真剣に見なくても良い映画? アメリカンコメディ「ズーランダー」
暗いニュースばかりが続き、気分が滅入ってしまう今日この頃ですね。でも、他人事にはできないニュースなので真摯に受け止めて、適度な備蓄で家に篭もりましょう。とりあえず、免疫を高めるために、睡眠をとって、好きな事をする時間を持つのが一番簡単に始められる事ですね。
そこで、気分を明るくしてくれて笑える、私が大好きな映画『ズーランダー』がありまして、こんな時の80年代好きには良いなと思いましたのでご紹介します。アメリカのコメディなので、取り付きにくい人も多いかも…? でも、あまり深くメッセージを訴えてこないですし、深くないぶん、ただ純粋に楽しめて、気分が楽になります。こんな時こそ、真剣に見なくても良い映画も必要ですよね。
秀逸な選曲、ワム!「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」
まずは何と言っても全編に流れる80年代ミュージック。ワム!や、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドとか、ツボをビシバシついてきます。
例えば、落ち込んだ主人公をモデル仲間が励ますためにオレンジ・モカ・フラペチーノを飲みにキャッキャウフフとはしゃぐシーンのバックに、ワム!の「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」が!これはもう鳥肌ものです。
あの曲って、楽しい光景がよく似合いますよね。あの曲をかけたいからこのシーンを作ったんじゃないか? …と思うくらいマッチしています。映画ではこの曲の最後のほうで暗転して悲しい場面になってしまうのだけれど、この選曲が、“より一層楽しい” からの “悲しい” への対比をくっきりと描いていて秀逸な使われ方だと思います。
映画を楽しむエッセンス、全編に流れる80年代ミュージック!
そういえば、ジョージ・マイケルはそんなキラキラした曲をワム!で歌いながらも、アイドル時代を自身の汚点としていたそうですね… バドミントンのシャトルコックをショーツに入れたり、モテてモテて女の子とデートしまくったり。また相方のアンドリュー・リッジリーは売れてからレコーディングにも参加しないでパーティ三昧だったらしいのですが、それと対照的にジョージは、自分は音楽家としてありたいためにアイドルの肩書きを必死で外そうともがいていたらしいですね。
だからでしょうか、今、ワム!のアルバム『ファンタスティック』を聴くと、アイドルなのにその音楽性の高さに驚きます。確かに当時はアイドルだったし、クラスのお友達ともアンドリューが好きか? ジョージが好きか? って話しかしてなくて…。
でも、大人になってから音楽好きなお友達から、「クラブ・トロピカーナ」を聴くとプールの塩素の匂いを感じる… っていうエピソードを聞いてキュンときてしまいました。これって、ジョージが表現したかった、ムワッとした空気感までちゃんと音楽として理解していた人も多かった…ということなんですよね。なんだか、ホッとしました。そういうファンがいたからこそ、その後のジョージ・マイケルの成功があったんでしょうね。
… って、脱線しちゃいましたね… 申し訳ないです…。このほかにも、とにかくかっこいい使われ方をしている曲がたくさんあって映画を楽しむエッセンスになってますよ。好きだった曲もかかるかも?
デヴィッド・ボウイ他、多数のセレブがカメオ出演
そして、もう一つの私的な最大の見所はデヴィッド・ボウイが出ているところ。主役であるベン・スティラーとライバル役のオーウェン・ウィルソンの対決の審判をこなす役。
この対決、モデル同士の対決なので初めはウォーキング対決なんですが、なぜか最後はパンツ(ズボンの方)履いたまま、パンツ(下着の方)を脱ぐ対決になってる… そんなくだらない対決なのに真面目に審判するヴィッド・ボウイの、まぁかっこいいこと!いい感じに歳を取ってきて、どんなくだらないシーンでもこなれている感が出ちゃって、最高!本当にかっこいい大人だなぁと惚れ惚れすること請け合いです。
ちなみに、デヴィッド・ボウイ以外にもたくさんのセレブがカメオで出ているので、それを探すのもお楽しみです。
そういえば、笑うことで免疫が高まるって説もありますよね、こんな時だからこそ、笑ったり、ドキドキしたりして、みんなで頑張ってこの困難を乗り越えられますように願ってやみません。
2020.04.09