2023年 8月27日

いったいなぜ?【80年代アイドル総選挙】80年代にあれだけのアイドルが輩出された理由

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WOWOWプラスの音楽番組「80年代アイドル総選挙! ザ・ベスト100」放送日
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「80年代アイドル総選挙! ザ・ベスト100」テレビ番組としての放送が決定!


昨年末から年明けにかけ、Re:minderと雑誌『昭和40年男』、DJ BLUEの共同主催という形で行われたプロジェクト「80年代アイドル総選挙!ザ・ベスト100」。インターネットと紙媒体を横断するこの好企画、多くの人たちの投票により80年代アイドルの順位を決定するこの企画は、往年のファンから新たな昭和歌謡の聴き手の方まで、多くの人を巻き込んでの一大イベントとなりました。そして、このたび WOWOWプラス「歌謡ポップスチャンネル」で、テレビ番組としての放送が決定! 映像メディアを巻き込んでのさらに大きな企画として放送されます。

「ベスト100」という企画が成立するジャンルは、実のところそうそうないとも言えます。ある時代の、あるジャンルに限って、人々からリクエストを集めたところで、通常はその時代にリアルタイムで体験した人々以外には関心を持たれません。また、そのジャンルだけで100人をランキングする、ということはさらに分母が広く、200〜300、あるいはそれ以上の「候補」がいないとそもそもリクエスト形式のランキングが成立しません。

これはいかに、80年代アイドルの裾野が広く、人数も多かったか、そして幅広い世代に関心を持たれ続けているかの証明でしょう。試しに他のジャンルをこの形で、ある年度で区切りリクエストを募ったところで、おそらく「ベスト100」を選出すること自体が難しいかと思います。曲単位ならまだしも、 “人” なのですから。



80年代アイドルがこれだけの人材を輩出した理由とは?


80年代アイドルがなぜ、これだけの人材を輩出し続けることができたのか。1つは70年代まで分断あるいは対立軸として考えられていた「歌謡曲」と、フォーク、ロック、ニューミュージックなどの非・歌謡曲側との融合が図られたことが大きいでしょう。職業作詞家や職業作曲家によって作られた楽曲を歌う歌謡曲歌手のレパートリーが、次第に自作自演者やニュー・ミュージック系作家の楽曲へと移行し始めたこと。同時に歌謡曲側の作曲家たちの一部は、時代の流行をより意識したナンバーを書くようになっていったことがあります。

一方で、それまで大人が中心だった歌謡曲の購買層が、次第に低年齢化していったことも挙げられます。70年代までアイドル・ポップスはあくまで歌謡曲のいちジャンルでしたが、80年代に入ると、完全に各レコード会社の主力商品として、力の入った作品、大プッシュされるアイドルが次々に送り出されるようになります。

また、フォークやニューミュージックは大学生層が中心の聴き手で、アイドル・ポップスはそれより下の、中高生が聴き手でした。この2つのジャンルが二大勢力として日本の音楽シーンの中心リスナー&購買層となったのが80年代です。両者の間で作家の交流が活発になることで、どちらの音楽も抵抗なく10代〜20代に聴かれるようになっていきました。大学生がアイドルに熱中したり、また中高生でも普通にシンガー・ソングライターやバンドの音楽に親しむようになっていき、同時に “推し” のアイドルも、自分の好む音楽のテイストと合致していった流れがあります。

ユーミンやYMOの音楽に興味がある若者が松田聖子の楽曲にヴィヴィッドに反応したり、もちろんその逆のコースもあります。ではその流れで松本隆&細野晴臣の楽曲だ!と思ってスターボーのパフォーマンスを見て仰天したり、安田成美の歌をハラハラしながら楽しんだり、わらべの曲を坂本龍一がアレンジしているのを知って「へえ」となったり、という経験がリアルタイムのリスナーにはあるのではないでしょうか。



「つい口ずさんでしまう」女性アイドルたちの楽曲


今回の歌謡ポップスチャンネルの番組『80年代アイドル総選挙!ザ・ベスト100』では、ベスト100にランキングされた女性アイドルたちの楽曲が、1曲ずつ流れますが、デビュー曲の場合もあれば、代表曲の方もいますし、意外な隠れ名曲も登場します。実のところ、歌謡ポップスチャンネルでのこういった企画では、視聴者が「つい口ずさんでしまう」という現象が多発している模様。推しのアイドルでなくても「あ、この曲知ってた!」と気づかされ、つい歌ってしまうことが多々あるようです。

それだけ大衆に広く知れ渡っていた80年代アイドル・ポップスですが、クレジットされている作家陣をみると、意外な作家がこのアイドルのデビュー曲を手掛けていたことに驚かされ、逆に筒美京平や馬飼野康二など70年代から活躍する職業作曲家たちが、この時代のトレンドに沿った楽曲を提供していることなど、作家陣をみているだけでも意外な発見がありそうです。

また、松本隆、売野雅勇、康珍化、三浦徳子、秋元康といった作詞家が、アイドルのキャラクターに合わせ、実に多彩な「女の子の側面」を引き出していることにも注目したいところ。個性の差別化が的確に図られていたことも、80年代アイドルのバリエーションの豊かさを生んだ大きな要因でしょう。



一口に「80年代アイドル」と言っても、見事なまでに100人100様の個性があることがわかります。中には現在、一大ブームとなっているシティポップのサウンドそのものといった楽曲もあり、そこに林哲司や山川恵津子といった作家の名前を見ると、いたく納得してしまうのも事実。他にもテクノポップやニューウェーヴ、ディスコ、ユーロビートなどサウンド面の改革が大きかった80年代ならではの音楽的な幅広さも感じ取れる番組構成になっています。

そして、楽曲面のクオリティの高さのみならず、当時は正当に評価されていたとは言い難い、アイドル自身のパフォーマンスの高さ、豊かな歌唱表現も、改めて確認できるのもこういった番組の大きな魅力です。

歌謡ポップスチャンネル『80年代アイドル総選挙!ザ・ベスト100』の放送日は8月27日の20時から23時までの3時間。総選挙で100位以内にランクインした100人のアイドルの楽曲をカウントダウン形式で紹介します。あなたの「推し」のアイドルはいつ登場するか? 何の曲が流れるのか? またそれまであまり興味のなかったアイドルにも、新たな発見があるのか? 歌謡曲&アイドルファン必見の番組、お見逃しなく!


<番組詳細>


■80年代アイドル総選挙!ザ・ベスト100 #1
放送日時:8月27日(日)よる8時

■80年代アイドル総選挙!ザ・ベスト100 #2
放送日時:8月27日(日)よる9時

■80年代アイドル総選挙!ザ・ベスト100 #3
放送日時:8月27日(日)よる10時

<番組公式サイト>
https://www.kayopops.jp/feature/80s_idol_sousenkyo/

80年代アイドル総選挙 ザ・ベスト100

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