カナダの至宝、偉大なるラッシュ。70年代に発表したアルバムはほぼすべてがマスターピースと呼べる名作ぞろいなのですが、作風としては81年のライヴアルバム『神話大全』が一つの区切りといえるでしょう。82年のアルバム『シグナルズ』からが第2章、現在のモダンスタイルのラッシュの始まりともいえます。
シンセ・サウンドを前面に押し出し、次作の『グレイス・アンダー・プレッシャー』からはニール・パート先生がシンセ・ドラムを使用し始めます(流行りましたよね~ シモンズの六角形エレクトロニック・ドラム)。もはや長尺の曲はアルバムから去り、シングルカットが増え、ミュージックビデオもたくさん作られるようになりました。とはいえ、シングルがチャートを賑わすことはあまりなく、やっぱりアルバムアーティストなのでした(80年代のアルバムはほとんどが全米トップ10入り)。
私にとってのこの時代のベストアルバムはなんといっても『シグナルズ』。冒頭1曲目の「サブディビジョン」の壮大さには心躍ります。この曲はのちにライヴの定番曲になります。ファーストシングルの「ニュー・ワールド・マン」のモダンなつくりはそれまでになかったものですが、やっぱりカッコイイ。「失われた夢(Losing It)」もこれまでにはあまり見られない抒情的なメロディー。題材が当時らしいスペースシャトルを描いた「カウントダウン」は70年代のラッシュらしさも垣間見せます。
このアルバムを聴くまでは私にとってハードプログレバンドという認識だったラッシュですが、この『シグナルズ』で、もうジャンルとかわけわからなくなりました。まさにジャンルがラッシュです。この頃から現在における最新作『クロックワーク・エンジェルズ』(2012年)まで、どのアルバムを聴いても年代の差を感じないのも不思議です。
昨年はアルバムデビュー40周年(!)のツアーをおこないました。そろそろ引退という噂もありましたが(ニール先生がもうツアーは引退したいかなとも言ってたし)、なんとかもう少し! そしてどこか良心的なプロモーターさん、日本に呼んで~!!!
2016.12.07
YouTube / RushVEVO
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