10月5日

歌謡曲みたい? ZIGGY はお茶の間に進出したグラマラスで荒々しいロックバンド

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ZIGGYのメジャーデビューアルバム「ZIGGY 〜IN WITH THE TIMES〜」が発売された日
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少し不良な彼女から勧められたZIGGYのファーストアルバム


どしゃぶりの雨の日なんかにZIGGYを聴くと初めてできた彼女のことを思い出す。

そのコはいわゆる80年代のヤンキー少女で、光GENJIのファン、少し家庭環境が複雑なコだったと記憶している。

出会いのきっかけは、女子との出会いも少ない男子高に通っていた僕がどうしても彼女が欲しく、「彼氏が欲しい女の子を紹介してくれないか?」と知人に頼んだのがきっかけで付き合うこととなった。僕が学校を休んだりすると休み時間の度に電話をくれて、途中で授業を抜け出してマクドナルドなんかを買って家に遊びに来てくるようなコだった。

そんな少し不良な彼女が「聴いてみて!」と家に持って来たCDがZIGGYのファーストアルバム『ZIGGY 〜IN WITH THE TIMES〜』だった。彼らの名前は音楽誌で目にしていたものの、長髪にドギツイメイクのグラマラスなルックスに「なりたてパンクス」の僕は完全拒否反応を示しており、興味も持つことは無かった。

当時はバンドブーム全盛、僕はザ・ブルーハーツやジュンスカイウォーカーズのコピーバンドを友達と始めた頃でZIGGYのようなルックスのバンドは「ハードロックみたいでダサい」と思っていたのだ。そんなビートパンク小僧ではあるが、初めてできた彼女が家に持って来たCDをむげにはできない。彼女にまだ挿入もしてないのだが、CDプレイヤーには「ZIGGY 〜IN WITH THE TIMES〜」を挿入して聴いてみることにした。

西城秀樹、沢田研二から影響を受けた森重樹一


部屋に流れ出したZIGGYの曲はハードロックやメタルというよりは、パンクロックにも通ずる荒々しいロックンロール、そして何よりも曲がポップだったし、歌謡曲みたいだな… とも思った。西城秀樹、沢田研二を幼少期に好んで聴いていたと語られるvoの森重樹一の影響だと後に色んなメディアの情報で後に知ることとなる。

彼女がお気に入りだと言った「I'M GETTIN' BLUE」、「HOW」、「6月はRAINY BLUES」は単純に “カッコイイ!” と僕も思ったし、同時にやはりヤンキーはバラード好きだな… とも思った。

その彼女とは数ヶ月で別れることとなるのだが、僕にとってZIGGYはお気に入りのバンドとなったし、当時のバンドでコピーこそしなかったものの、同級生のギタリストの連中はZIGGYのギターをコピーして、基礎となるロックンロールギターを習得していった。

僕も友達に「I'M GETTIN' BLUE」のイントロなんかも教えて貰って、たどたどしいながらも部屋で弾いていたりしたし、ZIGGYのメンバーのインタビューでハノイ・ロックスもエアロスミス、ニューヨーク・ドールズも聴くようになって、楽曲へのハノイからの愛ある引用も知って感激したりした。

ZIGGYを引き継いだTHE YELLOW MONKEY


お茶の間に進出したグラマラスなロックバンドZIGGY。その構図は90年代にTHE YELLOW MONKEYへと引き継がれたようにも思う。グラマラスなロックバンドが「追憶のマーメイド」「太陽が燃えている」など歌謡曲テイストのメロディーを上手く楽曲に乗せる手法も似ているし、当時のCDバブルも相まって「イエモン」はビッグセールスとドームクラスのライブツアーを実現した。

両バンドの魅力は何と言っても楽曲のキャッチーさがある。そのメロディーは、語弊があるかもしれないが「歌謡ロック」とも呼べる、日本人の琴線に触れる「哀愁」に溢れている。

昨今、80年代リバイバル~そして90年代リバイバルがメディアで大きく取り上げられているが、今の時代に「無い古き良きモノ」を「新しい音楽」として、リアルタイムを知らない世代がYouTubeやサブスクの浸透により、時代を飛び越えキャッチしているし、そして「喪失してしまった懐かしいモノ」としてリアルタイムを過ごした世代がまた再び手に取っている。ZIGGYは形は変わったが活動を続けている。イエモンも再始動した。



時代を飛び越えるのはロックバンドの使命であり宿命、僕がヤンキー少女と過ごした部屋は2023年を迎えた今もきっと日本の何処かにある風景だ。

不良になり切れない少年少女のBGMにロックバンドはよく似合う。

光GENJI好きだった僕の彼女がどうしてZIGGYに辿りついたのかは未だに不明だが、ファーストアルバム『ZIGGY 〜IN WITH THE TIMES〜』収録楽曲の切なげなメロディーと寂しげな歌詞が孤独な不良少女に刺さったのかな? と思っている。

ZIGGYを耳にすると、今でもあのヤンキー少女の少し背伸びをしたあどけない顔と、お気に入りのバンドのポスターが貼ってある僕の部屋を思い出す。

彼らのファーストアルバムに収録された「I'M GETTIN' BLUE」の歌詞にあるように「どしゃぶりの雨が通り過ぎる頃には 捜していた言葉が見つかるかもしれないな」… と、彼女のことを今も思っている。

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2023.01.10
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