1980年代にUK最新ヒットをコンパイルした『NOW』 シリーズ(Now That's What I Call Music! / 英1983年~)が90年代に入っても継続リリースされていたものを、1993年東芝EMI(現:ユニバーサル ミュージック)が日本独自編集で『Now』シリーズとして発売。これが好調なセールスを記録したのを皮切りに、各洋楽メジャー系レコード会社を中心に同様の品がコンスタントにリリース。ちょっとした “洋楽最新ヒットのコンピレーションCD” 発売ラッシュが勃発したのだ。
各レコード会社からリリースされたこの手のオムニバスCDは軒並み良い売り上げとなっていた。その中でも東芝EMIの元祖『NOW』シリーズとソニーミュージック『MAX』シリーズが双璧だったといえるだろう。両者ともに日本独自ヒットという共通項をベースとしながら、UKヒットを主軸にした『NOW』に比して、『MAX』は王道USヒットを主軸にコンパイルされていた。この『MAX』シリーズの記念すべき第1弾作品『MAX Best Hits In The World』(1994年)からちょうど30年が経過した2024年に、“最新洋楽ヒット” コンピレーション黎明期のCDバブルを象徴する本作を紐解いてみようではないか。
1993年から1994年にかけて欧米でヒットした楽曲がズラリ
① Goody Goody / リセット・メレンデス “グリグリ” の空耳でお馴染み、リセットの一発ヒット。本国USでは小ヒットながら、日本のFMラジオから火が付いた90年代を象徴する日本独自ヒット。
② Do You Wanna Get Funky / C+Cミュージック・ファクトリー 複数のヒット曲のエキスをまぶしたクラブヒット。“エヴリバディ・ダンス・ナウ!” でお馴染みC+Cの1994年作品。
③ Hero / マライア・キャリー 1993年末の全米ナンバーワン。こういったUSメジャーヒットが収録できるのがソニーミュージック盤の強み。