突然ですが、ノルウェイと言えばビートルズの「ノルウェーの森」をイメージしませんか?
この曲は1965年の12月にリリースされたビートルズ6枚目のオリジナルアルバム「ラバー・ソウル」のA面2曲目に収録されている歌です。
原題は「Norwegian Wood(This Bird Has Flown)」というタイトルですが、邦題が「ノルウェーの森(鳥は飛んだ)」なので、その曲調とも相まって、冬の曇り空のもとノルウェイの凛とした針葉樹林から一羽の鳥がぱたぱたぱた!って飛び立つ映像をイメージしたものです。
そして80年代後半、村上春樹の小説「ノルウェイの森」がベストセラーになると共にこの曲が今まで以上の話題となり、この対訳は間違ってる! なんて話がクローズアップされ始めました。
確かに最善の翻訳ではないのかもしれませんが、僕は間違ってなんかない!って思ってましたよ。
なぜって、日本語タイトルにある「森」という言葉が少年の想像力や世界観をどんどん膨らませてくれたから。まったく鬼の首を取ったように、正確な対訳は “ノルウェー産の材木(家具)” である、なんて声高に言われてもねえ。
ちなみに、すごく乱暴に言っちゃうと、この曲は “ああ、あの娘とやれなかったなあ” って歌なんじゃないかな。だけど、“あの娘とやれなかったなあ” ってことだけで成り立っている歌でもないんですよね。
こんな詞を書くのは、もちろんジョン・レノン。いつものようにダブルミーニングや語呂合わせがふんだんに使われていて、訳せば訳すほど本質から遠ざかってしまう。さすがレノン、こういうのがロックだよなあ。
ノルウェーの森
作詞・作曲:
John Lennon/Paul McCartney
発売:1965年12月3日
アルバム「Rubber Soul」のA面2曲目
ノルウェイの森
著者:村上春樹
発売:1987年9月4日
2015.12.23
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