壮大なデュエット曲「ラブラブショーのテーマ」
マンションの一室で、7日間共に暮らし、一つのダブルベッドで眠ることになる初対面の芸能人男女。そんな二人を観察する深夜番組を見ていて、ふと思い出したのが、1970年代にフジテレビ系で放送されていた『ラブラブショー』だ。
『ラブラブショー』は、疑似お見合いという形式のトーク番組。主役である芸能人男女を前方に座らせ、その後方で、二人の芸能界の親代わりや友人など、関係者がそれぞれの微笑ましい素顔やエピソードを披露する。
番組冒頭で主役二人が歌う、壮大なデュエット曲「ラブラブショーのテーマ」も印象深い。
男:二人だけの 二人のための とても素敵な噂
女:二人だけの 二人のための とても素敵な出会い
男女:たとえ何と言われても 一度は一度は
男女:恋をする
男女:二人だけの 二人のための ラブラブショー
“二人” を連発するストレートなラブソングを熱唱しながら、ステージ上の大階段を降りてくる芸能人カップル。この曲がイントロからなんともドラマチックで、一気に番組のボルテージを上げまくる。
司会は芳村真理、山口百恵と三浦友和など結婚したカップルも!
『ラブラブショー』の司会は芳村真理。放送時の年齢は30代後半から40代前半だが、すでにやり手マダム感があり、昭和に数多くいた “お見合い世話したがりオバサン” を彷彿させる。
男女の組み合わせは、番組で共演経験があるパターンが多かったが、片方が会いたい芸能人を指名するといった例もあったようだ。関口宏と西田佐知子、千昌夫とジョーン・シェパード、ちあきなおみと郷鍈治、山口百恵と三浦友和など、その後結婚したカップルも多い。
二人が互いの印象を照れながら語ったり、二人の写真をコンピューターで合成した “未来のベイビー写真” が披露されたり。お似合いのカップルと関係者に盛り立てられると、何とも思っていなかった相手でも意識し始めて、その気に…… なんてことも、あったのではないか。
恥じらいながらのお見合いトーク番組、いま復活したら?
同じベッドで眠ったり、最後にキスをするのがお約束だったり。売り出し中とはいえ、芸能人でも際どい恋愛シミュレーションをやらせる昨今のリアリティ番組。トークと歌の『ラブラブショー』と比べるのもなんだが、なんだかマウスの実験みたいだ。
そういえば、先述した深夜番組で、唖然とするような展開があった。期限付き同棲の最後の夜、女性(職業モデル)が感謝の言葉を述べた後に、男性(俳優)が放った言葉がすごかった。クローゼットの中が汚い、プレゼントが入っていた箱が放置されていた、キッチンの洗い物がそのまま…… など、女性に説教をしたのだ。
ややモラハラ傾向がある若手俳優に、ちょっとだらしないところがあるファッションモデル。そんなことがわかってしまう番組って、いったい誰トク? なんて思いながらも、頬を染め、恥じらいながらのお見合いトーク番組が今復活しても、物足りなく感じてしまうんだろなぁ。
2020.04.03