3月5日

ブラスバンド人気ナンバーワン!スクエアの「宝島」は成長する名曲

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THE SQUAREのアルバム「S・P・O・R・T・S」がリリースされた日(TAKARAJIMA 収録)
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photo:SonyMusic  

吹奏楽部、いわゆるブラスバンド(ブラバン)出身者向けの話になってしまい恐縮だが、80年代後期のブラバン経験者である僕にとって、THE SQUARE の「TAKARAJIMA(宝島)」はいつまでも心の特等席にいる一曲である。

エレキギターを買ってもらったばかりの僕は、高校に入ったらロックバンドがやりたかった。しかし九州の片田舎の我が母校には軽音など存在せず、ほどなく勧誘にやって来た怖い先輩たちに「音楽やりたいならちょっと来い」と吹奏楽部の部室に閉じ込められ、気がついたらテナーサックスのマウスピースをピーピー練習させられていた。ま、同じバンドなのだからいいか、と思って吹き始めたら、いつの間にかすっかり熱中してしまって、いま思えば泣けるほどキラキラした音楽漬けの日々を過ごしていた。

ただし我が母校は当時、超体育会系のヤンチャな男子校であったので、上級生は神様として存在していた。先輩に対しては「返事以外はすべて口ごたえ」。とにかく過激なスパルタ式吹奏楽部だった。なので、近年よくある吹奏楽部を舞台にした青春ラブストーリーなどとは無縁であったことは断っておきたい。文字通り血が出るまで楽器を吹き続ける毎日を過ごしていたのである。

クラシックやマーチ、ポップス、歌謡曲など、いろんな曲をいろんな行事で演奏した。ミッションスクールだったから讃美歌も何度も吹いた(ちなみに讃美歌の練習でさえ歌詞の世界観を根底からブチ壊す超スパルタであった… 笑)。どの曲も思い出深いのだが、どれか一曲マイベストを選ぶなら、冒頭に述べた THE SQUARE の「TAKARAJIMA(宝島)」をおいて他にない。

「TAKARAJIMA(宝島)」は、THE SQUARE が1986年に発表したアルバム『S・P・O・R・T・S』が初出だ。このほか80年代後半のブラバン経験者なら、THE SQUARE の「OMENS OF LOVE」「TRUTH」は必ず演奏したのではないかな!?

その中でも、吹奏楽向けにアレンジされた「TAKARAJIMA(宝島)」は、本当に本当に演奏するのが楽しかった。吹奏楽界の巨匠、真島俊夫がアレンジを手がけた『第15集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス’87』に収録されたバージョンである。爽やかさが前面に立つ SQUARE版と違って、吹奏楽版はその爽やかさを残しながらも、サンバのリズムが強調されたダイナミックなイケイケのブラスサウンドに編曲されている。

まずはアゴゴベルを中心とするパーカッション部隊がにぎやかにサンバのリズムを打ち鳴らす。続いてドラムスがかぶさり、お祭り気分を高めたのちに “ダダッタッタッタタンっ!” のキメ。すかさず金管パートがファンファーレ風のイントロを高らかに吹き上げ、再びの “ダダッタッタッタタンっ!” を合図に、我ら木管パートが海の風を受け波の上をすべりゆくようにAメロを吹き始める。

―― と、このあとも聴きどころ&各パートの見せ場がたんまりあるのだけれど、ここまで書いただけで涙腺が崩壊しそうなくらい、なぜかこの曲はいつ聴いても、僕の心をどこか別の場所に連れて行ってくれる。落ち込んだときに聴けば、一曲終わる頃には一緒に口笛を吹いていた… なんて経験もあって、これまでにもずいぶん助けられてきた。

発表間もない80年代末にリアルタイムで吹いていた身としては想像もしてなかった話ではあるが、その後も吹奏楽に愛し続けられた「TAKARAJIMA(宝島)」は、今ではブラバン定番曲のナンバーワンみたいな位置づけになっている。

当時僕が吹いていた頃は “体を動かして吹くのは NG” “笑うのは不真面目で NG” などと教えられていたけれど、昨今の動画などを見てみると、驚くべきことに現代っ子たちはニコニコ笑顔に振り付け&激しいダンスを交えながらこの曲を吹いているではないか!

笑いながら、踊りながら吹くとは、なんと素敵な「TAKARAJIMA(宝島)」だろう。名曲は時代とともに成長するものなのだなぁと、しみじみ感じ入った次第であります。

2019.03.04
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カタリベ
1974年生まれ
吉井 草千里
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