バッファロー【Buffalo】
この名前を聞いて野生動物を思い浮かべる人が殆どか、もしくはIT周辺機器の会社を思い浮かべると思う。
しかし、僕の中で Buffalo と言えば、80年代ロンドンでレイ・ペトリが率いたクリエイティブ集団の事が真っ先に思い浮かぶ。その写真集は今も昔も宝物であり続ける。
80年代に主にファッションで世界を揺さぶったクリエイティブ集団。そのスタイリングは画期的でミックススタイル<Mix Style>に主軸を置いていた。
今では当たり前のミックススタイルも当時では斬新だった。スポーツミックスやデコラティブなアクセサリーをスーツスタイルに取り入れたのは彼らが初めてだったと思う。
一番有名なのはMA-1でバッファローのユニフォームとも言えるアイテムとなった。ミリタリーをファッションに取り入れる手法は以前からあったが短靴に白ソックス、ガウチョハットを合わせたスタイルは斬新だった。
デザイナーの菊池武夫さんが、彼らに自身のコレクションのプロデュースを依頼したときは、その余りの斬新さに衝撃を受けたのだそうだ。その場にいられず3回予定していたショーの1回目が終了したときに自宅に帰ってしまったという話を何かで読んだ。たしか、風呂に入って何とか平常心を取り戻し、最終回には戻ったそうですが…。
当時のロンドンは Mixed Culture に溢れており、ファッションだけでなく音楽もレゲエやスカを取り入れた新しいスタイルのバンドが続々と登場していた。
またMixed Culture を標榜する集団は、スタイリスト、カメラマン、モデルというそれぞれに専門分野を持つ人達の集まりだった。
メンバーはレイ・ペトリを筆頭に――
バリー・ケイマン
ジェイミー・モーガン
ナオミ・キャンベル
ミッチ・ロレンス
マーク・ルボン
ネナ・チェリー
錚々たるメンバーで構成されていた。
後にスーパーモデルとして名を馳せる事になるナオミ・キャンベルが一番有名だが、今回はネナ・チェリーを取り上げたい。
継父にドン・チェリー。
イーグルアイ・チェリーは、異父弟にあたる。前夫は、元ポップ・グループのブルース・スミス。
スウェーデン、ストックホルム生まれ。母親のモナ・チェリーはテキスタイルデザイナー。実父はパーカショニスト。80年にロンドンに移住。
生い立ちからしてファッションと音楽、さらには異文化の融合という使命を帯びて生まれてきたかの様。
彼女は歌う――
馴れ馴れしくしないで
お金にはなびかない
バッファロー・スタンスは揺るがない
後に独自なシーンを形成していたブリストルサウンドに接近し、ポップ・グループのブルース・スミスと結婚。マッシヴ・アタックとの活動はバッファローで培った Mixed Culture によるものだと思う。
バッファローの様に堅固なスタンスを保ちながら、良いものは良いと言えるセンスをまた、今の時代が求めている気がしている。
2018.02.21
YouTube / NenehCherryVEVO
YouTube / DrMartensOfficial
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