初めて聴いてから30年以上経つというのに、僕の中では全く色褪せない名曲。それが、ラッツ&スターの「Tシャツに口紅」です。
たまにカラオケに行って歌ったりすることもありますが、だんだん声が出なくなってきた気もします(笑)。まあ、それはさておき、この曲はいつだってエヴァーグリーン。そして、歳を重ねるにつれ、どんどん好きになっていく。
当時、シャネルズからラッツ&スターに改名し、一躍「め組のひと」が大ヒット。何十万枚売れたのかは知らないけど、このド派手なサマーソングは資生堂のキャンペーンソングだったので、聴こえてこない日なんてありませんでした。
嘘でも大げさでもなく「め組のひと」は、1983年の夏、街中の至る所で鳴っていたんです(あと、松田聖子の「天国のキッス」とアイリーン・キャラの「フラッシュダンス」も)。まあ、高校生の行動範囲なんてたかが知れてたのかもしれませんが。
で、そこから一転、次のシングルが切ないミディアムバラードの「Tシャツに口紅」。前作の印象が強かったのでしょうか、最初聴いた時は、なんて地味な曲なんだろう、って思ったものです。
とは言いながらも、無邪気な田舎の高校生だった僕は、夏の終わりのセンチメンタルというかロマンチックというか、別に失恋なんかしてもいないのに失恋なんかした気分になって、ちょっと大人な感じでビターな気分をヴァーチャルに味わっていたなあ。埼玉県民だからカモメもいないし埠頭なんてないけどね。ああ恥ずかし。
さて、大瀧詠一がラッツをベン E.キング時代のドリフターズに見立ててプロデュースしたと言われるこの作品、サウンド的には僕なんかがとやかく言うレベルを軽く超えていて、全てがパーフェクト。イントロのピアノ、ベースライン、そしてギロの音色。もうこれだけでノックダウン。
時間という荒波を乗り越えて、マーチンのボーカルとラッツのコーラスは今もしっかりと生き残っています。
Tシャツに口紅 / ラッツ&スター
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
編曲:井上鑑
発売:1983年(昭和58年)9月1日
2016.03.19
YouTube / tamataro k
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