最初のメロイックサインはキッスのジーン・シモンズだったとも言われるが、やはりメロイックサインといえば、ロニー・ジェイムズ・ディオであろう。
いつ頃からなのか?
ブラック・サバス時代ではなかろうか?
そんな気もするが、私の記憶に鮮明に残っているメロイックサイン。それはディオのが85年に発表した「ハングリー・フォー・ヘヴン」のミュージックビデオである(アルバム『セイクレッド・ハート』に収録)。
以前、ディオの自宅の映像を見たとき、そこにある髑髏や十字架などが日本人の私には不気味にしか思えなかったが、魔除けともいわれる人差し指と小指を立てたサイン=ディオのメロイックサインは何かの儀式を想像させ、何の不思議もなくしっくりと入ってきた。
一方ベビーメタルのフォックスサイン。
2010年にさくら学院重音部からベビーメタルとして活動しはじめた頃にメロイックサインを教えたところ、「かわいい」と影絵にして遊んでいたらしい。
ところが、教えたメロイックサインではなく、日本人にはお馴染みのキツネの影絵であったと(笑)。それが今やベビーメタルに欠かせないキツネ様、フォックスサインとなったとは面白い話である。
アイドルとメタルの融合、目黒の老舗ライブハウス鹿鳴館でのコルセット祭りライブで勢いをつけたベビーメタル。
既に世界でも日本のアニメ、コスプレ、メイド、カワイイ文化は世界で知られるようになってきていたし、SU、YUI、MOAのアイドル3人をフロントに歌とダンスでメタルというコンセプトは面白いと思った。
ただ最初期のベビーメタルはやはりアイドル色が強く、アイドルとメタルの融合はまだ先だなと思っていた。
しかし、ある時期から見事に融合しはじめた。
それは神バンドをバックに従えライブをするようになった頃から(もちろん楽曲的にもメタル色が強くなったと思う)。
HR/HMのライブに生演奏は必須であり、そこからは世界で「あのバックバンドの連中は何者だ」とライブ演奏も評価され、重厚でスピーディでありながらメロディにはジャパニーズテイストを随所にあしらい、決して交わることのない両端にあるものだと思っていたアイドルとメタルの融合が世界にインパクトを与えた。正にメタルレジスタンスということだろう。
ーー実はベビーメタルに注目しだしたのは、神バンドのメンバーにギタリストの藤岡幹大氏 小神様が加入したことが大きかった。10数年前にギター雑誌で藤岡氏を知ってから好きなギタリストであった。ーー
進化するSU-METALの突き抜けるような透き通ったハイトーン、YUIMETAL MOAMETALの会場を盛り上げ視覚で魅せるキレのあるパフォーマンス、そして忘れてはならない神バンドの存在。
BABYMETAL、ナメたらいかんぜよ。
今や、日本人初という記録を打ち立てながら数々のHR/HM界のビッグネームとの共演を果たすベビーメタル。
一度、ロニー・ジェイムズ・ディオ(2010年5月16日没)のメロイックサインとベビーメタルのフォックスサインの共演が観てみたかったものだ。
2017.06.01
YouTube / Jaime Arias
YouTube / BABYMETALofficial
Information