楽曲も目立つ。その他にも曲の傾向がバラエティに富んでいたのは、3人の安定した歌唱力があってこそだっただろう。永作のボーカルの魅力は特に際立っていた。

グループでの活動期間は4年余り。正式な解散や活動停止はアナウンスされないまま自然消滅となり、1993年10月の通算13枚目「夜明けなんていらない」が結果的にラストシングルとなる。“わらべ” や “うしろ髪ひかれ隊” など一時的なユニット以外の女性3人組アイドルとしては、おそらく “キャンディーズ” から “Perfume” に至るまでの間で唯一の成功例ではないだろうか。



30年以上も芸能界の第一線を駆け抜けてきた永作博美


ribbonでの活動と前後して、永作は1993年8月に「My Home Town」でソロデビューを果たし、9月にはオリジナルアルバムもリリースした。



1994年からは女優としての活動を本格化。やがて悪女役までをも幅広く演じるベテランへと成長を遂げる。2000年代以降は日本アカデミー賞やブルーリボン賞で数々の賞を受賞し、映画界にもテレビドラマ界にも欠かせぬ存在となった。年齢を重ねながらも可愛らしさが失われていないことも素晴らしく、アイドル時代以上の輝きを見せている。

ribbonになって間もない頃のインタビューで、自分の目も鼻も口も、顔の作りがどれも小さいからキライと話していた彼女。自分が思うウイークポイントをいつの間にか最高のチャームポイントに転化させたのだ。それから30年以上も芸能界の第一線を駆け抜けてきた永作博美に惜しみない喝采を送りたい。

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2023.03.15
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カタリベ
1965年生まれ
鈴木啓之
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